世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、宗教法人法に基づく質問権行使に対し、「要件を欠いており違法だ」とする趣旨の意見書を文部科学省に提出していたことが10日、関係者への取材で分かった。
文化庁は適法な手続きに沿って質問権を行使しているとして、14日に宗教法人審議会に2度目の諮問をして、追加の調査を行う。
宗教法人法では質問権行使の要件を「法令に違反して、著しく公共の福祉に害する」行為の疑いがある場合と規定。このうち法令違反の解釈に関して、岸田文雄首相は10月の国会答弁で刑事事件を指すとの見解を示したが、翌日には民法の不法行為なども含まれると変更した経緯がある。永岡桂子文科相は11月、教団や信者の不法行為責任を認めた過去の民事判決などを根拠に質問権行使を決めた。
意見書では、質問権行使の要件に民法の不法行為は含まれないと主張。政府による解釈変更に「法治主義の理念に著しく反する」などと反論している。また、教団側は意見書に関し、「当方の弁護士が法律家としての見解をまとめて文科省に提出した」とし、教団として政府の方針に反論するものではないとしている。