最強寒波の影響などで寒い日が続いているが、冬の時期に睡眠の質が下がっていると感じたことはあるだろうか?パナソニックが全国の20代~60代の男女550人を対象に昨年11月に行った「睡眠実態調査」で、「冬の時期(12月~2月)、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じることがありますか?」と聞いたところ、約6割(61%)の人が睡眠の質が下がると感じていることが分かった。また、この調査では「快眠のために行っていることはありますか?」についても質問しており、20%(5人に1人)が「靴下をはいて寝る」と回答したことが分かっている。

ただし、パナソニックの睡眠改善インストラクター・菊地真由美さんによると、この対策は、快眠にとっては間違いだという。眠り始めは、深部体温(=体の内部の体温)の低下を促すことが大事で、この深部体温を下げるには、手足の毛細血管からの放熱が重要。ところが、靴下を履いてしまっていては、足からの放熱ができずに、深部体温が下がりにくくなり、眠りづらくなってしまうという。靴下は、就寝前には履いていても大丈夫だが、ベッドや布団に入る際には脱いでおく。「寝るときに足が冷たくて嫌」という人には、“緩めのレッグウォーマー”がおすすめだ。レッグウォーマーなら、放熱に重要な部位である足首を締めつけずに、放熱の邪魔をしないため、就寝時に着けていても良いとのことだ。この他にも、冬の快眠にいいと思いやっていたことが、実はNGだった項目がある。たとえば、「一晩中、湯たんぽを使う」「一晩中、電気毛布を使う」だ。これらも、深部体温を下げる妨げになるので、一時的には温かくて快適でも、寝入りは悪くなってしまう。電気毛布や湯たんぽを使うなら、就寝前に寝具を温めておくために使うことがおすすめ。寝具が一時的に温かくても、次第に手足から放熱されていくことから、入眠を邪魔しないという。また、「寝る直前に風呂に入ること」もNGとなる。さらに、睡眠時の衣服にも注意が必要。たとえば、冬の衣類として定番のフリース。化学繊維のフリースの場合、通気性が悪いものがある。部屋着としては問題ないのだが、そのまま寝間着として着ると、寝ている間にかいた汗がこもって不快になることから、寝間着としては向かないという。快眠を目指すなら、「綿」などの通気性の良い素材の方が最適としている。この調査で、約6割が「冬の時期、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じる」と回答しているが、そもそも、冬は寒さによって、睡眠の質が低下するものなのか?また「寝る直前にお風呂に入る」はNG対策としているが、この理由は何なのか? 今回のリリースで紹介しているもの以外にも「冬の快眠のNG対策」はあるのか?パナソニックの担当者に“冬の快眠の新常識”を聞いた。冬の寒さも睡眠の質が低下する原因――そもそも、冬は寒さによって、睡眠の質が低下するもの?はい。冬の寒さも睡眠の質が低下する原因となります。睡眠時には、体の深部体温(脳や内臓の温度)を下げる必要がありますが、寒さで手足が冷えきっていると、うまく放熱できずに深部体温が下がりにくくなり、なかなか寝付けないことが増えます。また、布団の中(寝床内環境)は温度が約33℃くらい、湿度50%前後が望ましいのですが、冬場はエアコンなどを使用せず、室温が10℃以下という場合、寝床内温度と室温が20℃以上の温度差になります。夜中にトイレで起きてしまう方は、冬場でも室温を16℃~20℃くらいの寝室環境にしていただくとよいと思います。――「靴下をはいて寝る」など「冬の快眠のNG対策」を行っている人が、結構多いことをどのように受け止めている?睡眠改善となると、やはり、枕や寝具を意識する方が多いと思いますが、NG行動を知っていただくだけでなく、深部体温を上手に下げる方法や照明への工夫など、起きているときの過ごし方や、ちょっとした工夫で改善できるポイントがあります。ただし、眠りについては、悩みの深さや原因も大きく異なるので、記事などを参考に取り入れられるものから、上手く生活に取り入れていただきたいと思います。「寝る直前にお風呂に入る」がNGの理由――「寝る直前にお風呂に入る」はNG対策。この理由は?一般的に、入浴は就寝の1~2時間前に済ませるとよいと言われています。人の体温には、皮膚表面の温度と、深部体温という内臓の温度があります。快眠に重要なのは深部体温で、脳も含めた内臓の体温である深部体温が下がることで、人は眠気が高まり、自然な眠りへと導かれます。深部体温を効率的に下げるには、一度、深部体温を上げるのがポイントです。入浴することで深部体温が一時的に少し上がり、それが一気に下がるときに眠気がやってくるので、就寝の1~2時間前に入浴を済ませたほうが寝つきのためには良いと言われています。――今回のリリースで紹介しているもの以外で、他に「冬の快眠のNG対策」はある?