桐島聡とみられる男の遺体は誰が埋葬するのか 親族は引き取りを拒否

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1970年代に起きた連続企業爆破事件の一つに関与して爆発物取締罰則違反容疑で指名手配されていた桐島聡容疑者(70)を名乗る男が死亡したが、遺体はこれからどうなるのか。内田洋として生活していた男が桐島容疑者であるかはDNAなどで確認中。現状、親族は遺体の引き取りを拒否しているというが、どうなるのか。
男は生前、警視庁公安部の任意聴取に対して、「事件を後悔している」と話し、支援者もなく1人だったとも明かしている。それが事実かどうかはこれからの調べになるが、自宅周辺の人たちによると、男は1人でいることがほとんどだったようだ。
フリージャーナリストは「約50年の逃亡生活のなかでずっと1人だったとは考えられない。しかし、桐島容疑者ももう70歳。支援者がいても同じように高齢になる。最後は1人ぼっちだったのかもしれません。むしろ、支援者が警察にマークされて見つかるケースもあり得るので、1人でいることで発見されなかったともいえるでしょう」と分析した。
末期の胃がんで入院した数日後に死亡。健康保険証などの身分証はなく、銀行口座もなかったという。身元不明なうえに桐島容疑者の親族は遺体の引き取りを拒否。残された遺体はこれからどうなるのだろうか。
男が桐島容疑者と確認された場合はこうだ。元衆院議員の横粂勝仁弁護士は「親族が遺体を引き取る義務はありません。親族が拒否した場合は『行旅病人及行旅死亡人取扱法』により、最後の居所、つまり、住んでいたところの地方自治体が代わりに火葬することになります。遺骨も親族が受け取る義務はないので、地方自治体が無縁塚に納めることになります」と解説した。
かつて桐島容疑者が所属していた過激派「東アジア反日武装戦線」の関係者やシンパが遺骨引き取りを希望する場合があるかもしれないが、「他人が引き取ることはできません」(同)。遺骨が利用されることはなさそうだ。
火葬や無縁塚の費用はどうなるのか。「まずは公費でやり、その後、本人の遺留品に現金や有価証券があればそこから回収することになります。残された持ち物を地方自治体が売却して回収することもできます。これで回収できない場合は相続人、扶養義務者に費用を請求することになります」(同)
相続人も扶養義務者も支払いを拒否した場合は地方自治体が相続人らに対して裁判を起こすことも選択肢にあるが、そこまでしないケースも考えられるという。つまり、税金で火葬や埋葬が行われることになるかもしれないわけだ。
以上は死亡したのが桐島容疑者と確認された場合のこと。もし確認できず偽名の内田洋が死亡したとなると、遺体を引き取ったり費用を請求されたりする相続人らがいないので、地方自治体が火葬や埋葬を行い、費用も負担する。
男は「最期は本名で迎えたい」と話していたというが、死後にかかる費用は残していたのだろうか。

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