124時間後に救出の90代女性、「雨水」で命つないだか…がれきの隙間で点滴投与・「頑張れ」励まし続ける

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石川県珠洲(すず)市の住宅倒壊現場で6日夜、90歳代女性が地震発生から5日ぶりに救助された。
生存率が急激に低下するとされる72時間を超える約124時間後の救出。警察とタッグを組んで女性を助け出した緊急消防援助隊員と災害派遣医療チーム(DMAT)の医師が7日、取材に応じ、がれきの中に体が入る隙間があったことに加え、「雨水を口にできたことで生き延びられたのではないか」と語った。
現場は珠洲市役所から東に約3キロの木造2階住宅。1階部分がつぶれ、女性は高さ数十センチのわずかな隙間で、左脚を梁(はり)に挟まれていた。午前中から捜索していた警察の要請を受け、緊急消防援助隊が出動。警察が上半身側、援助隊が下半身側のがれきを手作業で除去していった。
DMATの医師が午後5時過ぎに現地入りした際には、女性の左腕や上半身がかろうじて見え、かすかにうめき声が聞こえた。手を握ると反応があり、「助かるかも」と感じたという。
いきなりがれきを取り除くと容体が急変する可能性があるため、点滴を投与して体力回復を待った。「頑張って!」と女性をみんなで励まし続けた。午後8時20分頃、女性は救助され、救急搬送された。病院で集中治療を受け、翌朝には会話ができるまでに回復した。
DMATの医師で、NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」の稲葉基高さん(44)は「わずかな水分と一定の体温が確保されれば、72時間がたっても助かるケースはある」とし、「がれきの隙間で雨水などを摂取したのではないか」と推測。緊急消防援助隊の八田正人・京都府大隊長は「この救出劇は安否不明者の家族にとって希望の光だ」と語った。

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