がれきの下、寄り添う2人=亡くなった90代祖父と孫娘―石川・能登島

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能登地震で震度6強に襲われた石川県七尾市の能登島では、90代の中山弘幸さんと孫娘が避難中に家屋倒壊に巻き込まれ、命を落とした。
2人はがれきの中で寄り添うように倒れているのが見つかり、近隣住民や親族は突然の死を悼んだ。
中山さんは能登島東部の長崎町で、妻、長男と3人で暮らしていた。町会長の室屋繁昭さん(71)や親族によると、毎日のように自宅近くの田んぼや畑で農作業にいそしんでいた。いとこの男性(75)は「昔は船を出して刺し網漁をしていたこともある。まめな人で、じっとしているのは寝る時だけだ」と話す。
この正月休みには次女夫婦と孫娘が遊びに来ていた。被災の数分前、同市で震度3の揺れが起きると、孫娘は避難を呼び掛けるため、畑に出ていた中山さんの元へ向かったという。
しかし、中山さんと孫娘が自宅に戻る途中、6強の揺れが発生。畑と自宅の間にある家屋が崩れて下敷きとなった。住民らが慎重にがれきを取り除くと、2人は寄り添うように倒れていた。
いとこの男性は「みんなが『中山さんは100歳まで生きる』と言っていた。お疲れさまと言いたいが、残念だ」と寂しげに語った。

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