「午前中からエナジードリンク」は危険信号…疲労回復の専門家が教える「睡眠の質を高めるコツ」

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寝たはずなのに、十分に疲れが取れていない――。現代人の多くは、「睡眠」や「休養」に悩まされているのではないか。睡眠改善インストラクターの福田英宏さんは、「自律神経の仕組みを理解することで解消できます」と語る。
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プロアスリートをはじめとするスポーツ選手に「リカバリー理論」を指導する「疲労回復の専門家」が教える、睡眠の質を高める方法とは?(全2回の1回目/続きを読む)
福田英宏さん 文藝春秋/撮影:榎本麻美
◆◆◆
――「睡眠改善インストラクター」という資格があるとは知りませんでした。
福田 睡眠に関する資格は、「睡眠改善インストラクター」のほかに、「快眠セラピスト」「寝具ソムリエ」「スリープケアカウンセラー」など、10種類あります。国家資格ではなく、一般社団法人日本睡眠教育機構(JSES)などが発行している資格になります。
私が、睡眠改善インストラクターの資格を取るために受講したときは、夜勤がある職業の方や交代制で働く方、たとえば鉄道やバスの運転手さんなども受講されていました。また、入浴剤を作っている企業や寝具を扱う企業の方なども、こうした資格を有しているケースが珍しくないですね。
――福田さんも、以前はそうした企業に?
福田 私は、リカバリーウェアのメーカー勤務を経て、独立しました。メーカーで働きながら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に通い、休養について研究していました。
健康の3要素は、「運動」「栄養」「休養」から成り立つのですが、休養だけがまだまだ学問的に伝わっていない。リカバリーウェアを販売するために、スポーツ選手を抱えるような企業へ行くのですが、そもそも休養をどのように取るべきなのかという部分についての知識が浸透していなかったんですね。
たとえば、プロスポーツ選手に、「普段どのように休養を取っていますか?」と尋ねると、多くの選手が「寝るとか体を横にするとかですね」といった回答が多かった。運動と栄養は、チームに専門家がいるのですが、休養の取り方については、誰も教えてくれません。商品を売るよりも、休養の普及や啓蒙活動を行うことが大事だと思い、現在にいたります。
――休養の上手な取り方。それには、睡眠の質が問われるわけですね。
福田 大前提として、睡眠時間の確保は欠かせません。ですが、1日8時間寝ることが理想的と言われていますが、そういうわけではないんですよ。睡眠時間は、人によって目安が違います。
質の良い睡眠の取り方が科学的に分かってきたので、もうすぐ50歳になる私のケースでいえば、6時間半で十分。対して、幼児は9~10時間、20代だと7時間、40代は6時間半という具合に変わります。高齢になると5時間半ほどです。規則正しい生活をしていれば、人間はだいたいそれくらいで起きるようにできているんです。
8時間寝れないがために、「睡眠が足りていない。睡眠障害なんじゃないか」と悩んでクリニックに行かれる方もいらっしゃいますが、睡眠時間はあくまでも目安です。8時間寝なければいけないということはないんですね。
――では、睡眠の質を上げるためには何が必要なのでしょうか?福田 寝ているときは寝ているだけですから、何もできません。睡眠の質を上げるには、起きてから寝るまでに何をするかです。起きている間は、寝るための準備期間だととらえてください。そのために、まず理解してほしいことが、交感神経と副交感神経の仕組みです。 交感神経が働くと緊張や興奮を伴うアクティブモードになり、副交感神経が働くと心拍数が下がりリラックスモードになります。疲労の原因は、交感神経と副交感神経からなる自律神経にありますから、リラックスモードである副交感神経を優位にすることを考えながら、睡眠時間を確保しなければいけません。 人間の体は、朝起きてから日中は交感神経が優位になり、夕方からは副交感神経が優位に働くようにできています。ところが、携帯電話や人工照明といった技術的な進化、そして仕事のストレスなどの影響によって、現代人は副交感神経にスイッチしづらい環境の中で暮らしています。また、体の構造として男性であれば30歳くらいから、女性であれば40歳くらいからスイッチしにくくなるということもあります。部屋の照度を落とす――ということは、寝るときは意図的に副交感神経が働きやすくなるような状況や環境を作らないといけないと?福田 そうです。たとえば、夕方以降は部屋の照度を落とすだけで、副交感神経は働きやすくなります。夜になっても、ずっと明るいままで過ごしている人が多いので、暖色系の照明に変えるだけで、まったく違います。 以前、箱根駅伝の出場を目指している大学のチームをアドバイスしたのですが、寮の中の環境点検をすると、とても照度が高かった。夕方、練習を終えて寮に戻ってくると、まるでコンビニのような明るさの中で過ごすことになる。