40代で貯金6000万円でも「まったく足りない」 孤独死に怯え、節約をしまくる男性

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いくら財産があっても、孤独は耐えがたいもの。とりわけ独身であれば不安が尽きない。いかに気楽な生活を満喫していても、いざという時に助けてくれる人はいないからだ。都内に暮らす40代後半の男性は、財産があってもなお日に日に募る将来への不安を打ち明けてくれた。
「どれだけ貯金があっても、人生には限りがあります。今の人生設計は自宅で孤独死をしないことですね」
男性が、そんな考えに至ったのはどういう事情なのか。(文:広中務)
男性の職業は技術系の専門職。詳細は伏せるが、国内ではレアな技術を持っており仕事は手堅い。年収には浮き沈みがあるが、本人申告で「ここ数年で、一番よかった時は2000万円ほど」だったという。貯金は6000万円ほどあり、コロナ前の2018年に都内西部で駅チカのマンションも買った。「コロナ禍でも仕事は途切れず、買って間もないマンションで快適な生活を満喫していました。でも、コロナに感染して考えがガラリと変わりました」男性がコロナ感染したのは、世間の気も緩み始めた2022年7月のこと。「発熱で苦しんだのは数日で、あとは隔離生活だったんです。でも会社の上司や仲間も心配してくれるとはいえ、どこか他人事。実家の両親は80代だし地方在住だから、助けてくれるわけじゃない。おまけに自分は兄弟がいませんし……そう考えると突然“自分が孤独死したら、どうなるんだろう”と不安を感じるようになりました」とりわけ男性が意識したのは、そう遠くない将来のことだった。「両親も80代だから、いつまでも元気というわけにはいかないでしょう。そうなると、自分が葬式をして実家を片付けて……とか、誰も頼る人はなく全部を一人でやらないといけません。どれだけの時間とお金がかかるんだろうと、不安ばかり感じるようになりました」こうして40代後半にして、男性は初めて人生設計を意識するようになったという。「兄弟もいない自分を将来助けてくれるのは、貯金だけです。そうなると6000万円でもまったく足らないと思ったんです」外食を減らし冷凍食品をストック、水筒持参、禁酒もこうして、男性はライフスタイルをガラリと変えた。食事は、外食を最低限まで減らした。「勤務中は外食しないというわけにはいきませんが、朝晩は自宅で食事をとるようにしています。いきなり自炊するのも厳しいので、大きめのセカンド冷蔵庫を買い増しました。宅食の契約もして、栄養バランスのとれたおかずをストックするようにしています」さらに、コンビニは週に一度程度に制限。缶コーヒーなどを買うことはやめ、水筒を持参する生活に切り替えた。さらに、アルコールは完全に断った。コロナ禍以前は週に3日は飲み歩いていたが、それもやめた。「コロナ前は月に10万円くらいは飲みで消えてたんですが、その支出が抑えられたぶん貯金のスピードもアップしています。まさか、自分が貯金のために節約しているとは思われてないようで、会社ではコロナ感染してから健康に気を遣うようになったと思われていますね」そんな男性が今考えている人生設計は「病院の豪華な病室で死ぬこと」だという。「なにか病気がみつかって、病院のちょっとばかり豪華な個室で“いい人生だったな”と、自分の生涯を振り返りながら、あまり苦しまずに世を去りたいですね。入院する前に身辺整理するくらいの時間は欲しいです」ここで男性が挙げた有名病院の個室は中程度の価格帯で1日10万円ほど。理想的な最期を迎えるには、そこそこの蓄えが必要なのは間違いない。40代後半にして、早くも人生の最期を考えている男性だが、現在のところ身体は丈夫そのものだ。「身体の衰えは感じるんですが、食欲だけは20代の時から変わらないんですよね。今でも朝から肉が食べたくなります。実際、週一くらいで朝にフライパンで肉を焼いてたべてます」将来の不安を語ってはいるものの、長生きしそうな男性であった。
男性の職業は技術系の専門職。詳細は伏せるが、国内ではレアな技術を持っており仕事は手堅い。年収には浮き沈みがあるが、本人申告で「ここ数年で、一番よかった時は2000万円ほど」だったという。貯金は6000万円ほどあり、コロナ前の2018年に都内西部で駅チカのマンションも買った。
「コロナ禍でも仕事は途切れず、買って間もないマンションで快適な生活を満喫していました。でも、コロナに感染して考えがガラリと変わりました」
男性がコロナ感染したのは、世間の気も緩み始めた2022年7月のこと。
「発熱で苦しんだのは数日で、あとは隔離生活だったんです。でも会社の上司や仲間も心配してくれるとはいえ、どこか他人事。実家の両親は80代だし地方在住だから、助けてくれるわけじゃない。おまけに自分は兄弟がいませんし……そう考えると突然“自分が孤独死したら、どうなるんだろう”と不安を感じるようになりました」
とりわけ男性が意識したのは、そう遠くない将来のことだった。
「両親も80代だから、いつまでも元気というわけにはいかないでしょう。そうなると、自分が葬式をして実家を片付けて……とか、誰も頼る人はなく全部を一人でやらないといけません。どれだけの時間とお金がかかるんだろうと、不安ばかり感じるようになりました」
こうして40代後半にして、男性は初めて人生設計を意識するようになったという。
「兄弟もいない自分を将来助けてくれるのは、貯金だけです。そうなると6000万円でもまったく足らないと思ったんです」
こうして、男性はライフスタイルをガラリと変えた。食事は、外食を最低限まで減らした。
「勤務中は外食しないというわけにはいきませんが、朝晩は自宅で食事をとるようにしています。いきなり自炊するのも厳しいので、大きめのセカンド冷蔵庫を買い増しました。宅食の契約もして、栄養バランスのとれたおかずをストックするようにしています」
さらに、コンビニは週に一度程度に制限。缶コーヒーなどを買うことはやめ、水筒を持参する生活に切り替えた。さらに、アルコールは完全に断った。コロナ禍以前は週に3日は飲み歩いていたが、それもやめた。
「コロナ前は月に10万円くらいは飲みで消えてたんですが、その支出が抑えられたぶん貯金のスピードもアップしています。まさか、自分が貯金のために節約しているとは思われてないようで、会社ではコロナ感染してから健康に気を遣うようになったと思われていますね」
そんな男性が今考えている人生設計は「病院の豪華な病室で死ぬこと」だという。
「なにか病気がみつかって、病院のちょっとばかり豪華な個室で“いい人生だったな”と、自分の生涯を振り返りながら、あまり苦しまずに世を去りたいですね。入院する前に身辺整理するくらいの時間は欲しいです」
ここで男性が挙げた有名病院の個室は中程度の価格帯で1日10万円ほど。理想的な最期を迎えるには、そこそこの蓄えが必要なのは間違いない。
40代後半にして、早くも人生の最期を考えている男性だが、現在のところ身体は丈夫そのものだ。
「身体の衰えは感じるんですが、食欲だけは20代の時から変わらないんですよね。今でも朝から肉が食べたくなります。実際、週一くらいで朝にフライパンで肉を焼いてたべてます」
将来の不安を語ってはいるものの、長生きしそうな男性であった。

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