採用試験のウェブテストをめぐって、“替え玉受検”をしたとして警視庁が関西電力社員の男を逮捕した事件。男がリモート試験でカンニングの手助けをしていた疑いがあることが新たにわかりました。
京都大学大学院卒業で、現在は関西電力社員の田中信人容疑者(28)。今年4月、就職活動中の大学4年の女子学生(22)から依頼を受け、都内の大手クレジットカード会社のウェブテストを替え玉受検した疑いがもたれていますが、別の企業の入社試験をめぐり新たな供述がわかりました。
田中容疑者の供述「女子大学生が別の企業のテストを受検した際にテスト画面をリモートで共有し、イヤホンを通じて解答を教えた」
コロナ禍で一般的となったビデオ通話アプリを使い、“リモートカンニング”を手助けしていた疑いがあるのです。
手口はこうです。
女子学生が受検したテストで一部の企業側は不正を防ぐため、パソコンの内蔵カメラで監視する対策をしていました。そこで、田中容疑者はテストの画面を自身のパソコンに共有させ、イヤホンで解答を伝えていたといいます。さらに、イヤホンがカメラに写り、不正がばれないよう「髪で隠した」と供述しているということです。
実際にこうした不正を防ぐシステムを導入してテストを行っている会社は…
セイコーグループ人事部 相模咲子さん「学生の時間や努力がしっかりと報われるような体制をとりたいなという考えで行っています。特に真面目に取り組んだ方がしっかりと評価されるのはどんな形式なのか検討を重ねている」
こうした企業側の思いを裏切る“リモートカンニング”。
警視庁は、一連の不正は田中容疑者が京都大学大学院に在籍していた4年前には始めていたとみていて、実態解明を進めています。