「ブラック校則」とも呼ばれる不合理で時代にそぐわない校則が問題となっていることを受け、大阪市立の小中学校は、各校ホームページ(HP)での公開を順次進めている。
市教育委員会は「時代の変化に照らして見直しが必要」としており、広く公開することで各校に点検を促し、よりよい学校づくりにつなげる狙い。年末までに全校が公開する見通しだ。(蛭川真貴)
子どもの権利や個性を過度に規制していたり、性的マイノリティーの児童・生徒への配慮がなかったりといった校則が全国的に問題化しており、文部科学省も各教委に公開などの取り組みを促している。
大阪市教委は昨年6月以降、各校に見直し・点検作業を指示。▽様々な文化や性の多様性に配慮できているか▽肌着や靴下の色を過剰に定めるなど意義を適切に説明できないような内容はないか――などの観点を示した。その結果、今年2月までに中学校で半数にあたる66校、小学校で約2割にあたる63校が校則を見直した。「体操服の下に肌着を着ない」「シャープペンシルの使用禁止」などを削除したり、女子でもスラックスをはけるように内容を変えたりしたという。
市教委はさらに、各校にHPでの公開を求めている。10月末時点で小学校は半数強に上るが、中学校は数校にとどまっているという。「校則は一度見直してもそれで終わりにせず、その都度、内容を更新すべきだ」(市教委)としており、地域の目も含めて常に点検し、見直しができる体制づくりを進める。
各校には、見直しに際して児童・生徒、保護者らの意見を踏まえることも指示しており、初等・中学校教育グループの岡本和也総括指導主事は「児童・生徒が校則を自分のこととして捉え、自主的にルールを守る姿勢を身につけることも大切だ」とする。
なお、府立高校については、入学後の「ミスマッチ」を防ぐ目的で、すでに全校がHPで公開しているという。