日本各地に残る昭和のラブホテルを巡っている、昭和ラブホ愛好家のゆななさん(26)。北海道から沖縄まで、全国100軒以上の昭和ラブホを1人で訪れるほどの偏愛ぶりだ。今年3月29日には、自身の“昭和ラブホ愛”を詰め込んだ著書『回転ベッドを追いかけて』も出版した。
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今回、そんなゆななさんに取材を申し込んだところ、「私のお気に入りの昭和ラブホで話しませんか」と返信があった。指定されたのは、埼玉県川越市にある「Hotel SunPearl(ホテルサンパール)」。
部屋に入ると、煌びやかなライトの下に、高級車のロールスロイスを改造したベッドが置いてあった。いきなり昭和ラブホならではの“ゴージャス感”に圧倒されつつ、なぜ平成生まれの彼女が昭和ラブホに心を奪われたのか、1人で日本各地を巡る理由などを聞いた。(全3回目の1回目/2回目に続く)◆◆◆北海道から沖縄まで、100軒以上の昭和ラブホを巡っているゆななさん――部屋に入った瞬間、ロールスロイスのベッドが目に入ってきて驚きました。昭和ラブホにはこういうゴージャスなインテリアが多いのでしょうか?ゆななさん(以下、ゆなな) 多いですね。ただ、古くなって取り壊されたり、リニューアルされたりしているところがほとんどなので、このホテルのように昭和のままの内装やインテリアが残っているところは貴重です。だから紹介したくて、ここに来ていただきました。ゴージャスなロールスロイスのベッドと、ゆななさんの衣装がマッチしている――ゆななさんは全国の昭和ラブホを1人で巡っているそうですね。ゆなな 北海道から沖縄まで、100軒以上は巡っていると思います。――そんなに!ゆなな 友だちには、「1人で北海道の昭和ラブホまで行くのは狂っている」と言われたこともあります(笑)。――平成生まれのゆななさんが、なぜ昭和ラブホにハマったのでしょうか。ゆなな 昭和ラブホにハマる前から、レトロなものが好きだったんです。高校生のときから純喫茶など、レトロな空間の写真を見たり撮ったりしていました。 昭和ラブホに出合ったのは、大学生のとき。ネットを見ていたら、ある昭和ラブホの写真を見つけて。どこのホテルだったかは忘れてしまったのですが、スペースシャトルの形をしたベッドが置いてあったんですよ。しかもそのベッドは、前後に動くらしいというのも知って、「なんだここは!」って衝撃を受けました。 私はそれまで、女子会をするようなシンプルでおしゃれなホテルしか知りませんでした。だからこそ、突拍子もない物が置いてある昭和ラブホの“バカバカしさ”に惹かれたというか……。「男女ふたりで過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを作っちゃったんだろう」って想像するだけでワクワクしてきちゃって。 また、昭和時代では当たり前だったラブホの内装や設備が、平成生まれの自分にとっては逆に新鮮でした。それで実際に行ってみたのが始まりです。20歳のときに蒲田の昭和ラブホで衝撃を受けた――初めて昭和ラブホを訪れたのはいつ頃ですか。ゆなな 20歳くらいのときです。蒲田にある昭和ラブホに行ったのですが、全面鏡張りの部屋で。行く前に写真で見てましたけど、実際に目の当たりにすると衝撃を受けましたね。最初にしては難易度が高かった(笑)。 そのときは「休憩」で入ったんですけど、誰にも邪魔されずに1人の時間を味わえたのが良かったです。部屋の内装を撮ったりしながら、最初から楽しんでいました。――最初から1人だったのですね。ゆなな はい。初めて行ったときも含めて、基本的には1人で行動しています。正直、最初は「せっかくラブホに行くのに何で1人なんだろう。誰かと一緒に行きたいな」と思いましたね。でもその葛藤より、好奇心が勝ってしまって。――「ラブホ女子会」の認知度が上がっているので、来てくれるお友だちもいそうですが。ゆなな 友だちを誘ったこともありますし、今でも時々ですが、昭和ラブホが好きな友だちと一緒に行くことはあります。 ただ、基本的には「女子会をするなら、キレイでおしゃれなところがいい」っていう子が多くて……。でも、そう思う気持ちはわかります。昭和ラブホは古めかしい建物のところも多いので。――確かに「ラブホ女子会」と聞くと、キラキラしたイメージがあります。でも昭和ラブホだと、そういう雰囲気にはなりにくいと。