これでは、かえって交感神経が刺激され、リラックスできなくなってしまう。脳が休まらないまま就寝時間を迎えるので、眠りづらくなるという悪循環を生んでしまうんですね。 その寮は、自動点灯ということもあり、帰ってくると自動的にパッと玄関がその明るさになる。廊下を歩くときも、トイレに行くときも自動で明るさが追ってくる。便利だけれど、体を休めるという観点から考えれば逆効果なんです。太陽光を浴びることも重要――自然に逆らうというのは、体には良くないんですね。福田 その通りです。ですから、日中に太陽を浴びることもとても大切です。晴れた日の太陽の明るさは10万ルクスほどあるため、セロトニンという物質を分泌させてくれます。セロトニンは、通称“幸せホルモン”と呼ばれる物質ですが、セロトニンを分泌させるには、2500ルクスほど必要です。部屋の中の照明はせいぜい100ルクス程度ですから、太陽を浴びる必要があるんですね。 セロトニンは、夜になると睡眠物質であるメラトニンに変わります。日中にたくさんセロトニンを分泌すれば、その分、メラトニンも多くなるため眠くなりやすくなります。1日は24時間ですが、私たちの体内リズムは24.18時間と少し長いです。太陽を見ることで、体内リズムはリセットされるようにできているため、ずっと家の中にいるとリセットされなくなり、0.18時間分が蓄積され、昼夜が逆転してしまうといったことが起きてしまうんです。――目安として、どれくらい太陽を浴びたらいいのでしょうか?福田 1日5分は浴びてほしいです。多ければ多いほどいいのですが、その際、できれば目の上に視床下部という部位があるので、正面を向いて当たると、なお効果的です。一方で、目は交感神経に直結している部位でもあるため、アスファルトの照り返しなどによっても、交感神経が刺激されます。マラソン選手がよくサングラスをかけていますが、遮光効果に加え、アクティブになりすぎないための抑制効果もあるんですね。入浴時間にも要注意――他にも、日常でできることがあれば教えてください。福田 入浴は、寝る1時間半前を心がけてほしいです。23時に寝る方は、21時30分に。21時に寝る方なら、19時30分です。体の深部体温が上がって、そこから下がってきたときに眠ると深い睡眠になります。深部体温を温めるには、やはりお風呂が欠かせません。睡眠とお風呂は、表裏一体の関係性です。 ただ、昨今は湯船にお湯を溜めないという方も少なくないと思います。可能な限りお風呂につかってほしいのですが、時間がないという方などは洗面器に43℃くらいのお湯をはって、手首をつけるように「手湯」をしてください。足湯同様、5分ほどつけている体の中がぽかぽかと温まってきます。――お風呂の温度も、熱めの方がいいのでしょうか?福田 お風呂の場合は、お湯は38~40℃がいいです。この温度は、副交感神経が優位になりやすく、42℃以上の熱いお湯に入ると交感神経が優位になってしまいます。体は温まるのですが、脳が活性化してしまうんですね。寝る1時間半前に、38~40℃のお風呂に入ると、眠りにつきやすく質の高い睡眠につながります。 どうしても熱いお湯のお風呂に入りたいという方は、寝る3時間くらい前に入ると、ちょうど深部体温が下がってくるタイミングと重なります。温泉などに旅行へ行くと、ほどよく眠くなりますよね? それって、規則正しいタイミングで温泉につかっているからでもあるんですよね。「午前中からエナジードリンク」は危険信号――言われてみれば、自然といいタイミングで温泉に入っているような気がします。福田 午前中に「眠い」と感じている方は、今言ったような改善が必要だと思います。夜に寝て、きちんと睡眠時間も確保しているはずなのに、「眠い」というのは睡眠の質が悪い証拠です。また、午前中からエナジードリンクを飲まないと脳が活性化しないという方も同じです。――疲れたと感じたときに、短時間でリカバリーする方法などはあるのでしょうか?福田 疲れたなと感じてきたら、首回りに自律神経が集中しているので、首の筋のあたりをつまんでほぐすといいです。2~3分ほどマッサージをするだけで、まったく違います。現代人は、スマホが欠かせなくなっているので、首への負担がとても大きくなっています。頭は5キロほどの重さがあるのですが、スマホを見るとだいたい皆さん60度は頭を傾けることになります。その際、首回りにかかる負荷は27キロと言われています。その分、凝ったり、疲れたりするんですね。――働き方改革も大事でしょうが、休み方にも改革が必要ですね。福田 いま私がお伝えしたことって、お金がかかりません(笑)。心がけ次第で、誰でもできます。睡眠の質を高めるために、ベッドや枕を変えることも有効ですが、どうして体が休まらないのかを知ることが大事です。すべてをやろうと思うとストレスになると思うので、まずは一つだけ始めてみて、何か変わってきたなと感じたら、他のことも試してみてください。〈「実はサウナは逆効果」睡眠の質を下げることも…疲労回復の専門家が指摘する「要注意の生活習慣」とは?〉へ続く(我妻 弘崇)
――では、睡眠の質を上げるためには何が必要なのでしょうか?
