米軍岩国基地(山口県岩国市)の海兵隊員が盗んだ車で追突事故を起こして逃走した事件で、車を盗まれた男性は27日、加害者の海兵隊員から謝罪を受けたことを明らかにした。
米軍側は、海兵隊員に損害賠償能力がないとしており、男性は同日、国内法での処罰と速やかな賠償の実現を福田良彦市長に要請した。
車を盗まれた岩国市の男性(38)によると、26日、海兵隊員(20)とその上司ら米軍側5人に、岩国防衛事務所で約2時間面会した。海兵隊員はパソコンで作成した英語の謝罪文を読み上げた以外に発言はなかったという。男性は「形だけのパフォーマンスだ」と怒りをにじませた。
市役所で要請を受けた福田市長は、防衛省と米軍側で賠償交渉が行われるとの見通しを示し、「上京時に防衛省幹部に対応をお願いした。スピード感をもってやってほしいと改めて伝える」と約束した。また、岩国署が海兵隊員を逮捕できない日米地位協定の問題について、「米側の裁量に委ねられている部分が多く、問題があると考えている。基地のある市として、改善を強く訴えていかなければならない」と述べた。