ゆなな 仲のいい友だちを誘って行ったときに、部屋のお風呂が全面ガラス張りで、外から丸見えだったことがあるんです。バスマットを立てかけて見えないようにして入りましたけど、お互いに気恥ずかしくなってしまいました(笑)。1人で昭和ラブホに行って、何をしているのか?――ちなみに、1人で昭和ラブホに行って何をされているのですか?ゆなな 昭和ラブホの空間に合わせたレトロな衣装を着て、ポートレート撮影をするのが好きなんです。大好きな空間に自分がいた記録を残したいんですよね。三脚立ててセルフタイマーで1人で撮影してる姿は、側から見たらとてもシュールですが(笑)。 その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。旅行をするときは、観光スポットに行かずにラブホへ直行――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。 広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。 また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
部屋に入ると、煌びやかなライトの下に、高級車のロールスロイスを改造したベッドが置いてあった。いきなり昭和ラブホならではの“ゴージャス感”に圧倒されつつ、なぜ平成生まれの彼女が昭和ラブホに心を奪われたのか、1人で日本各地を巡る理由などを聞いた。(全3回目の1回目/2回目に続く)
◆◆◆北海道から沖縄まで、100軒以上の昭和ラブホを巡っているゆななさん――部屋に入った瞬間、ロールスロイスのベッドが目に入ってきて驚きました。昭和ラブホにはこういうゴージャスなインテリアが多いのでしょうか?ゆななさん(以下、ゆなな) 多いですね。ただ、古くなって取り壊されたり、リニューアルされたりしているところがほとんどなので、このホテルのように昭和のままの内装やインテリアが残っているところは貴重です。だから紹介したくて、ここに来ていただきました。ゴージャスなロールスロイスのベッドと、ゆななさんの衣装がマッチしている――ゆななさんは全国の昭和ラブホを1人で巡っているそうですね。ゆなな 北海道から沖縄まで、100軒以上は巡っていると思います。――そんなに!ゆなな 友だちには、「1人で北海道の昭和ラブホまで行くのは狂っている」と言われたこともあります(笑)。――平成生まれのゆななさんが、なぜ昭和ラブホにハマったのでしょうか。ゆなな 昭和ラブホにハマる前から、レトロなものが好きだったんです。高校生のときから純喫茶など、レトロな空間の写真を見たり撮ったりしていました。 昭和ラブホに出合ったのは、大学生のとき。ネットを見ていたら、ある昭和ラブホの写真を見つけて。どこのホテルだったかは忘れてしまったのですが、スペースシャトルの形をしたベッドが置いてあったんですよ。しかもそのベッドは、前後に動くらしいというのも知って、「なんだここは!」って衝撃を受けました。 私はそれまで、女子会をするようなシンプルでおしゃれなホテルしか知りませんでした。だからこそ、突拍子もない物が置いてある昭和ラブホの“バカバカしさ”に惹かれたというか……。「男女ふたりで過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを作っちゃったんだろう」って想像するだけでワクワクしてきちゃって。 また、昭和時代では当たり前だったラブホの内装や設備が、平成生まれの自分にとっては逆に新鮮でした。それで実際に行ってみたのが始まりです。20歳のときに蒲田の昭和ラブホで衝撃を受けた――初めて昭和ラブホを訪れたのはいつ頃ですか。ゆなな 20歳くらいのときです。蒲田にある昭和ラブホに行ったのですが、全面鏡張りの部屋で。行く前に写真で見てましたけど、実際に目の当たりにすると衝撃を受けましたね。最初にしては難易度が高かった(笑)。 そのときは「休憩」で入ったんですけど、誰にも邪魔されずに1人の時間を味わえたのが良かったです。部屋の内装を撮ったりしながら、最初から楽しんでいました。――最初から1人だったのですね。ゆなな はい。初めて行ったときも含めて、基本的には1人で行動しています。正直、最初は「せっかくラブホに行くのに何で1人なんだろう。誰かと一緒に行きたいな」と思いましたね。