日本三大奇祭「蘇民祭」“1200年の歴史”に幕…背景に何が?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ふんどし姿の男性たちが、激しくぶつかり合う、“日本三大奇祭”の一つといわれる「蘇民祭」。1200年の歴史を持つお祭りですが、17日、その歴史に幕を下ろしました。

■JR東“ポスター掲示拒否”で話題に

この“奇祭”が全国に知れ渡ったきっかけは、16年前に起きた、ある騒動です。

2008年に制作された蘇民祭のポスター。胸毛を蓄えた髭面の男性をメインビジュアルに、市が制作しましたが、これが“不快感を与える”として、JR東日本が駅での掲示を拒否したことで注目されました。

■真冬の岩手で”裸にふんどし”

祭りの舞台は、岩手県内陸部・奥州市にある黒石寺。

暖冬とはいえ気温一桁の寒さのなか、裸にふんどし姿の男性たち。そして掛け声を上げながら、冷たい水で身を清めます。五穀豊穣や無病息災を願うこの祭りの目玉は、御利益があるとされるお守りが入った「蘇民袋」の奪い合いです。

■背景に「深刻な担い手不足」

1200年以上の歴史があるとされる蘇民祭。毎年およそ3000人が各地から訪れる人気の祭りも、2021年からはコロナ禍で中止に。去年、3年ぶりに復活しましたが、このときも目玉の「蘇民袋争奪戦」は自粛しました。

そして、ようやく完全復活を果たした今年。歴史に幕を下ろすことになった理由は、深刻な「担い手不足」です。

妙見山黒石寺 藤波大吾住職

「地域全体としてかなり高齢化が進んでいる。それから将来の担い手もいないという状況がありまして、祭りをこれまでの形で行っていくことが難しくなってきている」

今後は、祈祷などを継続し信仰をつないでいくということです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。