マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」でトラブルが相次いでいることから、神奈川県保険医協会(横浜市)は加盟医療機関にアンケートを実施した。健康保険への加入が有効かをリアルタイムで確認できる「オンライン資格確認システム」を導入している医療機関のうち約7割がトラブルを経験していた。【遠藤和行】
【表でおさらい】マイナンバーを巡る主な出来事 政府は、2024年秋に健康保険証を廃止(猶予として25年秋まで継続使用可能)し、マイナンバーカードと一体の「マイナ保険証」に統一する方針。医療機関には、カードリーダーやパソコンなどを使う資格確認システムの導入が求められている。しかし、カードリーダーが有効な保険証を無効と表示するなどのトラブルが報告されている。

協会は実態把握のため5月下旬に5114医療機関を対象にアンケートを行い、約15%に当たる744医療機関が回答した。 資格確認システムを導入していたのは574医療機関で、このうち401医療機関が「トラブルがあった」と回答。内容(複数回答可)は、「該当資格なしと表示された」が62件で最も多く、「顔認証ができない」49件、「切り替え直後などで新しい保険証情報が反映されていない」41件、「カードリーダーが起動しないなどコンピューター側の不具合」39件、「マイナンバーカードの暗証番号忘れ・誤入力」23件、「保険証原本との有効期限・住所などの相違」14件と続いた。 トラブル対応として「現行の保険証で資格確認した」が7割を占めた。「患者に10割負担を請求した」との回答も28医療機関あった。 自由回答には「パソコンが故障した時に即時復旧が不可能で、10割会計での対応が恐怖でしかない。経営が成り立たない」や、「受け付け業務の負担が大きい。特に高齢の方には毎回、画面に一緒に向かって、確認、説明をしながらの操作が必要で、不具合が起きると業務もストップする。(従来の)保険証が一番スムーズ」「手間が増えただけでメリットは何も感じていない。もっと体制が整ってから実施してほしかった」など不満の声が続々と上がった。 協会は「受け付けでのトラブルが続出し、診療や受け付け業務に支障を来している実態が判明した。トラブル時に現行保険証がバックアップとして機能しており、来秋の保険証廃止は中止すべきだ」と指摘。 政府は6月29日、医療機関の窓口でマイナ保険証の資格確認ができない対応策として、当面は従来の健康保険証も一緒に医療機関へ持参するよう呼びかける方針を明らかにした。
政府は、2024年秋に健康保険証を廃止(猶予として25年秋まで継続使用可能)し、マイナンバーカードと一体の「マイナ保険証」に統一する方針。医療機関には、カードリーダーやパソコンなどを使う資格確認システムの導入が求められている。しかし、カードリーダーが有効な保険証を無効と表示するなどのトラブルが報告されている。
協会は実態把握のため5月下旬に5114医療機関を対象にアンケートを行い、約15%に当たる744医療機関が回答した。
資格確認システムを導入していたのは574医療機関で、このうち401医療機関が「トラブルがあった」と回答。内容(複数回答可)は、「該当資格なしと表示された」が62件で最も多く、「顔認証ができない」49件、
「切り替え直後などで新しい保険証情報が反映されていない」41件、「カードリーダーが起動しないなどコンピューター側の不具合」39件、「マイナンバーカードの暗証番号忘れ・誤入力」23件、「保険証原本との有効期限・住所などの相違」14件と続いた。
トラブル対応として「現行の保険証で資格確認した」が7割を占めた。「患者に10割負担を請求した」との回答も28医療機関あった。
自由回答には「パソコンが故障した時に即時復旧が不可能で、10割会計での対応が恐怖でしかない。経営が成り立たない」や、「受け付け業務の負担が大きい。特に高齢の方には毎回、画面に一緒に向かって、確認、説明をしながらの操作が必要で、不具合が起きると業務もストップする。(従来の)保険証が一番スムーズ」「手間が増えただけでメリットは何も感じていない。もっと体制が整ってから実施してほしかった」など不満の声が続々と上がった。
協会は「受け付けでのトラブルが続出し、診療や受け付け業務に支障を来している実態が判明した。トラブル時に現行保険証がバックアップとして機能しており、来秋の保険証廃止は中止すべきだ」と指摘。
政府は6月29日、医療機関の窓口でマイナ保険証の資格確認ができない対応策として、当面は従来の健康保険証も一緒に医療機関へ持参するよう呼びかける方針を明らかにした。