でもその葛藤より、好奇心が勝ってしまって。――「ラブホ女子会」の認知度が上がっているので、来てくれるお友だちもいそうですが。ゆなな 友だちを誘ったこともありますし、今でも時々ですが、昭和ラブホが好きな友だちと一緒に行くことはあります。 ただ、基本的には「女子会をするなら、キレイでおしゃれなところがいい」っていう子が多くて……。でも、そう思う気持ちはわかります。昭和ラブホは古めかしい建物のところも多いので。――確かに「ラブホ女子会」と聞くと、キラキラしたイメージがあります。でも昭和ラブホだと、そういう雰囲気にはなりにくいと。ゆなな 仲のいい友だちを誘って行ったときに、部屋のお風呂が全面ガラス張りで、外から丸見えだったことがあるんです。バスマットを立てかけて見えないようにして入りましたけど、お互いに気恥ずかしくなってしまいました(笑)。1人で昭和ラブホに行って、何をしているのか?――ちなみに、1人で昭和ラブホに行って何をされているのですか?ゆなな 昭和ラブホの空間に合わせたレトロな衣装を着て、ポートレート撮影をするのが好きなんです。大好きな空間に自分がいた記録を残したいんですよね。三脚立ててセルフタイマーで1人で撮影してる姿は、側から見たらとてもシュールですが(笑)。 その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。旅行をするときは、観光スポットに行かずにラブホへ直行――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。 広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。 また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
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――部屋に入った瞬間、ロールスロイスのベッドが目に入ってきて驚きました。昭和ラブホにはこういうゴージャスなインテリアが多いのでしょうか?
ゆななさん(以下、ゆなな) 多いですね。ただ、古くなって取り壊されたり、リニューアルされたりしているところがほとんどなので、このホテルのように昭和のままの内装やインテリアが残っているところは貴重です。だから紹介したくて、ここに来ていただきました。
ゴージャスなロールスロイスのベッドと、ゆななさんの衣装がマッチしている
――ゆななさんは全国の昭和ラブホを1人で巡っているそうですね。
ゆなな 北海道から沖縄まで、100軒以上は巡っていると思います。
――そんなに!
ゆなな 友だちには、「1人で北海道の昭和ラブホまで行くのは狂っている」と言われたこともあります(笑)。
――平成生まれのゆななさんが、なぜ昭和ラブホにハマったのでしょうか。
ゆなな 昭和ラブホにハマる前から、レトロなものが好きだったんです。高校生のときから純喫茶など、レトロな空間の写真を見たり撮ったりしていました。
昭和ラブホに出合ったのは、大学生のとき。ネットを見ていたら、ある昭和ラブホの写真を見つけて。どこのホテルだったかは忘れてしまったのですが、スペースシャトルの形をしたベッドが置いてあったんですよ。しかもそのベッドは、前後に動くらしいというのも知って、「なんだここは!」って衝撃を受けました。
私はそれまで、女子会をするようなシンプルでおしゃれなホテルしか知りませんでした。だからこそ、突拍子もない物が置いてある昭和ラブホの“バカバカしさ”に惹かれたというか……。「男女ふたりで過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを作っちゃったんだろう」って想像するだけでワクワクしてきちゃって。 また、昭和時代では当たり前だったラブホの内装や設備が、平成生まれの自分にとっては逆に新鮮でした。それで実際に行ってみたのが始まりです。20歳のときに蒲田の昭和ラブホで衝撃を受けた――初めて昭和ラブホを訪れたのはいつ頃ですか。ゆなな 20歳くらいのときです。蒲田にある昭和ラブホに行ったのですが、全面鏡張りの部屋で。行く前に写真で見てましたけど、実際に目の当たりにすると衝撃を受けましたね。最初にしては難易度が高かった(笑)。 そのときは「休憩」で入ったんですけど、誰にも邪魔されずに1人の時間を味わえたのが良かったです。