今月14日、東京・福生市で、牛丼チェーン「吉野家」と「すき家」を狙った強盗事件が相次ぎ、26歳の男が逮捕された。わずか15分ほどの間に、2つの店舗に押し入ったとされる男。借金の返済に困り、「とっさに思いついたのが強盗だった」と話しているという。
無職の小阪渉生容疑者(26)は、午前11時50分ごろ、福生市加美平の「すき家」に、強盗目的で押し入り、カッターナイフを男性店員に突きつけていた所を、駆けつけた捜査員に現行犯逮捕された。
男性店員は、首に擦り傷を負っていて、軽傷だった。金品は奪われていなかったが、被害者がケガをしているため、逮捕容疑は強盗致傷となった。
現場に居合わせた客によると、小阪容疑者は、店員と肩を組むような形で、カッターナイフを突きつけて脅し、レジの中の金を要求していたという。そこに、複数の捜査員が、ドッとなだれ込んできて、小阪容疑者を羽交い締めにして取り押さえたとのこと。
何ともタイミング良く、捜査員が現れたことになるが、それにはワケがあった。実は、この15分ほど前に、同じ福生市内の「吉野家」で、カッターナイフを使った同じような強盗事件が発生していた。
「若い男が現金を奪って、自転車で逃走した」との110番通報があったため、捜査員が、犯人の行方を追っていたのだ。すると、「吉野家」から1キロほど離れた「すき家」で、小阪容疑者が、強盗に及んでいるのを見つけたという。
おそらく、緊急配備が敷かれる前に、解決に至ったのではないか。警視庁の初動捜査の迅速さには驚かされる。「すき家」強盗で現行犯逮捕された小阪容疑者。その前に起きた「吉野家」強盗も、小阪容疑者の仕業とみて間違いないだろう。
FNNが入手した防犯カメラの画像には、”ママチャリ風”の自転車に乗り、必死でペダルをこぐ小阪容疑者とみられる男の姿が映っていた。この後、「吉野家」に押し入り、さらに自転車で移動。今度は「すき家」に押し入っていたことになる。
このママチャリは、小阪容疑者のものではなく、母親のものだったとされる。調べに対して小阪容疑者は、「ネットゲームで知り合った仲間に50万円の借金があった。その返済に困って強盗に入ったことに間違いない」と供述。
その上で「とっさに思いついたのが強盗だった」と話しているそうだ。その後の調べで、小阪容疑者が、生活保護を受けていることも判明している。ゲーム仲間への借金返済のために、母親のママチャリに乗って、牛丼店をハシゴして、”手っ取り早く”強盗に及んでいたとは・・・。何とも、あきれた話だ。