減り続ける暴走族の現状 「ポリゴ」って何だ?高校生ら10人摘発

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16~18歳の高校生ら男女10人が5日までに大阪府警に道交法違反(共同危険行為など)の疑いで摘発された。4月3日午前4時半ごろに大阪府泉南市の交差点でバイク5台に分乗し、信号待ちのパトカーを集団で追い抜くなどの暴走運転をした疑い。警察官に追跡させて、まるで鬼ごっこをしているかのように走行することを「ポリゴ」と呼び、当日もLINEで「ポリゴしよう」と通信して集まっていた。「過去にも数回やった」と供述しているという。
同様の運転はこれまで暴走族も、キモ試しやストレス解消のため、警察をからかいつつ逃げ切る走りを「ポリゴ」「パト鬼ごっこ」「鬼ごっこ」と呼んできた。
ところが変化が起きている。元暴走族関係者は「昔は暴走族の幹部が『〇時に走る』と言えば何十、百何台も集まりました。今では暴走族が減りすぎて、SNSや掲示板で『暴走仲間募集 〇〇に×時』と書き込んで、集まってきたのは数台とか。2、3台だと暴走族とは言えないので、爆音は出しても、警察に捕まらないよう交通ルールを守ってますね。で、翌日、『誰も来なかった』と書き込んでました」と語る。
暴走族は1980年代前半、4万人以上いた。しかし、2013年に7000人を切ると、20年には6000人割れ。警察庁の統計によると、21年は5838人で、うち成人は3231人と未成年より多い。グループ数は02年に最多となる1313を数えたが、21年は過去最少の124グループに落ち込んだ。
減少の理由は、逃げ切った後でも監視カメラによって確実に逮捕されること、若者のバイク離れや少子高齢化で“なり手”がいないことなどが指摘される。「かつては暴走族が走っても被害者がいないと取り締まれなかったのが、暴走族を取り締まるために道交法の共同危険行為を定めた改正法が2004年に施行されたんです」(同)
ポリゴもなくなっていくだろう。

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