ハロウィーン当日の31日を目前に控えた週末の28日、東京都渋谷区長が「来ないで」と異例の呼び掛けをしたJR渋谷駅周辺は早朝からハチ公像周辺が封鎖され、大勢の警察官が配置されるなど厳戒態勢が敷かれた。
人出は多かったものの、仮装をしたり騒いだりする人の姿はほとんど見られなかった。
5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行してから初のハロウィーンということもあり、長谷部健区長は韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で昨年発生した雑踏事故と同様の事故が起きかねないと危惧。9月以降、記者会見で「ハロウィーン目的で渋谷駅周辺に来ないで」と何度も強調していた。
区は27日夕から11月1日早朝まで渋谷駅周辺での路上飲酒を条例で禁止し、28日は雑踏対策として警備員120人余りを投入した。駅前には「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と書かれた看板が掲げられ、警視庁の「DJポリス」がマイクを手に「立ち止まることなく、前の方に続いてお進みください」と呼び掛けた。
観光で初めて渋谷に来たという大阪府の40代主婦は「仮装している人がほとんどいなくて意外」と驚いた様子。待ち合わせでハチ公像をよく使っているという都内の大学2年の女性(20)は「ハチ公前広場が封鎖されるとどこで待ち合わせしていいか分からない」と戸惑っていた。