北九州・鳥町食道街火災 日常が一変「復旧したいがどうすれば…」

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北九州市小倉北区のJR小倉駅に近い飲食店街・鳥町食道街一帯で起きた大規模な火災から一夜明けた4日、火はほぼ消し止められた。だが、周囲には焼け焦げた臭いが漂い、火災現場を訪れた店舗関係者は一変した光景に不安げな表情を浮かべた。【山下智恵、成松秋穂】
「家族のような店」は大火の中に 避難叫んだうなぎ店主店舗関係者、声詰まらせ「ただ燃え広がるのを…」 「ただ燃え広がるのを見つめることしかできなかった」。鳥町食道街組合組合長の中石浩由さん(32)は、焼け跡のがれきの前で声を詰まらせた。

中石さんは鳥町食道街で居酒屋など3店舗を経営していた。火災発生時、従業員からの連絡ですぐに駆けつけた。当初は煙が充満しているだけだったが、徐々に火の手が回り、避難したという。 中石さんは「(鳥町食道街は)自分の全て。この場所で復旧したいが、どうすればいいのか」と肩を落とした。 現場周辺には規制線が張られ、アーケードが焼け落ちた魚町銀天街の一部も通行止めが続いた。道路には店のトタン屋根やガラスなどが散乱し、黒い灰や消火活動で使われたとみられる水がたまっていた。 鳥町食道街の店舗関係者が、現場の消防職員に「中にある現金だけでも取り出せないか」と尋ねる場面も。火災現場に近いビルの所有会社の従業員(41)は「建物内部まで燃えたのか分からず、確認のために訪れたが、入れなかった」と不安そうだった。 北九州市消防局は、重機を使って現場の建物を解体したり、がれきを掘り起こしたりしながら消火活動を続け、鎮火の確認を急いでいた。 市消防局の担当者は「食道街は通路が狭く消火活動が制限され、上部にはアーケードもあって燃えている場所に水が届きにくかった。だが、延焼ラインを定め、そこでしっかり阻止できた」と消火活動を振り返った。 市は4日午前、緊急対策本部を設置。火災現場を視察した武内和久市長は「数日前までにぎわっていた場所が変わり果てた姿となり痛切な思い。(2022年の)旦過市場の火災後、防火対策を強化してきただけに残念。歴史を物語る木造密集地は歴史があるからこそ愛される面と、火災に弱い面がある。対策について闘い続けなければならない」と話した。 午後には服部誠太郎知事が現場を視察し、「北九州の表玄関である小倉駅近くでの大火災に驚き、沈痛な思い。復興への取り組みを市と連携を図っていきたい」と述べた。
店舗関係者、声詰まらせ「ただ燃え広がるのを…」
「ただ燃え広がるのを見つめることしかできなかった」。鳥町食道街組合組合長の中石浩由さん(32)は、焼け跡のがれきの前で声を詰まらせた。
中石さんは鳥町食道街で居酒屋など3店舗を経営していた。火災発生時、従業員からの連絡ですぐに駆けつけた。当初は煙が充満しているだけだったが、徐々に火の手が回り、避難したという。
中石さんは「(鳥町食道街は)自分の全て。この場所で復旧したいが、どうすればいいのか」と肩を落とした。
現場周辺には規制線が張られ、アーケードが焼け落ちた魚町銀天街の一部も通行止めが続いた。道路には店のトタン屋根やガラスなどが散乱し、黒い灰や消火活動で使われたとみられる水がたまっていた。
鳥町食道街の店舗関係者が、現場の消防職員に「中にある現金だけでも取り出せないか」と尋ねる場面も。火災現場に近いビルの所有会社の従業員(41)は「建物内部まで燃えたのか分からず、確認のために訪れたが、入れなかった」と不安そうだった。
北九州市消防局は、重機を使って現場の建物を解体したり、がれきを掘り起こしたりしながら消火活動を続け、鎮火の確認を急いでいた。
市消防局の担当者は「食道街は通路が狭く消火活動が制限され、上部にはアーケードもあって燃えている場所に水が届きにくかった。だが、延焼ラインを定め、そこでしっかり阻止できた」と消火活動を振り返った。
市は4日午前、緊急対策本部を設置。火災現場を視察した武内和久市長は「数日前までにぎわっていた場所が変わり果てた姿となり痛切な思い。(2022年の)旦過市場の火災後、防火対策を強化してきただけに残念。歴史を物語る木造密集地は歴史があるからこそ愛される面と、火災に弱い面がある。対策について闘い続けなければならない」と話した。
午後には服部誠太郎知事が現場を視察し、「北九州の表玄関である小倉駅近くでの大火災に驚き、沈痛な思い。復興への取り組みを市と連携を図っていきたい」と述べた。

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