福田 寝ているときは寝ているだけですから、何もできません。睡眠の質を上げるには、起きてから寝るまでに何をするかです。起きている間は、寝るための準備期間だととらえてください。そのために、まず理解してほしいことが、交感神経と副交感神経の仕組みです。
交感神経が働くと緊張や興奮を伴うアクティブモードになり、副交感神経が働くと心拍数が下がりリラックスモードになります。疲労の原因は、交感神経と副交感神経からなる自律神経にありますから、リラックスモードである副交感神経を優位にすることを考えながら、睡眠時間を確保しなければいけません。
人間の体は、朝起きてから日中は交感神経が優位になり、夕方からは副交感神経が優位に働くようにできています。ところが、携帯電話や人工照明といった技術的な進化、そして仕事のストレスなどの影響によって、現代人は副交感神経にスイッチしづらい環境の中で暮らしています。また、体の構造として男性であれば30歳くらいから、女性であれば40歳くらいからスイッチしにくくなるということもあります。
――ということは、寝るときは意図的に副交感神経が働きやすくなるような状況や環境を作らないといけないと?
福田 そうです。たとえば、夕方以降は部屋の照度を落とすだけで、副交感神経は働きやすくなります。夜になっても、ずっと明るいままで過ごしている人が多いので、暖色系の照明に変えるだけで、まったく違います。
以前、箱根駅伝の出場を目指している大学のチームをアドバイスしたのですが、寮の中の環境点検をすると、とても照度が高かった。夕方、練習を終えて寮に戻ってくると、まるでコンビニのような明るさの中で過ごすことになる。これでは、かえって交感神経が刺激され、リラックスできなくなってしまう。脳が休まらないまま就寝時間を迎えるので、眠りづらくなるという悪循環を生んでしまうんですね。
その寮は、自動点灯ということもあり、帰ってくると自動的にパッと玄関がその明るさになる。廊下を歩くときも、トイレに行くときも自動で明るさが追ってくる。便利だけれど、体を休めるという観点から考えれば逆効果なんです。
――自然に逆らうというのは、体には良くないんですね。
福田 その通りです。ですから、日中に太陽を浴びることもとても大切です。晴れた日の太陽の明るさは10万ルクスほどあるため、セロトニンという物質を分泌させてくれます。セロトニンは、通称“幸せホルモン”と呼ばれる物質ですが、セロトニンを分泌させるには、2500ルクスほど必要です。部屋の中の照明はせいぜい100ルクス程度ですから、太陽を浴びる必要があるんですね。
セロトニンは、夜になると睡眠物質であるメラトニンに変わります。日中にたくさんセロトニンを分泌すれば、その分、メラトニンも多くなるため眠くなりやすくなります。1日は24時間ですが、私たちの体内リズムは24.18時間と少し長いです。太陽を見ることで、体内リズムはリセットされるようにできているため、ずっと家の中にいるとリセットされなくなり、0.18時間分が蓄積され、昼夜が逆転してしまうといったことが起きてしまうんです。――目安として、どれくらい太陽を浴びたらいいのでしょうか?福田 1日5分は浴びてほしいです。多ければ多いほどいいのですが、その際、できれば目の上に視床下部という部位があるので、正面を向いて当たると、なお効果的です。一方で、目は交感神経に直結している部位でもあるため、アスファルトの照り返しなどによっても、交感神経が刺激されます。マラソン選手がよくサングラスをかけていますが、遮光効果に加え、アクティブになりすぎないための抑制効果もあるんですね。入浴時間にも要注意――他にも、日常でできることがあれば教えてください。福田 入浴は、寝る1時間半前を心がけてほしいです。23時に寝る方は、21時30分に。21時に寝る方なら、19時30分です。体の深部体温が上がって、そこから下がってきたときに眠ると深い睡眠になります。深部体温を温めるには、やはりお風呂が欠かせません。睡眠とお風呂は、表裏一体の関係性です。 ただ、昨今は湯船にお湯を溜めないという方も少なくないと思います。可能な限りお風呂につかってほしいのですが、時間がないという方などは洗面器に43℃くらいのお湯をはって、手首をつけるように「手湯」をしてください。