鳥取旅行が割引になる鳥取県の観光キャンペーン「ウェルカニとっとり得々割」で配布されるクーポン券や割引券が、インターネットで売買されていることがわかった。
鳥取滞在中に使用されなかったとみられる。県は転売を禁止しており、県のキャンペーン事務局は「残念だ」と困惑している。(山内浩平)
「ウェルカニとっとり得々割」は、国の全国旅行支援に対応したキャンペーン。条件を満たせば、県内の宿泊・日帰り旅行を対象に旅行代金が割り引かれるほか、土産物店などで使えるクーポン券(平日3000円分、休日1000円分)や、観光施設などで40%の料金割引が受けられる割引券がもらえる。
ところが10月11日から配布が始まると、券がフリーマーケットアプリ「メルカリ」やオークションサイト「ヤフオク!」などに出品され始めた。「割引券2枚で300円」などで販売されている。行程の都合で使い切れなかった人が出品したとみられる。
県は「再び来県してほしい」と、利用期限を長めの12月下旬までに設定している。同様に利用期限を12月下旬までにしている福井県や埼玉県などの券も転売されており、期限の長さが裏目に出た格好だ。
県の担当者は「ワクチンを打つなどの条件を満たして旅行した人が得た権利。税金で発行した券で個人が利益を得るのは好ましくない」と話す。「メルカリ」には出品されたら削除するよう要請したが、出品がやまないという。
一方、千葉県は券を旅行期間中しか利用できないようにしている。転売するメリットが事実上なく、出品は目立っていない。全国旅行支援は来年も再実施される予定で、鳥取県は有効な対応策の検討を急いでいる。