「おなかの中で色んなことを乗り越えてきた」被災地で新たな命が無事に誕生 被災した輪島からヘリで金沢へ移動し出産

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避難生活が続く不安の中、被災地で新しい命が誕生したーー。
元気に泣き声をあげるのは、谷内日菜羽(やち・ひなは)ちゃん。
21日、石川・金沢市の病院で生まれた。
1月1日、臨月を迎えていた谷内未有さんは輪島市で被災した。未有さんは、「2日間くらいは、車庫でみんなで布団しいて寝たりして」と振り返る。
家の壁が崩れる被害も受ける中、出産予定だった病院の設備が整わないことが分かり、ヘリコプターで金沢市の病院へ移動し出産に臨んだ。
未有さんは、「産んですぐテレビ電話で『生まれたよ』という報告をして、お疲れさまと言われました。おなかの中で色んなことを乗り越えてきたので、強くて優しい子になってほしい」
未有さんは5人家族だが、中学1年生の長女は白山市に集団避難、夫と小学5年生の長男は加賀市の2次避難所で生活している。
未有さんは、「(家族)5人全員揃う日は、まだもうちょっと後やと思うんですけど、みんなで頑張って生きていかないとだめやなと強く思いました」と前を見据える。
一方、日菜羽ちゃんが生まれた病院の医師は、今も十数人の妊婦が奥能登に残っていると話している。
石川県立中央病院 産婦人科・平吹信弥部長は、「環境が自宅ではないので、かなりストレスが大きいと思いますし、水が使えないと衛生環境がどうしても悪化しますので、(奥能登に残っている方々も)2次避難所に早く入っていただきたい」と呼びかけた。

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