現在、猛威を振るっているインフルエンザだが、なかには短期間で2回も感染する人が出ている。さらに、今急増しているというのがインフルでもコロナでもない、“謎の高熱”。その正体とは……。新型コロナとインフルが“逆転現象”…短期間で2回感染も「きのう夕方くらいから調子が悪くなって、夜すごい熱が出始めて38.3度とか……」苦しそうな表情を浮かべ、ベッドに横たわる30代の女性。「検査の結果なんですけどインフルエンザです。症状をとるためのお薬と、インフルエンザのお薬を出しておきますね」

夜間や休日に救急往診を行うファストドクター、小室哲也医師は「インフルエンザ」と診断した。小室医師は28日、約5時間で7件の往診を行ったが、このうち5人がインフルエンザだった。小室医師によると、5月にはインフルエンザの人がほとんど見られなかったのが、6月、7月、8月と、どんどん増えていき、新型コロナとインフルエンザの逆転現象が起きているという。6月に新型コロナに感染し、現在はインフルエンザで療養中だという男性は、「(24日の)朝、37.5度ぐらいあって、昼過ぎぐらいに38.3度ぐらいまで上がってきた。喉の痛みはもう2日目からですかね。すごく強いのが出ていました」と、高熱と喉の痛みなどを訴える。「前回が8月20日前後でしたかね。(インフルエンザ)2回目です。またか…とは思いましたね」男性は、わずか2カ月という短期間で2回もインフルエンザに感染。一体なぜなのか?多くのインフルエンザ患者を診てきた、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「(インフルエンザ)A型の中でも、昨年と少し異なる株に感染をしているというケースがあるようなんですよね。H3、N2という香港型と言われている、昨年はこっちが主流だったわけですね。今はどちらかというと、H1、N1の方が多いんですけど混在してるみたいなんですよね」と説明。現在、同じA型のインフルエンザウイルスであるH1とH3の2つが同時流行しているというのだ。さらに伊藤院長は、「我々の免疫力も弱っていると思いますので、2度、もしくは、場合によってはB型も含めて3度感染することも無きにしもあらずです」と警鐘を鳴らす。インフルでもコロナでもない…さらなる脅威「アデノウイルス」インフルエンザの感染が拡大する中、さらなる脅威も……。「最初はちょっと喉が痛くて、特に熱もなかったのでそのまま仕事に行って、午後になったらちょっと寒気がしてきて家に帰ったら、熱が38度、39度近くまでパンッと上がっていた」「インフルエンザとか流行っていたので、最初にインフルエンザかなって。コロナは2カ月前にかかったばかりだったので、多分コロナではないかなと」1週間前に高熱が出た20代の女性は、インフルエンザを疑い検査をしたが、結果は陰性だった。インフルエンザでもなければ、コロナでもないとすると、この高熱は一体何なのか。子供を中心に、主に夏に流行する咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)は、プールで感染があることから“プール熱”とも呼ばれる感染症だ。女性はその原因となる「アデノウイルス」に感染していた。女性は、「アデノは子供がかかるイメージというか、大人がかかるようなイメージではなかった」と話すが、伊藤院長は「子供のみならず大人も感染するケースが散見されるということは、やっぱり今の特徴かなと思います」と説明する。アデノウイルスは、アルコール消毒が効きにくく、強力な感染力を持つ。東京都では、患者報告数が2.41人と増加しており、統計開始以来初めて警報が出された。実際に診察を受けた人たちは……。(26歳男性)伊藤院長:目の症状が出た時はいつでした?男性:大体5日ぐらい前。鏡で見るともう(目が)充血していて。伊藤院長:小さなお子さんと接触する機会ってあります?男性:ないです。伊藤院長:プールに入ったりとかありますか?男性:ないです。伊藤院長:普通に出勤したりしてるだけ?男性:はい。(4歳の女の子)伊藤院長:咳ひどいです?女の子の母親:ひどいです。伊藤院長:喉がガゼガゼだね。目は確かに内側の方は赤いね。これプール熱の原因のウイルス、アデノウイルスなんですよね。咽頭結膜熱(プール熱)の症状は、39度前後の発熱や、のどの痛み、結膜炎など。特別な治療法はなく、症状に合わせた対症療法で緩和しながら、症状は1~2週間で治まるという。全国的に薬不足が深刻化…有効な予防法は?一方、医療現場では今、感染症の異例の流行などにより薬不足が全国的に起きている。「葵薬局」管理薬剤師の川中彬寛さんは、「患者様が処方箋を持って来られてもお薬が準備できない、そういった状態が続いています。せき止め、痰切りが今、全然入ってこない状態です」と説明する。処方箋の薬がない場合は、薬剤師が医師に相談し代替薬で対応するという。川中さんは、「近隣の薬局に全部電話して在庫を確認して、先生に『うちじゃなくてあっちの薬局の方がいいかもしれません』みたいな話をする。なかなか難しいところはあります」と話す。インフルエンザ、プール熱には、どのような対策や予防法が有効なのか。伊藤院長は、インフルエンザに関しては現在のワクチンがどちらの株にも有効なので、予防接種をしてほしいとしている。一方、プール熱はタオルなどを共用することでも感染し、アルコール消毒が効きづらいが、インフル・プール熱どちらに関しても、換気、手洗い、うがいといった、基本的な予防法が効果的だという。(「Mr.サンデー」10月29日放送より)
現在、猛威を振るっているインフルエンザだが、なかには短期間で2回も感染する人が出ている。さらに、今急増しているというのがインフルでもコロナでもない、“謎の高熱”。その正体とは……。
「きのう夕方くらいから調子が悪くなって、夜すごい熱が出始めて38.3度とか……」
苦しそうな表情を浮かべ、ベッドに横たわる30代の女性。
「検査の結果なんですけどインフルエンザです。症状をとるためのお薬と、インフルエンザのお薬を出しておきますね」
夜間や休日に救急往診を行うファストドクター、小室哲也医師は「インフルエンザ」と診断した。
小室医師は28日、約5時間で7件の往診を行ったが、このうち5人がインフルエンザだった。小室医師によると、5月にはインフルエンザの人がほとんど見られなかったのが、6月、7月、8月と、どんどん増えていき、新型コロナとインフルエンザの逆転現象が起きているという。
6月に新型コロナに感染し、現在はインフルエンザで療養中だという男性は、「(24日の)朝、37.5度ぐらいあって、昼過ぎぐらいに38.3度ぐらいまで上がってきた。喉の痛みはもう2日目からですかね。すごく強いのが出ていました」と、高熱と喉の痛みなどを訴える。
「前回が8月20日前後でしたかね。(インフルエンザ)2回目です。またか…とは思いましたね」
男性は、わずか2カ月という短期間で2回もインフルエンザに感染。一体なぜなのか?
