名古屋刑務所(愛知県みよし市)で複数の刑務官が受刑者に繰り返し暴行していた問題で、同刑務所が28日に特別公務員暴行陵虐などの容疑で、刑務官13人を名古屋地検に書類送検する方針を固めたことが27日、関係者への取材で分かった。
法務省は懲戒処分なども併せて行う方針で、処分を受けるのは暴行した刑務官本人と上司ら三十数人になるとみられる。28日に記者会見して公表する。
名古屋刑務所では昨年夏までの約10カ月間、刑務官22人が40~60代の男性受刑者3人に対し、顔や手をたたいたり、アルコールスプレーを顔に噴射したりといった暴行を繰り返していた。法務省の調査で、けがをさせた1件を含め100件近くの暴行が確認され、不適正処遇の総数は計約420件に上った。
関係者によると、22人のうち13人については特に悪質性の高い暴行をしており、名古屋刑務所は刑事処分が相当と判断した。法務省は外部の有識者による第三者委員会を設置し、原因究明や再発防止策の検討を進めている。6月に防止策などを取りまとめる予定という。
名古屋刑務所では2001年と02年にも、刑務官が受刑者に消防用ホースで放水して死亡させたり、革手錠のベルトで腹を締め付けて死傷させたりする事件が起きている。