「皇室献上」疑った茨城県、断定しきれず 詐欺容疑で75歳再逮捕

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皇室に献上すると称して農作物が詐取された事件で、茨城県警は25日、東京都練馬区大泉学園町2、農業園芸コンサルタント、加藤正夫容疑者(75)=詐欺などの罪で起訴=を詐欺と偽造有印公文書行使の容疑で再逮捕した。加藤容疑者は2022年6月に大井川和彦知事を表敬。県庁では訪問後に不審な点があるとして宮内庁に問い合わせた一方で、詐欺と断定はできずに1年が過ぎたという。
【写真で見る】社会に衝撃を与えた事件 県警によると、再逮捕容疑は2021年11月中旬~23年6月下旬ごろ、皇室への献上品を選定する権限があると装って筑西市の農家の70代男性に「献上依頼書」と題した偽造文書を渡し、シイタケ15キロ、キクラゲ3キロ、米2俵(時価合計8万7000円相当)をだまし取ったとしている。 複数の農家によると、加藤容疑者は5年以上前から東京大客員教授を名乗って県西地方などの農家に「皇居の中に出先機関がある」「作物を検査する」として出入りしていた。 信頼したある農家の男性が22年6月29日、自身の作る農産物が「皇室献上品に選ばれた」として加藤容疑者と共に知事を表敬。男性と懇意で訪問を仲介した県議も同席した。県秘書課などによると、加藤容疑者はこの日も「東京大学大学院農学部・理学部総括特任教授」と名乗り、皇族の暮らしぶりなどを語っていたという。 言動や肩書を不審に思った県の担当者が直後に東大や宮内庁に在籍や献上実績を確認したところ、認められなかった。県はその日のうちに仲介した県議に疑念を伝え、翌日、農家の男性にも連絡した。 しかし男性が問いただすと、加藤容疑者は「非常勤の立場だから名簿にはおそらく載っていない」「自分で在籍証明書を県に送る」と返したという。「立派な先生」と思っていた男性はその後も加藤容疑者と交流。「献上品は夢のまた夢。県の関係者も集まり、まさかうそだとは思わなかった」と肩を落とす。 県秘書課によると、表敬後に加藤容疑者から連絡を受けることはなかった。また東大は毎日新聞にも加藤容疑者の在籍を否定している。同課の担当者は「通常は県を通じて献上するが、それ以外のルートがあるのか分からなかった。(肩書や献上が虚偽という)事実確認まではできなかった」と釈明する。【西夏生、長屋美乃里】
県警によると、再逮捕容疑は2021年11月中旬~23年6月下旬ごろ、皇室への献上品を選定する権限があると装って筑西市の農家の70代男性に「献上依頼書」と題した偽造文書を渡し、シイタケ15キロ、キクラゲ3キロ、米2俵(時価合計8万7000円相当)をだまし取ったとしている。
複数の農家によると、加藤容疑者は5年以上前から東京大客員教授を名乗って県西地方などの農家に「皇居の中に出先機関がある」「作物を検査する」として出入りしていた。
信頼したある農家の男性が22年6月29日、自身の作る農産物が「皇室献上品に選ばれた」として加藤容疑者と共に知事を表敬。男性と懇意で訪問を仲介した県議も同席した。県秘書課などによると、加藤容疑者はこの日も「東京大学大学院農学部・理学部総括特任教授」と名乗り、皇族の暮らしぶりなどを語っていたという。
言動や肩書を不審に思った県の担当者が直後に東大や宮内庁に在籍や献上実績を確認したところ、認められなかった。県はその日のうちに仲介した県議に疑念を伝え、翌日、農家の男性にも連絡した。
しかし男性が問いただすと、加藤容疑者は「非常勤の立場だから名簿にはおそらく載っていない」「自分で在籍証明書を県に送る」と返したという。「立派な先生」と思っていた男性はその後も加藤容疑者と交流。「献上品は夢のまた夢。県の関係者も集まり、まさかうそだとは思わなかった」と肩を落とす。
県秘書課によると、表敬後に加藤容疑者から連絡を受けることはなかった。また東大は毎日新聞にも加藤容疑者の在籍を否定している。同課の担当者は「通常は県を通じて献上するが、それ以外のルートがあるのか分からなかった。(肩書や献上が虚偽という)事実確認まではできなかった」と釈明する。【西夏生、長屋美乃里】

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