個人撮影の「同人アダルトビデオ」が流行中…「少なすぎる出演料」でも「希望者が殺到」する衝撃理由

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映像作品を提供している企業が販売しているアダルトビデオの他に、個人で撮影をして動画を販売している同人AVと呼ばれる業界がある。出演しているのは、ほとんどが素人と呼ばれるセクシー女優ではない女性たち。
毎日のように、動画がアップロードされ、かなりの経済規模がある同人AV。実態はどのような物なのだろうか。
同人AVは、個撮(こさつ)AV等々、さまざまな呼び名で販売されている。主にFC2コンテンツマーケット、myfans(マイファンズ)等のコンテンツプラットフォームで販売、配信がされている。
実際に同人AVを制作しているMさん(20代男性)から話を聞かせてもらった。
「僕は現場ではカメラマンをやっています。サイトに投稿される動画の多くは人件費節約のために少人数体制で撮られていて、なかには撮影から男優まで全て1人でやっている人もいます。(私たちのように)作業を分担している作品の方が少ないと感じますね」
Mさんの担当は、動画のコンテ作成、撮影、編集作業だ。コンテとは、どういった動きをするのか、カットごとに絵や写真だけで指示をする撮影用の台本になる。平日は社会人として働き、趣味の延長として、休日に撮影・編集を行っているのだという。
「大学時代に映画サークルに入っていたのもあって、自分で映像を撮ったりしていました。言ってしまえば、副業でなにかしたいと思ったときに、自分のスキルを考えたら『AVしかない!』と思ったのが始まりです。映画よりもエロの方が売れると考えたからです」
撮影機材の扱い方、動画編集等の基礎知識はあるため、他の人に比べて始めるハードルは低かった。
それでも最初は手探りで失敗も多くあり、思うような動画は撮れなかったという。動画の収益に関しては、動画一本の利益が10万から60万円ほど。副業としては破格の利益が出ているが、もっと稼いでいる人は、月に150万円以上の利益を出している。
同人AVを作成する際に一番大変なのが出演をしてもらう女性を探すことだ。この作業が大変で、最も時間がかかるのだとか。街中でナンパをして女性と遊びに行くのとはわけが違うと語る。
「最近だとX(旧Twitter)で『#同人AV』」と検索すれば、出演を希望する人たちがたくさん出てきます。そこから募集をかけることが多く、意外と人は集まります。しかし、男性は集まらない。男優志望の方が人材は貴重です」
女性の出演希望者は意外と多く、Xでは「明日の空きができました。ご依頼待っています」との投稿が散見されている。
同人AVに出演している女性たちは、元々風俗業に従事していた人、違法な「立ちんぼ」と呼ばれる売春をしていた人など、背景はさまざまだ。
同人AVに出演する理由はやはりお金と安全になる。風俗業だと店側と利益を分けなければならず、取り分が少ない。「立ちんぼ」では、何度も男性を相手にし、また相手の素性がわからないといった危険がある。
そうした中で、同人AVであれば、一度の撮影でまとまったお金が手に入り、危険な人物が比較的少ないので、どうせ男性を相手にするのであればといった理由で、同人AVに出演しているのだという。
「最近はFC2等での規制が厳しくて、出演する女性の身分証明書、契約書などもプラットフォームに提出しなければなりません。そこまで対応してくれる女性は少ないのが悩みです。いわゆるAV新法から色々変わりましたが、きっちりやれば問題なく商売はできています」
ただ、意外だったのは男優志望がかなり少ないことだ。そのため、同人AVの現場では、監督、カメラマン、男優を兼業して撮影をしている人も多い。
また、同人AVに出たがる男性は風俗店等で性的サービスを受けている人が多く、性病のケアもしなければならない。
こうした事情によって、信用できる男優志望の数は少なくなり、撮影の現場では大切にされている。
「ギャラは女性に関しては10万円前後、男優は1万。交通費等の経費は全てこちらで負担しています。よく知られているアダルトビデオメーカーが支払っているような、1撮影で数十万円から数百万円みたいな金額はとてもじゃないですが、出せません」
もっと安い場合、高い場合もあるが、比較的多めに出演料は支払っているという。ビジネスとして動画を撮影しているので、お金の管理はきっちりと行われている。
一度の撮影時間は5時間から6時間を予定していて、一度の撮影で2本の作品を制作する場合が多い。
機材の設営から、撤収までどれだけ時間がかかっていても、払っているギャラは同じなのだという。これによって出演している女性からしても、風俗業とは違い、効率よくお金が稼げているのだそうだ。
撮影をするなら、場所が必要になる。ラブホテルを借りてしまえばいいのだが、ラブホテルでも、撮影NGのホテルがあり場所はかなり選ぶ。
撮影を一人でこなすのであれば、ばれないようにラブホテルで撮影をしている人もいるのだが、カメラマン等スタッフが多くなればその方法は使えない。
ラブホテルによっては、多人数での利用ができないこともあるため、場所はアダルトビデオ撮影ができる専用のスタジオを借りるしかない。
「かなり探すのに苦労します。知り合いは撮影場所をできるだけ安く抑えるために、Airbnb(エアビー)で部屋を借りて撮影したこともあったそうです。規約違反ではありますが、数人分のアカウントがあるので、ダメになったらほかの人のを使うだけだと言っていました」
Airbnbを使うのは、毎回専門の撮影スタジオ代を節約するための、苦肉の策なのだという。
Airbnbは外国人ばかりなので、出入りが多くても不審がられない、見回りが少ないといった理由が挙げられる。他にも撮影をするために、マンションの一室を借り上げ、スタジオの代わりにしている人もいるという。
危険な目に遭うリスクは少ないかもしれないが、全世界に性行為を配信することはデジタルタトゥーになる可能性もある。10万円前後という金額がそのリスクとみあっているのかは、よく考えたほうがいいのかもしれない。

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