足湯同様、5分ほどつけている体の中がぽかぽかと温まってきます。――お風呂の温度も、熱めの方がいいのでしょうか?福田 お風呂の場合は、お湯は38~40℃がいいです。この温度は、副交感神経が優位になりやすく、42℃以上の熱いお湯に入ると交感神経が優位になってしまいます。体は温まるのですが、脳が活性化してしまうんですね。寝る1時間半前に、38~40℃のお風呂に入ると、眠りにつきやすく質の高い睡眠につながります。 どうしても熱いお湯のお風呂に入りたいという方は、寝る3時間くらい前に入ると、ちょうど深部体温が下がってくるタイミングと重なります。温泉などに旅行へ行くと、ほどよく眠くなりますよね? それって、規則正しいタイミングで温泉につかっているからでもあるんですよね。「午前中からエナジードリンク」は危険信号――言われてみれば、自然といいタイミングで温泉に入っているような気がします。福田 午前中に「眠い」と感じている方は、今言ったような改善が必要だと思います。夜に寝て、きちんと睡眠時間も確保しているはずなのに、「眠い」というのは睡眠の質が悪い証拠です。また、午前中からエナジードリンクを飲まないと脳が活性化しないという方も同じです。――疲れたと感じたときに、短時間でリカバリーする方法などはあるのでしょうか?福田 疲れたなと感じてきたら、首回りに自律神経が集中しているので、首の筋のあたりをつまんでほぐすといいです。2~3分ほどマッサージをするだけで、まったく違います。現代人は、スマホが欠かせなくなっているので、首への負担がとても大きくなっています。頭は5キロほどの重さがあるのですが、スマホを見るとだいたい皆さん60度は頭を傾けることになります。その際、首回りにかかる負荷は27キロと言われています。その分、凝ったり、疲れたりするんですね。――働き方改革も大事でしょうが、休み方にも改革が必要ですね。福田 いま私がお伝えしたことって、お金がかかりません(笑)。心がけ次第で、誰でもできます。睡眠の質を高めるために、ベッドや枕を変えることも有効ですが、どうして体が休まらないのかを知ることが大事です。すべてをやろうと思うとストレスになると思うので、まずは一つだけ始めてみて、何か変わってきたなと感じたら、他のことも試してみてください。〈「実はサウナは逆効果」睡眠の質を下げることも…疲労回復の専門家が指摘する「要注意の生活習慣」とは?〉へ続く(我妻 弘崇)
セロトニンは、夜になると睡眠物質であるメラトニンに変わります。日中にたくさんセロトニンを分泌すれば、その分、メラトニンも多くなるため眠くなりやすくなります。1日は24時間ですが、私たちの体内リズムは24.18時間と少し長いです。太陽を見ることで、体内リズムはリセットされるようにできているため、ずっと家の中にいるとリセットされなくなり、0.18時間分が蓄積され、昼夜が逆転してしまうといったことが起きてしまうんです。
――目安として、どれくらい太陽を浴びたらいいのでしょうか?
福田 1日5分は浴びてほしいです。多ければ多いほどいいのですが、その際、できれば目の上に視床下部という部位があるので、正面を向いて当たると、なお効果的です。一方で、目は交感神経に直結している部位でもあるため、アスファルトの照り返しなどによっても、交感神経が刺激されます。マラソン選手がよくサングラスをかけていますが、遮光効果に加え、アクティブになりすぎないための抑制効果もあるんですね。
――他にも、日常でできることがあれば教えてください。
福田 入浴は、寝る1時間半前を心がけてほしいです。23時に寝る方は、21時30分に。21時に寝る方なら、19時30分です。体の深部体温が上がって、そこから下がってきたときに眠ると深い睡眠になります。深部体温を温めるには、やはりお風呂が欠かせません。睡眠とお風呂は、表裏一体の関係性です。
ただ、昨今は湯船にお湯を溜めないという方も少なくないと思います。可能な限りお風呂につかってほしいのですが、時間がないという方などは洗面器に43℃くらいのお湯をはって、手首をつけるように「手湯」をしてください。足湯同様、5分ほどつけている体の中がぽかぽかと温まってきます。
――お風呂の温度も、熱めの方がいいのでしょうか?
