東京都教育委員会は、春休み中に行っていた公立学校教員の定期異動の発表を、春休み前に前倒しする方針を決めた。
児童生徒から、「先生とお別れする機会が作れなくて寂しい」などと前倒しを求める声があがっていた。
都教委幹部によると、異動は例年、3月下旬までに各教員に内示されるが、急病人が出て人事が変更される可能性があるなどとして、外部への発表は、発令日と同じ4月1日に行っていた。
そのため、多くの子どもは異動を知らないまま春休みに入り、新学期に登校して初めて、教員がいなくなったことに気づいていた。
各校は5月頃、異動した教員を呼び戻して「離任式」を行っているが、異動先の都合で出席できない教員も多い。子どもたちからは「お世話になった先生にお別れのあいさつをちゃんとできるよう、異動を早めに知らせてほしい」との要望が学校などにたびたび寄せられていた。
8日の都議会定例会で、浜佳葉子教育長は自民党の発地易隆(ほっちやすたか)都議の質問に対し、「教員と児童生徒が余裕を持ってお別れの機会を持てるよう、公表時期を早めるべく調整する」と述べた。