公共の場所で誰でも演奏ができる、ストリートピアノ。その音は、癒やしの音色なのか、それとも騒音なのか。今、各地でトラブルが相次いでいる。
31日、取材班が向かったのは神奈川・横浜市の商業施設。どこからともなく聞こえてきたのは、ピアノの音色。
公共の場所に設置され、誰でも自由に演奏できるストリートピアノ。
演奏を聴いた人「弾いてる方を見かけていて、うまい方もいるので聴いてます。癒やされます」
街を癒やしの空間へと変えるストリートピアノだが、今、各地で騒音をめぐるトラブルが相次いでいる。
愛知・名古屋市内にあるストリートピアノは、立て看板に貼り紙が貼られていて、当面の間、休止となっている。
広く音楽に親しんでもらおうと、名古屋市が商業施設内に設置したグランドピアノ。
しかし、一部の利用者がマナーを守らず、大音量で演奏したことなどを受け、休止となった。
名古屋市民「音楽に触れるところが、小さい子もいるのであった方が楽しいと思います」、「(演奏が下手だと?)聴いてられない。きついかなって思います」
市には、「演奏がうるさい」などの苦情が、月に10件ほど寄せられたという。
その一方で…。
名古屋市観光文化交流局 文化芸術推進課・谷太陽課長「(休止以来)いつ再開するんだと問い合わせがあります。ストリートピアノの利用中止は、市としては非常に残念」
実は、休止になったのは、名古屋だけではない。
福島・郡山市内の百貨店にあるピアノは、2023年3月、酔っぱらいの迷惑行為により、一時休止に追い込まれた。
さらに5月、兵庫・加古川市では、駅のピアノを大音量で長時間演奏するなど、ルールを守らない人がいたため、撤去になった。
ストリートピアノの音は、どれぐらいの大きさなのだろうか。
ルールを守って演奏する人の音量を測ってみると、女性の演奏で、だいたい79デシベル(dB)。
79デジベルは、カエルの鳴き声と同じくらいの大きさ。
神奈川・横浜市のストリートピアノは2022年、期間限定で設置。
2023年になって、近隣の飲食店から復活を望む声が相次ぎ、4月に再び設置に踏み切った。
設置にあたり、ピアノの裏側に防音のパネルを取りつけるなどの対策を講じている。
クイーンズスクエア横浜 イベント実行委員長・ 戸田哉さん「場所と環境によっては、どうしても音が大きくて、一部で騒音ととられてしまう場合もある。ここのお客さまは大賛成で、成功した事例かなと思っています」
ストリートピアノは癒やしの音色か、はたまた騒音か。不協和音が鳴りやまない。