沖縄県の陸上自衛隊・石垣駐屯地の開設を記念する式典がきのう開催されました。ただ、ここに配備されるあるミサイルの存在が、住民を不安にさせています。
浜田靖一防衛大臣「石垣島をはじめとする先島諸島は、我が国防衛の最前線に位置します」
きのう、石垣駐屯地の開設を記念して開かれた式典。浜田防衛大臣は隊員らへの訓示で「石垣島は我が国防衛の最前線だ」と、部隊の重要性を強調しました。
念頭にあるのは海洋進出を強める中国。与那国島、宮古島などに続き、石垣島に駐屯地を開設することで、南西諸島の「空白」が解消されることになります。
こうした中、石垣駐屯地に配備されたあるミサイルが物議を醸しています。
記者「石垣駐屯地に配備される12式地対艦誘導弾が公開されました」
「12式地対艦誘導弾」。射程は100数十キロ、地上から発射し、敵の艦隊を迎え撃つミサイルです。
「爆弾持って帰れ。ミサイル持って帰れ」(先月18日)
ミサイルが持ち込まれたとみられる日には住民らによる抗議運動が起き、その後の防衛省による住民説明会でも…
説明会参加者「眠っている以外は畑仕事をしていても、頭から離れないんですよ」
特に住民が懸念するのは、相手国のミサイル発射拠点などを叩く「反撃能力」に駐屯地のミサイルが活用されるのでは、という点です。「かえって相手国からの攻撃対象になるのではないか」との不安はぬぐえません。
説明会参加者「相手の基地まで飛ぶような長距離ミサイルを配備するなら、私はこれは自衛隊に賛成する人でも、反対する人でも、このことについて容認できない」
実際、政府はこの「12式地対艦誘導弾」を改良して「反撃能力」に用いることを想定。射程を伸ばした「能力向上型」の開発を進めています。射程は現在の百数十キロから1000キロ以上に伸びるとされ、仮に石垣島に配備されれば、中国本土も射程に入ります。
ただ、防衛省はこの能力向上型を石垣島に配備するのか明言を避けています。
浜田靖一防衛大臣「具体的な配備先は決定していないため、今後の配備場所について申し上げることは困難」
島の住民に対しても…
担当者「(長射程の)スタンドオフミサイルの具体的な配備先は決まっていません」
石垣駐屯地のミサイルはいずれ「能力向上型」に置き換わるのか。住民は防衛省側の説明を注視しています。