冬に限らず、寝る前の光の刺激は睡眠の妨げになるので、寝る前のテレビやスマホ、照明も気を付けていただきたいです。また、寝ている間にトイレに行くのが気になり、寝る前の水分補給は避けてしまいがちですが、冬場の乾燥もよくないので、加湿したり、寝る前に喉を潤す程度の水分補給がおすすめです。また、寒いと、冬場は活動量が減ります。在宅ワークなどで極端に運動量が減っている方もいると思いますが、やはり、適度な身体の疲れは必要なので、上手に運動も取り入れられると良いと思います。――冬の快眠のために、エアコンはどのように設定すればいい?理想的な睡眠環境を実現するためには、繊細な温度と湿度のコントロールが必要不可欠です。個人差がありますが、温度は20℃、湿度は50%前後くらいがちょうどよいと言われています。就寝時にエアコンを使うなら、室温は20℃前後、暖かい空気は上に向かうため、風向きは下にして稼働し続ける方が快適です。エアコンの空気が苦手・乾燥してしまうという人におすすめなのは、就寝の20~30分前に寝具をめくって、エアコンをつけておく方法です。これなら寝具が温まって、入った時にヒヤッとすることもなく、温めすぎて深部体温を下げる妨げになることにもなりません。エアコン以外にも、布団乾燥機で寝具を温めても良いでしょう。布団乾燥機なら、湿気対策やダニ対策にもなるのでおすすめです。また、加湿機能つきの空気清浄機を併用するのもおすすめです。加湿機能で湿度コントロールを行いながら、空気の流れをつくることができるので、部屋の空気を循環してくれます。お部屋全体の湿度を保つのが難しいという方は、顔周りだけのスポット的な加湿でも構いませんし、のどの保湿には寝る直前にお水を飲んだり、枕元にペットボトルなどを置いて、適宜、水分補給したりすることでも効果はあります。あらためて最後に、パナソニックによると冬の快眠のOK対策には以下のようなものがあった。・レッグウォーマーを着ける・事前に布団を温める・事前に寝室の暖房をつける・部屋着から寝間着に着替える・部屋の温度は20度、湿度は50%前後に・綿など通気性の良い素材の寝間着を着る快眠できていないと感じている人は、まずはこれらの対策を実践してみてはいかがだろうか。
最強寒波の影響などで寒い日が続いているが、冬の時期に睡眠の質が下がっていると感じたことはあるだろうか?
パナソニックが全国の20代~60代の男女550人を対象に昨年11月に行った「睡眠実態調査」で、「冬の時期(12月~2月)、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じることがありますか?」と聞いたところ、約6割(61%)の人が睡眠の質が下がると感じていることが分かった。
また、この調査では「快眠のために行っていることはありますか?」についても質問しており、20%(5人に1人)が「靴下をはいて寝る」と回答したことが分かっている。
ただし、パナソニックの睡眠改善インストラクター・菊地真由美さんによると、この対策は、快眠にとっては間違いだという。
眠り始めは、深部体温(=体の内部の体温)の低下を促すことが大事で、この深部体温を下げるには、手足の毛細血管からの放熱が重要。
ところが、靴下を履いてしまっていては、足からの放熱ができずに、深部体温が下がりにくくなり、眠りづらくなってしまうという。
靴下は、就寝前には履いていても大丈夫だが、ベッドや布団に入る際には脱いでおく。「寝るときに足が冷たくて嫌」という人には、“緩めのレッグウォーマー”がおすすめだ。レッグウォーマーなら、放熱に重要な部位である足首を締めつけずに、放熱の邪魔をしないため、就寝時に着けていても良いとのことだ。
この他にも、冬の快眠にいいと思いやっていたことが、実はNGだった項目がある。たとえば、「一晩中、湯たんぽを使う」「一晩中、電気毛布を使う」だ。
これらも、深部体温を下げる妨げになるので、一時的には温かくて快適でも、寝入りは悪くなってしまう。電気毛布や湯たんぽを使うなら、就寝前に寝具を温めておくために使うことがおすすめ。寝具が一時的に温かくても、次第に手足から放熱されていくことから、入眠を邪魔しないという。
また、「寝る直前に風呂に入ること」もNGとなる。
さらに、睡眠時の衣服にも注意が必要。
たとえば、冬の衣類として定番のフリース。化学繊維のフリースの場合、通気性が悪いものがある。部屋着としては問題ないのだが、そのまま寝間着として着ると、寝ている間にかいた汗がこもって不快になることから、寝間着としては向かないという。
快眠を目指すなら、「綿」などの通気性の良い素材の方が最適としている。
この調査で、約6割が「冬の時期、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じる」と回答しているが、そもそも、冬は寒さによって、睡眠の質が低下するものなのか?
