柵の上にずらりと並ぶカラス。その視線の先にあるのは、大勢の人でにぎわう湘南のビーチ。
サーフィンや砂遊び、バーベキューを楽しむ大勢の人。しかし、ゴールデンウィークに集まったのは、人だけではなかった。
多くのカラスが、浜辺でくつろぐ人の頭上を飛び回っている。
レジ袋に群がる大量のカラス。持ち主の女性が戻り追い払うが、まったく逃げようともしない。
女性「ちょっと目を離したすきにちらっと見たら、カラスの大群。おにぎりとか、この子のご飯(ドッグフード)を置いていた。レジ袋まで持っていくわ、何もかもグチャグチャ」
さらに、砂浜に置きっぱなしのかばんに、1羽のカラスが近づき、かばんをあさっていた。
かばんから、スナック菓子のようなものを引っ張り出し、くちばしで袋を開けて食べていた。
それを見て、大量のカラスが餌に群がってきた。
カラスの被害は、これだけではない。
点々と白く汚れているのは、カラスのふんによる被害なのか、ビーチが見下ろせる場所にある柵の上も下も汚されてしまった。
ゴールデンウィークで遊びに来た人は、大量のカラスについて、どう思っているのだろうか。
訪れた人「きょう来て、カラス多いなっていうイメージがすごくありますね。子どもたちと写真撮ろうと思ったら、隣にいたおじさんが餌をあげてて、子どもたちの方に飛んできた。ちょっと危なかった」
カラスの生態にくわしい専門家は、今の時期は繁殖期のため、攻撃的になったカラスに襲われる機会が増えるという。
宇都宮大学 名誉教授・杉田昭栄さん「ゴールデンウィークで、レジャーが盛んになる。アウトドアのレジャーも増えると思います。この時期、繁殖時期ですから、公園とか自然の中で人が増えると、人間にとっては、攻撃される機会が普段よりはあると思う」
さらに、コロナによる影響で休業していた飲食店が、営業を再開。
飲食店から出されたごみを、カラスたちは待ち構えていた。
どうすれば、カラスによる被害を抑えられるのだろうか。
宇都宮大学・杉田名誉教授「『パン』と手をたたいて音を出して、来るなというサイン。棒で地面を、あるいは近くの身近な音のする缶か何かで、ガンガン、カラスを追い払う。カラス対策にとっては大事なように思えます」
音を出して追い払ったり、ごみのネットをしっかりとかけるなど、1人ひとりができることをやっていくことが重要だという。