アラサー夫婦YouTuberの沖縄セミリタイア生活、“家計の見える化”で借金600万円から資産4000万円に

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「沖縄に移住したい!」という夢を叶えて30代でセミリタイアライフを手に入れた、夫婦YouTuber「沖縄移住アラサー夫婦」。
【写真】セミリタイア後の生活を具体的にイメージ、壁に掲げた手書きの目標初めての沖縄旅行で将来、移住すると決意 20代だった元理学療法士の夫(33)と元アパレル販売員の妻(32)は、奨学金の返済と借金が合計600万円あった。 しかし、転職やYouTubeなどの副業&株式投資をスタートさせて資金を貯め、6年目で沖縄移住、7年目に資産4000万円を達成。ゆる早セミリタイアを満喫中だ。

「きっかけは初めての沖縄旅行で、『沖縄に住みたい!』と強く思ったことでした」(妻さん) それまでは2人ともお金の知識がまったくなかった。「以前の僕らは給料が入ったらその分をすぐ使ってしまうタイプ(笑)。妻は職業柄、服や美容にお金をかけていましたし一時期、実家に仕送りもしていました。僕も服は好きだったので人のことは言えないですが……」(夫さん)本業収入を増やし収支をクリアに まずは収入を増やすことを目指す。夫は同業他社に転職し、勤務日数を増やす。妻も給料が上がらなかったので、派遣社員にシフトした。「世帯年収は660万円から960万円に増えました。それに加え、僕は移住後にも収入源になりそうなYouTubeを開始。妻にはイラストや配色などを担当してもらい、だんだんと副業にも力を入れました」(夫さん) 家計は“支出の最適化”に努めた。それまでの1か月の生活費は27万円ほど。2人は「家計簿!簡単お小遣い帳」というスマートフォンのアプリで管理するようになる。「このアプリの特徴はすべて手入力なところ。面倒でもありますが、支払うたびに入力していたら自然と節約意識が高まり、衣服費やネイル、マツエクなどの美容費をかなり抑えられました」(妻さん) 美容費は月2万2千円から1万円、衣服費は月4万円から5000~1万円に。 沖縄に引っ越す目標があるので、“ものを増やしたくない”という気持ちもプラスに働く。移住後に必要のない冬服を買わなくなり、ブランドの洋服などを夫がフリマアプリで換金。 2人とも家にはこだわりがなく、もともと家賃約6万円の1K住まい。持ち物をシンプルにしていった。「通信費については携帯を楽天モバイルに替えて月2万円から6500円に。家のWi-Fi契約はせず、YouTubeも携帯のデザリング機能で更新していますが、今まで問題ないです」(夫さん) 節約一辺倒ではなく、日々の楽しみも大切にすることも貯める生活を続けるコツだ。食費は以前と同様、5万円をキープしたという。「義理の飲み会を断るようにして外食費は月2万円、娯楽費は平日休みや夜より値段が抑えられるランチを利用して5千円削ったんです。生活費を約19万円に抑え、残りは貯蓄に回しました」(妻さん)壁に目標を張ってモチベーション維持 貯蓄と同時に夫が取り組んだのが株式投資だ。知識ゼロから本やYouTubeで勉強を始め、比較的安心な『インデックス投資』と『高配当株投資』を併用。コロナ禍の株価暴落をチャンスに資産を大きくした。「移住後は労働収入が減る分、資金運用や貯蓄で補う必要があります。心配性なので3000万円は貯めておきたかったんですよ」(夫さん) さらに夫はファイナンシャルプランナー3級の資格も取得。この知識は移住時、保険などの手続きにも役立った。「もちろん途中で気持ちがくじけそうになることもありました。モチベーションを維持できたのは、セミリタイア後の生活を具体的にイメージできていたから。目標を書いた紙を壁に張り、ひとつずつクリアしました」(夫さん) SNSを通じて知り合った先輩移住者に話を聞けたことも、プラスに働いた。「僕らがやりたいことを手助けしてくれる人も多くて、本当に感謝しています。沖縄の物価が意外に高いことなどを事前に知っておけたことはよかったですね。保険や税金を除いた今の生活費は約14万円に下がりました」(夫さん) 家には今もこだわらず、家賃3万2千円の1K暮らしだ。「意外に規則正しい生活をしているんですよ。私は家庭菜園が今、いちばんの楽しみですね。夫は釣りに行ったり、市営のジムに行ったり。2人とも1日1回は家の外に出るようにしています」(妻さん) お金があることの安心感や自由な時間を得たことで、それぞれが理想の暮らしに向かって邁進(まいしん)している。新NISAがおすすめ 小さく投資でも確実リターン毎月少額でもOK!