福田 お風呂の場合は、お湯は38~40℃がいいです。この温度は、副交感神経が優位になりやすく、42℃以上の熱いお湯に入ると交感神経が優位になってしまいます。体は温まるのですが、脳が活性化してしまうんですね。寝る1時間半前に、38~40℃のお風呂に入ると、眠りにつきやすく質の高い睡眠につながります。
どうしても熱いお湯のお風呂に入りたいという方は、寝る3時間くらい前に入ると、ちょうど深部体温が下がってくるタイミングと重なります。温泉などに旅行へ行くと、ほどよく眠くなりますよね? それって、規則正しいタイミングで温泉につかっているからでもあるんですよね。
「午前中からエナジードリンク」は危険信号――言われてみれば、自然といいタイミングで温泉に入っているような気がします。福田 午前中に「眠い」と感じている方は、今言ったような改善が必要だと思います。夜に寝て、きちんと睡眠時間も確保しているはずなのに、「眠い」というのは睡眠の質が悪い証拠です。また、午前中からエナジードリンクを飲まないと脳が活性化しないという方も同じです。――疲れたと感じたときに、短時間でリカバリーする方法などはあるのでしょうか?福田 疲れたなと感じてきたら、首回りに自律神経が集中しているので、首の筋のあたりをつまんでほぐすといいです。2~3分ほどマッサージをするだけで、まったく違います。現代人は、スマホが欠かせなくなっているので、首への負担がとても大きくなっています。頭は5キロほどの重さがあるのですが、スマホを見るとだいたい皆さん60度は頭を傾けることになります。その際、首回りにかかる負荷は27キロと言われています。その分、凝ったり、疲れたりするんですね。――働き方改革も大事でしょうが、休み方にも改革が必要ですね。福田 いま私がお伝えしたことって、お金がかかりません(笑)。心がけ次第で、誰でもできます。睡眠の質を高めるために、ベッドや枕を変えることも有効ですが、どうして体が休まらないのかを知ることが大事です。すべてをやろうと思うとストレスになると思うので、まずは一つだけ始めてみて、何か変わってきたなと感じたら、他のことも試してみてください。〈「実はサウナは逆効果」睡眠の質を下げることも…疲労回復の専門家が指摘する「要注意の生活習慣」とは?〉へ続く(我妻 弘崇)
――言われてみれば、自然といいタイミングで温泉に入っているような気がします。
福田 午前中に「眠い」と感じている方は、今言ったような改善が必要だと思います。夜に寝て、きちんと睡眠時間も確保しているはずなのに、「眠い」というのは睡眠の質が悪い証拠です。また、午前中からエナジードリンクを飲まないと脳が活性化しないという方も同じです。
――疲れたと感じたときに、短時間でリカバリーする方法などはあるのでしょうか?
福田 疲れたなと感じてきたら、首回りに自律神経が集中しているので、首の筋のあたりをつまんでほぐすといいです。2~3分ほどマッサージをするだけで、まったく違います。現代人は、スマホが欠かせなくなっているので、首への負担がとても大きくなっています。頭は5キロほどの重さがあるのですが、スマホを見るとだいたい皆さん60度は頭を傾けることになります。その際、首回りにかかる負荷は27キロと言われています。その分、凝ったり、疲れたりするんですね。
――働き方改革も大事でしょうが、休み方にも改革が必要ですね。
福田 いま私がお伝えしたことって、お金がかかりません(笑)。心がけ次第で、誰でもできます。睡眠の質を高めるために、ベッドや枕を変えることも有効ですが、どうして体が休まらないのかを知ることが大事です。すべてをやろうと思うとストレスになると思うので、まずは一つだけ始めてみて、何か変わってきたなと感じたら、他のことも試してみてください。
〈「実はサウナは逆効果」睡眠の質を下げることも…疲労回復の専門家が指摘する「要注意の生活習慣」とは?〉へ続く
(我妻 弘崇)

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