鳥島近海で続いていた地震「通常と異なる」 識者、警戒呼びかけ

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9日朝、津波を引き起こす地震が起きた伊豆諸島の鳥島近海では、今月2日以降、マグニチュード(M)5~6クラスの地震が続いていた。津波の発生メカニズムに詳しい佐竹健治・東京大地震研究所教授(地震学)によると「この地域では、過去にあまり例がない」状況だという。
震度1以上観測なく津波注意報、なぜ? 火山活動の可能性 津波が発生した詳しいメカニズムは分かっていない。佐竹教授によると、津波が発生するのは通常、M6・5以上の浅い地震などになる。だが、気象庁は今回、観測点が少なく地震の規模も小さいとして、マグニチュードを確定していない。

佐竹教授は「通常の地震と異なり、何か特殊なことが起きている可能性がある」と指摘。規模の小さな地震でも津波が起きた要因は「地下でマグマの移動で大きな地殻変動が起きたり、地滑りが起きたりした可能性が考えられる」としている。 通常の地震では、1週間以内は同程度の規模の地震に注意する必要があるが、佐竹教授は「今回は通常と異なり、1週間を過ぎても、同様のことが起きる可能性もある」と警戒を呼び掛ける。 東京工業大の野上健治教授(地球化学)は4日に、海上保安庁の航空機で上空から付近の観測を実施していたが、噴火の兆候となる変色水などの海面の変化も確認されていないという。このため今回の地震については、地震活動もしくは地下でマグマが動いたことに起因する海底地滑りの可能性を指摘する。 津波が起きたことについては、野上教授は「非常に広い範囲で海底地形に何らかの変化が起きたが、詳細が不明」としている。 そのうえで、野上教授は、一帯では地震や火山活動の観測体制が脆弱(ぜいじゃく)であるとして、「繰り返す可能性が高いとみて、早急にどう検知するか検討する体制を整備する必要がある」と話した。【垂水友里香】
津波が発生した詳しいメカニズムは分かっていない。佐竹教授によると、津波が発生するのは通常、M6・5以上の浅い地震などになる。だが、気象庁は今回、観測点が少なく地震の規模も小さいとして、マグニチュードを確定していない。
佐竹教授は「通常の地震と異なり、何か特殊なことが起きている可能性がある」と指摘。規模の小さな地震でも津波が起きた要因は「地下でマグマの移動で大きな地殻変動が起きたり、地滑りが起きたりした可能性が考えられる」としている。
通常の地震では、1週間以内は同程度の規模の地震に注意する必要があるが、佐竹教授は「今回は通常と異なり、1週間を過ぎても、同様のことが起きる可能性もある」と警戒を呼び掛ける。
東京工業大の野上健治教授(地球化学)は4日に、海上保安庁の航空機で上空から付近の観測を実施していたが、噴火の兆候となる変色水などの海面の変化も確認されていないという。このため今回の地震については、地震活動もしくは地下でマグマが動いたことに起因する海底地滑りの可能性を指摘する。
津波が起きたことについては、野上教授は「非常に広い範囲で海底地形に何らかの変化が起きたが、詳細が不明」としている。
そのうえで、野上教授は、一帯では地震や火山活動の観測体制が脆弱(ぜいじゃく)であるとして、「繰り返す可能性が高いとみて、早急にどう検知するか検討する体制を整備する必要がある」と話した。【垂水友里香】

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