逮捕の池田議員「選挙区で勝てず党内の立場ない」…パーティー券の大量販売に注力か

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自民党派閥の政治資金パーティーを舞台にした裏金化疑惑は7日、現職国会議員が逮捕される事態に発展した。
安倍派から高額のキックバック(還流)を受けながら政治資金収支報告書に記載していなかった池田佳隆衆院議員(57)(比例東海)。日本青年会議所の会頭時代に培った人脈を駆使してパーティー券を大量販売していたとみられる。
「ご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」。東京地検特捜部による池田容疑者の逮捕を受け、自民党愛知県連会長の丹羽秀樹衆院議員(51)が7日、名古屋市内で記者会見し、深々と頭を下げた。
池田容疑者からは昨年末、「迷惑をかけて申し訳ない。時期が来たらお話ししたい」との電話があり、丹羽氏は「説明責任を果たすべきだ」と伝えたという。だが、池田容疑者は公の場に姿を見せることはなかった。丹羽氏は「国会議員としてあるまじき行為。悪いことをしたから説明できないと思われても仕方がない」と批判した。
池田容疑者が同派から還流された約4800万円の使途について聞かれると、丹羽氏は「政治家として帳簿に載らずに動いていたのは不思議な思いをしている。政治活動で使われるような額ではなかったのでは」と述べた。
池田容疑者は2000年5月に家業の化学薬品製造会社の社長に就き、04年に地元の名古屋青年会議所理事長、06年に日本青年会議所の会頭をそれぞれ務めた。会頭時代に当時官房長官だった安倍晋三・元首相と知り合って政治家を志した。
安倍氏の後押しを受け、12年の衆院選愛知3区で初当選したが、14年、17年、21年の衆院選では立て続けに選挙区で敗北し、いずれも比例復活だった。池田容疑者は「選挙区で勝てず党内の立場がない」と周囲に漏らしていたという。
そんな中、池田容疑者が力を入れていたとみられるのが、派閥のパーティー券販売だ。一緒に逮捕された政策秘書の柿沼和宏容疑者(45)とともに、青年会議所を通じて知り合った企業に連絡し、パーティー券の購入を持ちかけた。
千葉県の団体役員のもとには毎年、柿沼容疑者から電話があり、「今まで2枚ですが、次は5枚で」「5枚の次は10枚お願いします」と年々、依頼枚数を引き上げてきたという。男性は「寄付のつもりで買った」と話した。
18~22年の同派の収支報告書に記載された大口の購入企業のうち、2~4割超が池田容疑者の支援企業で、20年は、28社のうち13社に上る。愛知県選出の国会議員は「パーティー券を売って派閥内での立場を高めようとしていたのではないか」と指摘する。

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