部屋の内装を撮ったりしながら、最初から楽しんでいました。――最初から1人だったのですね。ゆなな はい。初めて行ったときも含めて、基本的には1人で行動しています。正直、最初は「せっかくラブホに行くのに何で1人なんだろう。誰かと一緒に行きたいな」と思いましたね。でもその葛藤より、好奇心が勝ってしまって。――「ラブホ女子会」の認知度が上がっているので、来てくれるお友だちもいそうですが。ゆなな 友だちを誘ったこともありますし、今でも時々ですが、昭和ラブホが好きな友だちと一緒に行くことはあります。 ただ、基本的には「女子会をするなら、キレイでおしゃれなところがいい」っていう子が多くて……。でも、そう思う気持ちはわかります。昭和ラブホは古めかしい建物のところも多いので。――確かに「ラブホ女子会」と聞くと、キラキラしたイメージがあります。でも昭和ラブホだと、そういう雰囲気にはなりにくいと。ゆなな 仲のいい友だちを誘って行ったときに、部屋のお風呂が全面ガラス張りで、外から丸見えだったことがあるんです。バスマットを立てかけて見えないようにして入りましたけど、お互いに気恥ずかしくなってしまいました(笑)。1人で昭和ラブホに行って、何をしているのか?――ちなみに、1人で昭和ラブホに行って何をされているのですか?ゆなな 昭和ラブホの空間に合わせたレトロな衣装を着て、ポートレート撮影をするのが好きなんです。大好きな空間に自分がいた記録を残したいんですよね。三脚立ててセルフタイマーで1人で撮影してる姿は、側から見たらとてもシュールですが(笑)。 その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。旅行をするときは、観光スポットに行かずにラブホへ直行――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。 広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。 また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
私はそれまで、女子会をするようなシンプルでおしゃれなホテルしか知りませんでした。だからこそ、突拍子もない物が置いてある昭和ラブホの“バカバカしさ”に惹かれたというか……。「男女ふたりで過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを作っちゃったんだろう」って想像するだけでワクワクしてきちゃって。
また、昭和時代では当たり前だったラブホの内装や設備が、平成生まれの自分にとっては逆に新鮮でした。それで実際に行ってみたのが始まりです。
20歳のときに蒲田の昭和ラブホで衝撃を受けた――初めて昭和ラブホを訪れたのはいつ頃ですか。ゆなな 20歳くらいのときです。蒲田にある昭和ラブホに行ったのですが、全面鏡張りの部屋で。行く前に写真で見てましたけど、実際に目の当たりにすると衝撃を受けましたね。最初にしては難易度が高かった(笑)。 そのときは「休憩」で入ったんですけど、誰にも邪魔されずに1人の時間を味わえたのが良かったです。部屋の内装を撮ったりしながら、最初から楽しんでいました。――最初から1人だったのですね。ゆなな はい。初めて行ったときも含めて、基本的には1人で行動しています。正直、最初は「せっかくラブホに行くのに何で1人なんだろう。誰かと一緒に行きたいな」と思いましたね。でもその葛藤より、好奇心が勝ってしまって。――「ラブホ女子会」の認知度が上がっているので、来てくれるお友だちもいそうですが。ゆなな 友だちを誘ったこともありますし、今でも時々ですが、昭和ラブホが好きな友だちと一緒に行くことはあります。 ただ、基本的には「女子会をするなら、キレイでおしゃれなところがいい」っていう子が多くて……。でも、そう思う気持ちはわかります。昭和ラブホは古めかしい建物のところも多いので。――確かに「ラブホ女子会」と聞くと、キラキラしたイメージがあります。でも昭和ラブホだと、そういう雰囲気にはなりにくいと。ゆなな 仲のいい友だちを誘って行ったときに、部屋のお風呂が全面ガラス張りで、外から丸見えだったことがあるんです。バスマットを立てかけて見えないようにして入りましたけど、お互いに気恥ずかしくなってしまいました(笑)。1人で昭和ラブホに行って、何をしているのか?