店主も分からない“謎の骨董” 追跡すると…江戸時代から今も使われている道具と判明

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骨董市(こっとういち)には、“お宝”を求めて外国人も殺到します。
フランス人女性の自宅を訪ねると、まるで“美術館”。インドの分厚い「ドア」や中国の「兵士像」、日本の「薬箱」などインテリアとして活用しています。
一方、骨董市で発見したのは、じょうろの先のような鉄製で筒状の骨董。調査すると、「時代劇で見たことある」と有力な情報が入りました。“謎の骨董”は、江戸時代から今も使われる道具でした。
大正時代の貴重なグラスや渋沢栄一が書いたという手紙、戦前の教科書など…240店舗以上が出店する「有明骨董ワールド」。3日間の開催で1万人以上が訪れました。
日本在住7年、メキシコ出身のサミュエルさんが購入したのは…。
一方、イギリスから来日したマイケルさん。意外なものに興味を持っていました。
そして、スウェーデンから来日したマンスさんが購入したのは…。
スウェーデンに帰国したマンスさんから後日、送られてきた映像は、古い日本の花瓶と現代に咲く母国の花のコラボレーション。マンスさんは“和の温かみ”を取り入れ、インテリアの一つとして楽しんでいるそうです。
日本の骨董に魅せられた外国人たち。役目を終えた骨董が、意外な使い方で生まれ変わる!?
日本で生活するフランス出身のポーリーンさんは、浮世絵を探して広い会場を歩き回っていました。
ヨーロッパの絵画にも影響を与えたといわれる天才浮世絵師・葛飾北斎など、海外で浮世絵は大人気だといいます。
ポーリーンさんの自宅を訪れてみると、驚きの光景が広がっていました。
広いリビングには、インドや中国の骨董が置かれています。
海外赴任が多い夫に同行するポーリーンさんは、インドなど、これまでに4カ国で生活したといいます。骨董は、訪れた国の思い出として集めていて、浮世絵もその一つでした。
来日して1年ほどですが、“日本の思い出”は増え続けていました。
他にも、年季の入った古い日誌や昔のアイロン。アイロンは鉄でできていて、重さはなんと25キロもあるそうです。
アイロンに薬箱や古い看板。役目を終えた骨董は、インテリアとして生まれ変わっていました。
ポーリーンさんの思い出づくりに、夫はどう思っているのでしょうか?
本来の目的とは別の利用法で蘇る骨董。しかし中には、そもそも何に使われていたのか分からない“謎の骨董”もありました。
アジアの雑貨などを取り扱う骨董店「ぶるにま」で発見したのは、金属製で細い棒に枠のようなものがついています。ヒントは先端の針金のようなもの…。
「口琴(こうきん)」と呼ばれる、ネパール民族楽器。口の前で振動させて、独特の音色を奏でます。一方…。
江戸時代から使われていた「銭枡(ぜにます)」という、今でいうコインカウンターのようなもの。硬貨を入れて銭枡を揺すると、マス目に入り金額が分かる便利な道具です。
そして、鉄製で細長く尖っていて溝がある骨董。一体、何に使われていたのでしょうか?
店主も分からない“謎の骨董”の正体とは?他の出店者にも見てもらいました。
手がかりもつかめないこの骨董。その正体を探るべく追跡すると、江戸時代から、今も使われている道具でした。
桝田アナウンサーは、古い鉄製のじょうろの、タンクの先につなぐ筒の部分ではないかと推測します。そこで、生花店を尋ねてみました。
溝の部分が、じょうろとしての意味がないと言います。
丸山さんは、鉄瓶などの料理道具ではないかと推測。何だか、ゴールから遠くなったような気もしますが…。
続いて訪れたのは、かっぱ橋道具街。料理道具を扱う店で、聞き込みをしました。
やっぱり料理道具ではないのか…すると、その時!!
お店の方いわく、時代劇で見た、米に関わる道具に似ているといいます。
そこで、精米店で確かめました。
実はこれ、米を検査する時に米袋に突き刺して採取する「米刺(こめさ)し」というものでした。
古くは江戸時代、将軍に献上する米俵の中身が偽装されていないか調べるため使われていたといいます。
現代でもその手法は受け継がれていますが、米の等級をつけるための審査に使われています。
様々な人を魅了する“骨董”。そこには、我々の生活を支えてきた伝統あるお宝もありました。

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