多くのインフルエンザ患者を診てきた、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「(インフルエンザ)A型の中でも、昨年と少し異なる株に感染をしているというケースがあるようなんですよね。H3、N2という香港型と言われている、昨年はこっちが主流だったわけですね。今はどちらかというと、H1、N1の方が多いんですけど混在してるみたいなんですよね」と説明。現在、同じA型のインフルエンザウイルスであるH1とH3の2つが同時流行しているというのだ。
さらに伊藤院長は、「我々の免疫力も弱っていると思いますので、2度、もしくは、場合によってはB型も含めて3度感染することも無きにしもあらずです」と警鐘を鳴らす。
インフルエンザの感染が拡大する中、さらなる脅威も……。
「最初はちょっと喉が痛くて、特に熱もなかったのでそのまま仕事に行って、午後になったらちょっと寒気がしてきて家に帰ったら、熱が38度、39度近くまでパンッと上がっていた」
「インフルエンザとか流行っていたので、最初にインフルエンザかなって。コロナは2カ月前にかかったばかりだったので、多分コロナではないかなと」
1週間前に高熱が出た20代の女性は、インフルエンザを疑い検査をしたが、結果は陰性だった。インフルエンザでもなければ、コロナでもないとすると、この高熱は一体何なのか。
子供を中心に、主に夏に流行する咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)は、プールで感染があることから“プール熱”とも呼ばれる感染症だ。女性はその原因となる「アデノウイルス」に感染していた。
女性は、「アデノは子供がかかるイメージというか、大人がかかるようなイメージではなかった」と話すが、伊藤院長は「子供のみならず大人も感染するケースが散見されるということは、やっぱり今の特徴かなと思います」と説明する。
アデノウイルスは、アルコール消毒が効きにくく、強力な感染力を持つ。東京都では、患者報告数が2.41人と増加しており、統計開始以来初めて警報が出された。
実際に診察を受けた人たちは……。
(26歳男性)伊藤院長:目の症状が出た時はいつでした?
男性:大体5日ぐらい前。鏡で見るともう(目が)充血していて。
伊藤院長:小さなお子さんと接触する機会ってあります?
男性:ないです。
伊藤院長:プールに入ったりとかありますか?
男性:ないです。
伊藤院長:普通に出勤したりしてるだけ?
男性:はい。
(4歳の女の子)伊藤院長:咳ひどいです?
女の子の母親:ひどいです。
咽頭結膜熱(プール熱)の症状は、39度前後の発熱や、のどの痛み、結膜炎など。特別な治療法はなく、症状に合わせた対症療法で緩和しながら、症状は1~2週間で治まるという。
一方、医療現場では今、感染症の異例の流行などにより薬不足が全国的に起きている。
「葵薬局」管理薬剤師の川中彬寛さんは、「患者様が処方箋を持って来られてもお薬が準備できない、そういった状態が続いています。せき止め、痰切りが今、全然入ってこない状態です」と説明する。処方箋の薬がない場合は、薬剤師が医師に相談し代替薬で対応するという。
川中さんは、「近隣の薬局に全部電話して在庫を確認して、先生に『うちじゃなくてあっちの薬局の方がいいかもしれません』みたいな話をする。なかなか難しいところはあります」と話す。
インフルエンザ、プール熱には、どのような対策や予防法が有効なのか。
伊藤院長は、インフルエンザに関しては現在のワクチンがどちらの株にも有効なので、予防接種をしてほしいとしている。一方、プール熱はタオルなどを共用することでも感染し、アルコール消毒が効きづらいが、インフル・プール熱どちらに関しても、換気、手洗い、うがいといった、基本的な予防法が効果的だという。
(「Mr.サンデー」10月29日放送より)