――ちなみに、1人で昭和ラブホに行って何をされているのですか?ゆなな 昭和ラブホの空間に合わせたレトロな衣装を着て、ポートレート撮影をするのが好きなんです。大好きな空間に自分がいた記録を残したいんですよね。三脚立ててセルフタイマーで1人で撮影してる姿は、側から見たらとてもシュールですが(笑)。 その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。旅行をするときは、観光スポットに行かずにラブホへ直行――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。 広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。 また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
――初めて昭和ラブホを訪れたのはいつ頃ですか。
ゆなな 20歳くらいのときです。蒲田にある昭和ラブホに行ったのですが、全面鏡張りの部屋で。行く前に写真で見てましたけど、実際に目の当たりにすると衝撃を受けましたね。最初にしては難易度が高かった(笑)。
そのときは「休憩」で入ったんですけど、誰にも邪魔されずに1人の時間を味わえたのが良かったです。部屋の内装を撮ったりしながら、最初から楽しんでいました。
――最初から1人だったのですね。
ゆなな はい。初めて行ったときも含めて、基本的には1人で行動しています。正直、最初は「せっかくラブホに行くのに何で1人なんだろう。誰かと一緒に行きたいな」と思いましたね。でもその葛藤より、好奇心が勝ってしまって。
――「ラブホ女子会」の認知度が上がっているので、来てくれるお友だちもいそうですが。ゆなな 友だちを誘ったこともありますし、今でも時々ですが、昭和ラブホが好きな友だちと一緒に行くことはあります。 ただ、基本的には「女子会をするなら、キレイでおしゃれなところがいい」っていう子が多くて……。でも、そう思う気持ちはわかります。昭和ラブホは古めかしい建物のところも多いので。――確かに「ラブホ女子会」と聞くと、キラキラしたイメージがあります。でも昭和ラブホだと、そういう雰囲気にはなりにくいと。ゆなな 仲のいい友だちを誘って行ったときに、部屋のお風呂が全面ガラス張りで、外から丸見えだったことがあるんです。バスマットを立てかけて見えないようにして入りましたけど、お互いに気恥ずかしくなってしまいました(笑)。1人で昭和ラブホに行って、何をしているのか?――ちなみに、1人で昭和ラブホに行って何をされているのですか?ゆなな 昭和ラブホの空間に合わせたレトロな衣装を着て、ポートレート撮影をするのが好きなんです。大好きな空間に自分がいた記録を残したいんですよね。三脚立ててセルフタイマーで1人で撮影してる姿は、側から見たらとてもシュールですが(笑)。 その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。旅行をするときは、観光スポットに行かずにラブホへ直行――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。 広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。 また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
――「ラブホ女子会」の認知度が上がっているので、来てくれるお友だちもいそうですが。
ゆなな 友だちを誘ったこともありますし、今でも時々ですが、昭和ラブホが好きな友だちと一緒に行くことはあります。
ただ、基本的には「女子会をするなら、キレイでおしゃれなところがいい」っていう子が多くて……。でも、そう思う気持ちはわかります。昭和ラブホは古めかしい建物のところも多いので。
――確かに「ラブホ女子会」と聞くと、キラキラしたイメージがあります。でも昭和ラブホだと、そういう雰囲気にはなりにくいと。
ゆなな 仲のいい友だちを誘って行ったときに、部屋のお風呂が全面ガラス張りで、外から丸見えだったことがあるんです。バスマットを立てかけて見えないようにして入りましたけど、お互いに気恥ずかしくなってしまいました(笑)。
――ちなみに、1人で昭和ラブホに行って何をされているのですか?