また「寝る直前にお風呂に入る」はNG対策としているが、この理由は何なのか? 今回のリリースで紹介しているもの以外にも「冬の快眠のNG対策」はあるのか?
パナソニックの担当者に“冬の快眠の新常識”を聞いた。
――そもそも、冬は寒さによって、睡眠の質が低下するもの?
はい。冬の寒さも睡眠の質が低下する原因となります。
睡眠時には、体の深部体温(脳や内臓の温度)を下げる必要がありますが、寒さで手足が冷えきっていると、うまく放熱できずに深部体温が下がりにくくなり、なかなか寝付けないことが増えます。
また、布団の中(寝床内環境)は温度が約33℃くらい、湿度50%前後が望ましいのですが、冬場はエアコンなどを使用せず、室温が10℃以下という場合、寝床内温度と室温が20℃以上の温度差になります。
夜中にトイレで起きてしまう方は、冬場でも室温を16℃~20℃くらいの寝室環境にしていただくとよいと思います。
――「靴下をはいて寝る」など「冬の快眠のNG対策」を行っている人が、結構多いことをどのように受け止めている?
睡眠改善となると、やはり、枕や寝具を意識する方が多いと思いますが、NG行動を知っていただくだけでなく、深部体温を上手に下げる方法や照明への工夫など、起きているときの過ごし方や、ちょっとした工夫で改善できるポイントがあります。
ただし、眠りについては、悩みの深さや原因も大きく異なるので、記事などを参考に取り入れられるものから、上手く生活に取り入れていただきたいと思います。
――「寝る直前にお風呂に入る」はNG対策。この理由は?
一般的に、入浴は就寝の1~2時間前に済ませるとよいと言われています。
人の体温には、皮膚表面の温度と、深部体温という内臓の温度があります。快眠に重要なのは深部体温で、脳も含めた内臓の体温である深部体温が下がることで、人は眠気が高まり、自然な眠りへと導かれます。
深部体温を効率的に下げるには、一度、深部体温を上げるのがポイントです。入浴することで深部体温が一時的に少し上がり、それが一気に下がるときに眠気がやってくるので、就寝の1~2時間前に入浴を済ませたほうが寝つきのためには良いと言われています。
――今回のリリースで紹介しているもの以外で、他に「冬の快眠のNG対策」はある?
冬に限らず、寝る前の光の刺激は睡眠の妨げになるので、寝る前のテレビやスマホ、照明も気を付けていただきたいです。
また、寝ている間にトイレに行くのが気になり、寝る前の水分補給は避けてしまいがちですが、冬場の乾燥もよくないので、加湿したり、寝る前に喉を潤す程度の水分補給がおすすめです。
また、寒いと、冬場は活動量が減ります。在宅ワークなどで極端に運動量が減っている方もいると思いますが、やはり、適度な身体の疲れは必要なので、上手に運動も取り入れられると良いと思います。
――冬の快眠のために、エアコンはどのように設定すればいい?
理想的な睡眠環境を実現するためには、繊細な温度と湿度のコントロールが必要不可欠です。個人差がありますが、温度は20℃、湿度は50%前後くらいがちょうどよいと言われています。
就寝時にエアコンを使うなら、室温は20℃前後、暖かい空気は上に向かうため、風向きは下にして稼働し続ける方が快適です。
エアコンの空気が苦手・乾燥してしまうという人におすすめなのは、就寝の20~30分前に寝具をめくって、エアコンをつけておく方法です。これなら寝具が温まって、入った時にヒヤッとすることもなく、温めすぎて深部体温を下げる妨げになることにもなりません。
エアコン以外にも、布団乾燥機で寝具を温めても良いでしょう。布団乾燥機なら、湿気対策やダニ対策にもなるのでおすすめです。
また、加湿機能つきの空気清浄機を併用するのもおすすめです。加湿機能で湿度コントロールを行いながら、空気の流れをつくることができるので、部屋の空気を循環してくれます。
あらためて最後に、パナソニックによると冬の快眠のOK対策には以下のようなものがあった。
・レッグウォーマーを着ける・事前に布団を温める・事前に寝室の暖房をつける・部屋着から寝間着に着替える・部屋の温度は20度、湿度は50%前後に・綿など通気性の良い素材の寝間着を着る
快眠できていないと感じている人は、まずはこれらの対策を実践してみてはいかがだろうか。