【船渡 亮】「間取り」のせいで口喧嘩が増える…「30代夫婦」が建てた「戸建て住宅」に隠されていた「落とし穴」

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あなたにはこの間取りの問題点がわかりますか?
一見すると、理想に見える間取りでも、じつは隠れた暮らしにくさがあった。
「間取りを変えると人生が変わる」。いままで3000件以上の間取り診断をしてきた建築士が間取りに潜んだ問題点を示します。『この間取り、ここが問題です!』より、第5回は効率重視で作られた間取りにどんな問題があったのか?
【前編 子どもが生まれたばかりの「30代夫婦」が建てる「戸建て住宅」の間取りに隠されていた「3つの欠陥」 より続く】
前編で掲載した堺さんの家の間取りは以下のような感じでした。
どこに問題があったでしょうか。

1つ目は、ダイニング廻りの通路幅が狭いことです。効率性を重視するあまり、ダイニングを通路として使っていますが、テーブルに家族が座っていると通りにくくなります。
ダラッとリラックスして座っていると狭くなるので「邪魔だから、ちゃんと座ってよ!」「また椅子をしまってない!」など、普通の間取りなら起こらない小言が増えそうです。
2つ目は、ダイニングが暗いことです。南側の家との距離が狭いためリビングも日当たりが良いとは言えないのですが、家の中心付近にあるダイニング廻りはほとんど光が入りません。
また眺望も悪いです。ダイニングに座った時に見えるのは、キッチンや洗面所のドア、階段だけで外の景色が見えません。
お世辞にも「居心地の良いダイニング」とは言えません。
3つ目は、玄関が危ないことです。
2つある開き戸は内開きなので同時に開いた場合、玄関にいる人にぶつかります。今後、40年住むと考えると、ドアの開閉数は軽く10万回を超えます。
ドアを開ける度に「気を付ける」というのはストレスです。
このような理由から、東西に長いLDKに改善しました。
玄関から手洗いへの動線は長くなりましたが、明るく寛げるLDKになったことを気に入ってもらえたようです。
効率的な動線は大事ですが、家族が安心して寛げるLDKにすることが大前提です。

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