「授乳をこんなところで?」 赤ちゃん用対策に不安を抱えたママ 避難所では授乳場所なく、オムツも…

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「避難しに来たけど、やっぱり災害セット準備しとくべきだったなぁ。バタバタしたし、一泊するっていう頭はなかったからオムツとか足りるか心配」
【写真】自治体の備蓄オムツにはうっすらカビが…先日の台風7号で避難所を利用した、生後4ヶ月の娘のママ、あやか4m(4/13)(@mama_ayaka0413 以下あやかさん)は、避難中に不安な心境を投稿。今回の避難で気づいたことなどをあやかさんに聞いたところ、赤ちゃん連れでの被災者自身はもちろん、自治体側の対応策の改善点が見えてきました。避難場所にこそ便利な必要な段ボール授乳室が「道の駅」に常設されたことが話題ですが、本来の用途で使用されるべきだった避難所にはその簡易の授乳室はなく。当時の避難で気づいたことなどをあやかさんに聞いたところ、赤ちゃん連れでの被災者自身はもちろん、自治体側の対応策の改善点が見えてきました。

赤ちゃんのための荷物はどれだけあっても…自治体が開設した避難所で過ごしたのは9時間ほど。自宅のある地域からの避難指示が出たため、慌てて向かいました。「翌日は晴れると天気予報で言っていたので、1泊分だけ用意しました。ギリギリ足りましたが、途中から心配になって…。オムツなんていくら持っていってもいいですね。1日に使用する枚数の2~3倍ぐらい持っていってもいいんじゃないかな?と思いました」。子どものために持参したのは以下のもの。【ミルク関連品】・ミルク用お湯(保温8時間までokのもの)2回分 ・ミルク用いろはす 2本 ・粉ミルク(ほほえみキューブ200ml×5本) ・液体ミルク(125ml×2、225×1本) 【オムツ関連】 ・オムツ10枚 ・おしりふき1パック60枚入【その他】・ガーゼ5枚 ・着替え2回分 ・よだれかけ ・おくるみ的な床に敷く布・バスタオル ・おもちゃあやかさん親子が利用した避難所は、ライフラインも機能していたため、ポットでお湯を沸かし、ミルク用のお湯は調達できましたが、直接与えられる液体ミルクなどが必要な事態もありえることを痛感。ほかにも、「避難生活が長期に及ぶ場合も想定したら、ミルトンなどの消毒剤、保温ケトル、哺乳瓶を汚さないためのインナーバッグなども重宝すると思いました」。あやかさんは、ミルクで育てていますが、授乳スペースがないから母乳で育てていたら、「どこで与えたらいいの?と困るだろうな」とも感じたそう。当時、避難所にいた赤ちゃん連れはあやかさん一家のみ。「避難所を運営している自治体の担当の方や避難してきた方みなさんに気にかけていただきました。テントを張ってくれたり、赤ちゃんが眩しがるためテントに屋根をつけていただいたり、とても良くしていただき、ありがたかったです」。避難中に、保健師からの電話によるカウンセリングもあるなど、配慮は十分感じたあやかさんですが、「自治体が保管していた備蓄用オムツが、かなり古いもので…。調べたら、2007年に発売終了しているもの。強烈な防虫剤の匂い、古いタンスのような匂いが漂っていました。カビのようなものもうっすら付着していて、どうしても足りなくなった時に使おう、と。段ボールの封を解かない状態で置いてあったので、保管期間や状態は把握してないのかなと思いました。今後のために、と考えて、後日、自治体に備品チェックのお願いメールを送りました」。今回、赤ちゃんを連れての避難を経験して、自身の防災グッズを見直すことにしたそうで、「慣れない環境で過ごすので、できるだけ快適にご機嫌に過ごして欲しい。これからは、ベビー用品は多めに持っていきます」と話してくれました。大切なわが子を守るため、今すぐ赤ちゃんの防災対策をベビー用品を展開するピジョン株式会社は、「妊産婦」「乳幼児」に対しては、内閣府が「特性を理解した上での対策強化」を求めるなかで、まだまだ十分に焦点が当たってきていないことに着目して活動をおこなっています。妊娠中から1才6ヵ月までの子どもがいる全国のパパ・ママを対象に実施した調査(2021年5月実施、防災に関するアンケート調査、妊娠中から1才6ヵ月までの子どもがいる方1270名)では、8割以上が「災害に対して、不安」を感じている一方で、「子どものための防災準備」を行動に移した人は3割未満でした。そのため、2022年9月より、『あかちゃんとそなえの輪 推進プロジェクト』を推し進め、「あかちゃんの防災」をはじめとしたもしもへの備えを広げる活動をしています。あかちゃんの防災サイトで災害時の避難生活や月齢別のグッズリスト、同社による赤ちゃん向け防災用品シリーズ「sonaetta(ソナエッタ)」(全国のベビー用品専門店・オンラインストアで販売)などを紹介。また、同宣言に賛同する自治体と協力し、乳児を育てる家庭の防災についての情報発信なども行っています。◇ ◇災害時の避難所では、「赤ちゃんや小さな子どものいる家庭が少ない」などの声もありますが、それは「赤ちゃんや子どもがいるとうるさい」などの苦情や、「ベビーフードがない」などの理由があるから、という指摘もあります。また、あやかさんが言うように、授乳やおむつ替えの空間がないことも。日頃から、赤ちゃんや小さい子どものための防災用品や避難グッズを用意しておかねば、と思いつつ…という人もいるでしょう。住んでいる自治体・地域の赤ちゃんや小さい子どもを意識した防災対策がどのようなものなのか、事前に把握しておくこと、要望や意見を伝えることも必要です。災害は突然やってきます。ぜひ、平時に乳幼児のための防災用品・避難グッズの確認とご用意を。いつもより、多めの数量でご準備ください。(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