ビビリな僕でもできた 2024年にスタートする「新NISA」は、「つみたて投資枠」「成長投資枠」の併用ができ、どちらも恒久的に非課税で運用できるのが最大のポイントで、投資初心者でも始めやすい。「本来、僕はすごくビビリで、最初は恐る恐る数千円~数万円の投資をするのが精いっぱいでした。小さな失敗を重ねながら知識と経験を積むことで、やり方がわかるようになったんです」(夫さん、以下同) 今から投資を始めることに悩む人にも、「人生100年時代ですから、50代でスタートしても30年は余裕で投資ができます。小さな金額からでもいいので、ぜひ今から始めてみてください」とアドバイスする。アラサー夫婦は二刀流!老後を豊かにするインデックス投資 インデックス(=指数)に連動した投資信託に投資する。一度、投資先を選べば、あとはほったらかしでOK。 長期的な運用に向いているので、老後資金にぴったり。今を豊かにする高配当株投資 株式を保有していることによる配当金を定期的に得ることができるので、今の生活の収入源になる。 買うタイミングや銘柄選びは、インデックス投資よりも知識が必要になる。7年で総資産4000万円《2人の資産ヒストリー》妻さん【借金400万円】 2010年、アパレル会社に就職。高校の奨学金とスキューバダイビングの資格取得で借金が。夫さん【借金200万円】 2011年、理学療法士として就職。専門学校の奨学金の返済があった。50万円(’16年) 交際中に初めて行った沖縄旅行で移住を考えるように。同棲を始め、貯金の必要性を意識する。150万円(’17年) 夫が転職し、週6勤務になり年収200万円アップ。調理師免許があり、料理上手な妻は弁当を作って食費を節約。400万円(’18年) 株式投資をつみたてNISAから始める。妻が派遣に転職。800万円(’19年) 妻が時給1450円の派遣に転職し、アパレル時代より年収100万円アップ。家計簿アプリを使い始める。1000万円(’20年) YouTubeを開始する。夫30歳、妻28歳で結婚。2075万円(’21年) 副業に力を入れ、移住後の準備が本格化。コロナショック(株価暴落)後に株を買い増し。3388万円(’22年) 仕事を退職し、6月から沖縄移住。家賃3万2千円の1Kで暮らし始める。4000万円(’23年) YouTube配信や投資は続けつつ、趣味の散歩や農業、釣りを楽しむ毎日。※株式投資にはリスクが伴います。きちんと調べ、自分に合った方法で実践しましょう。教えてくれたのは……沖縄移住アラサー夫婦●現在夫33歳、妻32歳でYouTubeフォロワー数は11万人超。夫は専門学校卒業後に理学療法士、妻は高校卒業後にアパレルの販売員として働く。昨年、沖縄移住とセミリタイアの夢を叶えた。著書に『アラサー夫婦のゆる早セミリタイア』(主婦と生活社)。(取材・文/工藤千秋 写真・イラスト提供/沖縄移住アラサー夫婦)
20代だった元理学療法士の夫(33)と元アパレル販売員の妻(32)は、奨学金の返済と借金が合計600万円あった。
しかし、転職やYouTubeなどの副業&株式投資をスタートさせて資金を貯め、6年目で沖縄移住、7年目に資産4000万円を達成。ゆる早セミリタイアを満喫中だ。
「きっかけは初めての沖縄旅行で、『沖縄に住みたい!』と強く思ったことでした」(妻さん)
それまでは2人ともお金の知識がまったくなかった。
「以前の僕らは給料が入ったらその分をすぐ使ってしまうタイプ(笑)。妻は職業柄、服や美容にお金をかけていましたし一時期、実家に仕送りもしていました。僕も服は好きだったので人のことは言えないですが……」(夫さん)
まずは収入を増やすことを目指す。夫は同業他社に転職し、勤務日数を増やす。妻も給料が上がらなかったので、派遣社員にシフトした。
「世帯年収は660万円から960万円に増えました。それに加え、僕は移住後にも収入源になりそうなYouTubeを開始。妻にはイラストや配色などを担当してもらい、だんだんと副業にも力を入れました」(夫さん)
家計は“支出の最適化”に努めた。それまでの1か月の生活費は27万円ほど。2人は「家計簿!簡単お小遣い帳」というスマートフォンのアプリで管理するようになる。
「このアプリの特徴はすべて手入力なところ。面倒でもありますが、支払うたびに入力していたら自然と節約意識が高まり、衣服費やネイル、マツエクなどの美容費をかなり抑えられました」(妻さん)
美容費は月2万2千円から1万円、衣服費は月4万円から5000~1万円に。
沖縄に引っ越す目標があるので、“ものを増やしたくない”という気持ちもプラスに働く。移住後に必要のない冬服を買わなくなり、ブランドの洋服などを夫がフリマアプリで換金。
2人とも家にはこだわりがなく、もともと家賃約6万円の1K住まい。持ち物をシンプルにしていった。