ゆなな 昭和ラブホの空間に合わせたレトロな衣装を着て、ポートレート撮影をするのが好きなんです。大好きな空間に自分がいた記録を残したいんですよね。三脚立ててセルフタイマーで1人で撮影してる姿は、側から見たらとてもシュールですが(笑)。
その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。旅行をするときは、観光スポットに行かずにラブホへ直行――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。 広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。 また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
その時間をとことん堪能したいから、フリータイムで入ったり、場合によっては宿泊までして延々と撮影し続けることもあります。誰かと一緒だと気軽に写真撮影ができないから、1人で行くほうが気楽なんです。
――なるほど。だから自然と1人で巡るようになっていったんですね。
ゆなな それに、各地の昭和ラブホへ行くために旅行をするので、観光スポットには全然行かないんです。
広島に行っても原爆ドームには行かないし、京都に行っても金閣寺には行かない。周りからは「観光スポットにも行かずにラブホへ直行しているなんて、バカなの?」と言われたこともあります。
また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。 駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。 それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。 でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
また、可能な限り昭和ラブホにお金を使いたいから、地方に行くときは深夜の高速バスや格安飛行機を使います。できる限りたくさんのラブホを巡りたいので、時間を効率よく使うために深夜バスで朝帰ってきて、そのまま仕事に行ったこともあります(笑)。
駅や空港から離れた場所にホテルがあることも多いから、現地に着いてから1~2時間くらい歩くこともある。そんな旅行に誰かを付き合わせるわけにはいかないじゃないですか(笑)。
――昭和ラブホにかける想いと行動力がすごい……。ゆななさんは元々、今のように行動的だったのでしょうか。
ゆなな いや、そんなことはないですよ。元々はインドア派でした。
それに先ほどもお話ししたように、最初の頃は「場所が場所だから1人でラブホに行くのはちょっとな。できれば誰かと一緒に行きたいな」と思っていたんです。だから、初めて蒲田の昭和ラブホに行ったあと、他のところに行くのはしばらく躊躇していました。
でもそう思っているうちに、行きたいと思っていたラブホがどんどん閉店していってしまって……。行きたいところに行けなくなって後悔をするくらいなら、1人でも行こうと決意して、それからは毎週末のように全国を駆け巡るようになりました。行動的になれたのは、昭和ラブホに出会ったからこそ、ですね。
昭和ラブホと遊郭が「似ている」と感じる理由――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。 行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。 今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。 昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
――やはり閉店してしまう昭和ラブホは多いですか。
ゆなな 昭和ラブホは家族経営のところが多いんですよ。70代、80代のご夫婦がふたりで経営されているとか。だからある日突然、閉店になってしまうことも結構あるんです。
行きたいホテルに電話で問い合わせてみたらつながらなくて、「おかしいな」と思いつつも現地まで行ったら、1週間前に閉店していた、なんてこともありました。なので行きたいホテルがあったら「明日にでも行く」くらいの行動力を持つようにしています。
――躊躇している間に二度と行けなくなるのは、悲しいですね。
ゆなな 大学生の頃、遊郭文化の研究をしていたんですけど、昭和ラブホは遊郭に似てるなって思うんです。どちらも儚いというか、ロマンがあるというか。
今でも跡地はありますけど、遊郭そのものにはもう絶対に行けないじゃないですか。そんな未知の世界だからこそ、好奇心が掻き立てられる。
昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
昭和ラブホも、それと同じ感覚だと思います。私にとっては未知の世界で、遊郭と同じように、きっと近いうちになくなってしまう。でも、昭和ラブホにはまだ体験できる場所が残っている。だから行けるうちに行かなきゃって気持ちが強いんです。
撮影=志水隆/文藝春秋「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く(仲 奈々)
「男女で過ごす場所に、なんでこんな仕掛けを…」総工費30億円超のヤバいラブホも…女性愛好家(26)が語る“昭和ラブホの実態” へ続く
(仲 奈々)