先日の台風7号で避難所を利用した、生後4ヶ月の娘のママ、あやか4m(4/13)(@mama_ayaka0413 以下あやかさん)は、避難中に不安な心境を投稿。
今回の避難で気づいたことなどをあやかさんに聞いたところ、赤ちゃん連れでの被災者自身はもちろん、自治体側の対応策の改善点が見えてきました。避難場所にこそ便利な必要な段ボール授乳室が「道の駅」に常設されたことが話題ですが、本来の用途で使用されるべきだった避難所にはその簡易の授乳室はなく。当時の避難で気づいたことなどをあやかさんに聞いたところ、赤ちゃん連れでの被災者自身はもちろん、自治体側の対応策の改善点が見えてきました。
自治体が開設した避難所で過ごしたのは9時間ほど。自宅のある地域からの避難指示が出たため、慌てて向かいました。
「翌日は晴れると天気予報で言っていたので、1泊分だけ用意しました。ギリギリ足りましたが、途中から心配になって…。オムツなんていくら持っていってもいいですね。1日に使用する枚数の2~3倍ぐらい持っていってもいいんじゃないかな?と思いました」。子どものために持参したのは以下のもの。
【ミルク関連品】・ミルク用お湯(保温8時間までokのもの)2回分 ・ミルク用いろはす 2本 ・粉ミルク(ほほえみキューブ200ml×5本) ・液体ミルク(125ml×2、225×1本) 【オムツ関連】 ・オムツ10枚 ・おしりふき1パック60枚入【その他】・ガーゼ5枚 ・着替え2回分 ・よだれかけ ・おくるみ的な床に敷く布・バスタオル ・おもちゃ
あやかさん親子が利用した避難所は、ライフラインも機能していたため、ポットでお湯を沸かし、ミルク用のお湯は調達できましたが、直接与えられる液体ミルクなどが必要な事態もありえることを痛感。ほかにも、「避難生活が長期に及ぶ場合も想定したら、ミルトンなどの消毒剤、保温ケトル、哺乳瓶を汚さないためのインナーバッグなども重宝すると思いました」。
あやかさんは、ミルクで育てていますが、授乳スペースがないから母乳で育てていたら、「どこで与えたらいいの?と困るだろうな」とも感じたそう。
当時、避難所にいた赤ちゃん連れはあやかさん一家のみ。「避難所を運営している自治体の担当の方や避難してきた方みなさんに気にかけていただきました。テントを張ってくれたり、赤ちゃんが眩しがるためテントに屋根をつけていただいたり、とても良くしていただき、ありがたかったです」。
避難中に、保健師からの電話によるカウンセリングもあるなど、配慮は十分感じたあやかさんですが、「自治体が保管していた備蓄用オムツが、かなり古いもので…。調べたら、2007年に発売終了しているもの。強烈な防虫剤の匂い、古いタンスのような匂いが漂っていました。カビのようなものもうっすら付着していて、どうしても足りなくなった時に使おう、と。段ボールの封を解かない状態で置いてあったので、保管期間や状態は把握してないのかなと思いました。今後のために、と考えて、後日、自治体に備品チェックのお願いメールを送りました」。
今回、赤ちゃんを連れての避難を経験して、自身の防災グッズを見直すことにしたそうで、「慣れない環境で過ごすので、できるだけ快適にご機嫌に過ごして欲しい。これからは、ベビー用品は多めに持っていきます」と話してくれました。
ベビー用品を展開するピジョン株式会社は、「妊産婦」「乳幼児」に対しては、内閣府が「特性を理解した上での対策強化」を求めるなかで、まだまだ十分に焦点が当たってきていないことに着目して活動をおこなっています。
妊娠中から1才6ヵ月までの子どもがいる全国のパパ・ママを対象に実施した調査(2021年5月実施、防災に関するアンケート調査、妊娠中から1才6ヵ月までの子どもがいる方1270名)では、8割以上が「災害に対して、不安」を感じている一方で、「子どものための防災準備」を行動に移した人は3割未満でした。
そのため、2022年9月より、『あかちゃんとそなえの輪 推進プロジェクト』を推し進め、「あかちゃんの防災」をはじめとしたもしもへの備えを広げる活動をしています。
あかちゃんの防災サイトで災害時の避難生活や月齢別のグッズリスト、同社による赤ちゃん向け防災用品シリーズ「sonaetta(ソナエッタ)」(全国のベビー用品専門店・オンラインストアで販売)などを紹介。また、同宣言に賛同する自治体と協力し、乳児を育てる家庭の防災についての情報発信なども行っています。
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災害時の避難所では、「赤ちゃんや小さな子どものいる家庭が少ない」などの声もありますが、それは「赤ちゃんや子どもがいるとうるさい」などの苦情や、「ベビーフードがない」などの理由があるから、という指摘もあります。また、あやかさんが言うように、授乳やおむつ替えの空間がないことも。
日頃から、赤ちゃんや小さい子どものための防災用品や避難グッズを用意しておかねば、と思いつつ…という人もいるでしょう。住んでいる自治体・地域の赤ちゃんや小さい子どもを意識した防災対策がどのようなものなのか、事前に把握しておくこと、要望や意見を伝えることも必要です。
災害は突然やってきます。ぜひ、平時に乳幼児のための防災用品・避難グッズの確認とご用意を。いつもより、多めの数量でご準備ください。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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