「通信費については携帯を楽天モバイルに替えて月2万円から6500円に。家のWi-Fi契約はせず、YouTubeも携帯のデザリング機能で更新していますが、今まで問題ないです」(夫さん)
節約一辺倒ではなく、日々の楽しみも大切にすることも貯める生活を続けるコツだ。食費は以前と同様、5万円をキープしたという。
「義理の飲み会を断るようにして外食費は月2万円、娯楽費は平日休みや夜より値段が抑えられるランチを利用して5千円削ったんです。生活費を約19万円に抑え、残りは貯蓄に回しました」(妻さん)
貯蓄と同時に夫が取り組んだのが株式投資だ。知識ゼロから本やYouTubeで勉強を始め、比較的安心な『インデックス投資』と『高配当株投資』を併用。コロナ禍の株価暴落をチャンスに資産を大きくした。
「移住後は労働収入が減る分、資金運用や貯蓄で補う必要があります。心配性なので3000万円は貯めておきたかったんですよ」(夫さん)
さらに夫はファイナンシャルプランナー3級の資格も取得。この知識は移住時、保険などの手続きにも役立った。
「もちろん途中で気持ちがくじけそうになることもありました。モチベーションを維持できたのは、セミリタイア後の生活を具体的にイメージできていたから。目標を書いた紙を壁に張り、ひとつずつクリアしました」(夫さん)
SNSを通じて知り合った先輩移住者に話を聞けたことも、プラスに働いた。
「僕らがやりたいことを手助けしてくれる人も多くて、本当に感謝しています。沖縄の物価が意外に高いことなどを事前に知っておけたことはよかったですね。保険や税金を除いた今の生活費は約14万円に下がりました」(夫さん)
家には今もこだわらず、家賃3万2千円の1K暮らしだ。
「意外に規則正しい生活をしているんですよ。私は家庭菜園が今、いちばんの楽しみですね。夫は釣りに行ったり、市営のジムに行ったり。2人とも1日1回は家の外に出るようにしています」(妻さん)
お金があることの安心感や自由な時間を得たことで、それぞれが理想の暮らしに向かって邁進(まいしん)している。
小さく投資でも確実リターン
毎月少額でもOK!ビビリな僕でもできた
2024年にスタートする「新NISA」は、「つみたて投資枠」「成長投資枠」の併用ができ、どちらも恒久的に非課税で運用できるのが最大のポイントで、投資初心者でも始めやすい。
「本来、僕はすごくビビリで、最初は恐る恐る数千円~数万円の投資をするのが精いっぱいでした。小さな失敗を重ねながら知識と経験を積むことで、やり方がわかるようになったんです」(夫さん、以下同)
今から投資を始めることに悩む人にも、「人生100年時代ですから、50代でスタートしても30年は余裕で投資ができます。小さな金額からでもいいので、ぜひ今から始めてみてください」とアドバイスする。
老後を豊かにするインデックス投資
インデックス(=指数)に連動した投資信託に投資する。一度、投資先を選べば、あとはほったらかしでOK。
長期的な運用に向いているので、老後資金にぴったり。
今を豊かにする高配当株投資
株式を保有していることによる配当金を定期的に得ることができるので、今の生活の収入源になる。
買うタイミングや銘柄選びは、インデックス投資よりも知識が必要になる。
妻さん【借金400万円】 2010年、アパレル会社に就職。高校の奨学金とスキューバダイビングの資格取得で借金が。
夫さん【借金200万円】 2011年、理学療法士として就職。専門学校の奨学金の返済があった。
50万円(’16年)
交際中に初めて行った沖縄旅行で移住を考えるように。同棲を始め、貯金の必要性を意識する。
150万円(’17年)
夫が転職し、週6勤務になり年収200万円アップ。調理師免許があり、料理上手な妻は弁当を作って食費を節約。
400万円(’18年)
株式投資をつみたてNISAから始める。妻が派遣に転職。
800万円(’19年)
妻が時給1450円の派遣に転職し、アパレル時代より年収100万円アップ。家計簿アプリを使い始める。
1000万円(’20年)
YouTubeを開始する。夫30歳、妻28歳で結婚。
2075万円(’21年)
副業に力を入れ、移住後の準備が本格化。コロナショック(株価暴落)後に株を買い増し。
3388万円(’22年)
仕事を退職し、6月から沖縄移住。家賃3万2千円の1Kで暮らし始める。
4000万円(’23年)
YouTube配信や投資は続けつつ、趣味の散歩や農業、釣りを楽しむ毎日。
※株式投資にはリスクが伴います。きちんと調べ、自分に合った方法で実践しましょう。
(取材・文/工藤千秋 写真・イラスト提供/沖縄移住アラサー夫婦)

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