新小学1年生を対象にしたアンケートによる新年度恒例の「就きたい職業」ランキング(2024年版)が、ランドセル素材メーカー「クラレ」から公表された。トップ10には、スポーツ選手や芸能人といった不動の職種が並ぶ一方、新型コロナウイルス禍で注目度が上がったあの職業が順位を落として欄外に。子どもたちの「将来の夢」は、今の時代を映している。
「あと伸び」する子の特徴とは? カギは「べき力」
1位「ケーキ屋・パン屋」▽2位「警察官」▽3位「スポーツ選手」――。トップ3は、前年と同じ並びだった。続いて「芸能人・歌手・モデル」(4位)や「TV・アニメキャラクター」(7位)、「医師」(8位)などだった。
男女別で見ると、女の子では2割超が挙げたケーキ屋・パン屋が26年連続の1位と圧倒的な人気。2位の「芸能人・歌手・モデル」を選んだ子は12・4%と前年(7・3%)から大きく増えた。クラレの担当者は「K―POPのほか、アイドルを題材にした『アイドルマスター』『アイカツ!』などのアニメ人気が影響している」とみる。
男の子は、16%が選んだスポーツ選手が4年ぶりに1位に返り咲いた。「コロナ禍が明けて思う存分スポーツを楽しめるようになり、Jリーガーやプロ野球選手を夢見る子が再び増えた」と担当者は言う。
こうした職業がいつの時代も人気を誇る半面、総合順位で前年の9位から14位に落ちたのが「ユーチューバー」だ。挙げた子どもは2・5%と、前年から減少。「ユーチューブを見る子が増えたコロナ禍が明けたからでしょうか……でも、よく分かりません」と担当者。親を対象にした「就かせたい職業」ランキングでは、前年も今年も選外だった。
一方、大きく人気を集めた職業が二つあった。「研究者」と「ゲームクリエーター」だ。
研究者は、男の子で過去最高に並ぶ5位に上がり、総合でも9位。好きな分野は恐竜や昆虫、化石が多く、図鑑や生き物番組の影響で「好奇心が刺激されている」とみられる。ゲームクリエーターについて担当者は「プログラミング教育の広がりによるものでは」と推し量る。
アンケートは、クラレが自社製品を使ったランドセルの購入者を対象に実施。今春に小学校に入る男女各2000人と、その親4000人の回答を集計した。【長屋美乃里】