全国都道府県エリア別「防災意識」…ワースト1位の、愕然とする「地震保険加入率」

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「防災の日」として設定されている9月1日。今年は1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災から100年の節目とあって、テレビや新聞など様々なメディアで特集が組まれるなど大々的に取り上げられた。そうした情報に触れて、日々の防災の大切さについて改めて意識する機会になったかもしれない。
近年は地震や豪雨などの自然災害が多発しており、どのようなリスクがあり、どのような対策を行っていくべきか、不安を感じている人も多いことだろう。一方で、災害や防災に対する意識については地域ごとの差も大きくあるようだ。
ソニー損害保険株式会社が全国の持ち家で火災保険に加入している1,000人を対象に実施した、防災と地震保険に関する意識調査に基づく<全国エリア別防災意識ランキング>の内容を見ていきたい。
全国の持ち家で火災保険に加入している1000人を対象に、地震に関する防災意識や地震保険の加入状況の実態を聞き、全国10エリアごと(北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄)の防災に対する意識や傾向などを分析。<全国エリア別防災意識ランキング>では、家庭での地震対策として次の10項目を設定し、それぞれの項目を1ptとして、各家庭ごとの実践度を10pt満点で調査し、全国10エリア別でこの平均実践度を順位化している。
・災害発生時の避難場所/経路の確認・食料・飲料等の生活必需品の備蓄・自宅内の危険場所の確認・対策・災害時の集合方法等の家族内での定め・居住エリア周辺での災害発生リスクの確認・自治体の災害情報通知サービスの利用・地震時の火災に備えた消化器などの準備・非常用持ち出し袋等の準備・チェック・災害伝言ダイヤル等の利用方法の確認・自治体の避難/防災訓練の定期的参加
その結果、甲信越エリア(4.23pt)が最も防災意識が高く、最も防災意識が低かったのは北海道エリア(3.50pt)という数字に。
<全国エリア別防災意識ランキング>※ソニー損害保険株式会社実施1位:甲信越エリア 4.23pt2位:近畿エリア 4.22pt3位:関東エリア 4.10pt4位:東北エリア 4.06pt5位:東海エリア 4.00pt6位:四国エリア 3.98pt7位:九州・沖縄エリア 3.92pt8位:中国エリア 3.71pt9位:北陸エリア 3.62pt10位:北海道エリア 3.50pt
また、地震保険の加入率のエリア別ランキングでは、トップ3が「九州・沖縄エリア(61.0%)」「四国エリア(60.0%)」「東北エリア(59.0%)」であったのに対し、ワースト3は「近畿エリア(43.0%)」「北海道エリア(47.0%)」「北陸エリア(51.0%)」。北海道と北陸は<全国エリア別防災意識ランキング>と地震保険の加入率ともに低い傾向となった。
<地震保険加入率ランキング>※ソニー損害保険株式会社実施1位:九州・沖縄エリア 61.0%2位:四国エリア 60.0%3位:東北エリア 59.0%4位:甲信越エリア 58.0%5位:関東エリア 57.0%5位:東海エリア 57.0%5位:中国エリア 57.0%8位:北陸エリア 51.0%9位:北海道エリア 47.0%10位:近畿エリア 43.0%
また、上記の家庭での地震対策の各項目については、各家庭でどの程度実践されているのだろうか。調査によると、最も多かったのは「災害が起きたときの避難場所や避難経路の確認」で約6割(58.2%)の人が実践していると回答。一方、最も少ない回答は「避難訓練や防災訓練の参加」で約2割(21.7%)の人しか実践していないことがわかった。
内閣府では、災害の多くの場合は、その発生を予測することが不可能であり、そのため常日頃から実践的な防災訓練が不可欠だと啓発している。非難経路の確認ができていても、いざ被災した時にそのとおりに避難できるとはかぎらない。日頃から防災への意識をさらに高め、積極的に避難訓練や防災訓練には参加するようにしたいものだ。

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