のどかな風景の中を走るのは、よみがえった国鉄色の列車。
しかし取材班が、そこで目撃したのは、「撮り鉄」による線路ギリギリでの危険な撮影。そして、私有地への無断侵入などの迷惑行為だった。
鳥取・日野町にある、“撮り鉄の聖地”ともいわれる、通称「ネウクロ」。
レンズの先にあるのは、復刻された特急「やくも」。
岡山県と山陰地方を結ぶ列車として、1972年に誕生した特急「やくも」。
2022年、運転開始50年を記念して、クリーム色に赤のラインが入った国鉄色などとなって復活した。
ただ、2024年から新型車両が導入されるため、このレトロな列車も、まもなく見納め。
連休中の聖地には、多くのファンが駆けつけた。
一方で、危険な撮影を行う撮り鉄も。
ガードレールを越えて、カメラを構える4人の男性。すると、男性たちのすぐ横を特急やくもが通過。
列車までの距離は、わずか2メートルほど。事故にもつながりかねない危険な撮影。
さらに、線路に立ち入り、そのまま横断していく姿もとらえられていた。
こうした危険な撮影をしていた「撮り鉄」に直撃すると、驚きの答えが返ってきた。
スタッフ「ガードレールの中に入っていた?」危険な撮影をした撮り鉄「(ガードレールの)外だと思った」
線路ギリギリでカメラを構える「撮り鉄」はほかにも。
立ち入り禁止のテープを越えて撮影する男性。
この場所は、JR西日本の敷地内で、不法侵入にあたる。
男性に話を聞くと、悪びれる様子もなく、ある主張をした。
無断侵入した撮り鉄「ここは撮影いいんです。一応(テープが)張ってあるけど、中に入らなければ、運転士的には問題ないと言われた」
男性の主張について、JR西日本に確認したところ、この場所での撮影は一切禁止だった。
地元の住民によると、農道に勝手に車を止められたり、さらには、田んぼを踏み荒らされるなどの被害があったという。
地元住民「人の土地に勝手に入っちゃう…。道路の通り道にカメラの三脚を立てて人がたまる。こんなこと言うと怒られるが、邪魔な感じ」
こうした状況について、JR西日本は「鉄道ファンに盛り上げていただくことはありがたいが、安全にマナーを守って撮影に臨んでほしい」とコメントしている。