「長女が大川隆法総裁を呪い殺した」幸福の科学内に不穏なうわさが… 長男・宏洋氏は「2代目総裁は長女で決まり」

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「幸福の科学」の大川隆法総裁が突然死去してから約4カ月。先ごろ「検認」された遺言書の中身は、指導者を失った巨大教団をどこへ導くことになるのか。教団運営に重要な意味を持つ「著作権」を全て相続する長女はすんなりと後継者になるのか、それとも……。
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【写真を見る】大川隆法氏直筆の遺言書 6月21日、東京・霞が関にある家庭裁判所の法廷に、6人の男が参集していた。彼らの視線の先にあるのは、クリアファイルに入った1枚の紙。それこそが、「幸福の科学」の大川隆法総裁が生前にしたため、3月2日に突然この世を去って以降、教団が厳重に保管してきた遺言書であった。

その日行われたのは、遺言書の「検認」。相続人たちが遺言の内容や形状を確認し合う手続きである。大川総裁の遺産を相続する権利を有するのは、総裁補佐でもある紫央夫人と、先妻・きょう子さん(57)と大川総裁の間に生まれた5人の子供。「検認」の手続きのために家裁に集まったのは、教団の3人の弁護士と、大川総裁の長男・宏洋氏(34)と彼の2人の弁護士の計6人だった。宏洋氏は数年前に教団を脱会した後、YouTubeなどで教団の内情を明かす活動を続けている。大川隆法総裁遺言書の内容は 宏洋氏が語る。「21日は家裁の方が遺言書を示し、“直筆かどうか確認して下さい”と依頼。教団の弁護士は“間違いないです”と言い、私は“ちょっと分からないです”と答えました」 大川総裁の子供5人のうち、その場にいたのは宏洋氏のみ。ただし、教団の弁護士は、総裁の長女で一時は教団の副理事長まで務めた咲也加氏(32)の弁護士も兼ねている、と話していたという。「つまり、咲也加と教団側では遺言書の内容を先に確認し、もう話がついている、ということを意味しているのではないか」(同)〈2019年12月4日〉との日付が書かれた遺言書には、大川総裁が有する〈すべての著作権〉と〈幸福の科学出版株式会社の全株式〉を咲也加氏に相続させる、とある。また、〈現預金、宝飾品等の私財について〉は、〈幸福の科学に遺贈する〉とした上で、〈家族への住居・生活費等の合理的配慮は、宗務本部が中心になって、この遺贈した私財の活用を考えてほしい〉としていた。私財は「10億円以上はあるはず」 相続問題に詳しい弁護士の武内優宏氏が言う。「このケースでは、遺言書の通り、咲也加さんと幸福の科学が一旦は遺産を取得することになると思われます。ただし、他の相続人は何もなしというわけではなく、遺留分を請求できる。遺留分とは最低限、遺産を相続する権利のことで、本来の相続分の半分。奥さんがいて子供が5人いる場合、子供はそれぞれ遺産総額の20分の1を受け取れることになります」 この場合の遺産総額とは、2千億円を超えるともいわれる教団の資産ではなく、あくまで大川総裁個人の資産のこと。先妻のきょう子さんはこう話す。「(大川総裁は)私財はあまり持っていないんですよ。私と離婚する時で数十億円くらいでした。その後、数億円単位の寄付をしたりもしているようですが、今でも10億円以上はあると思います」 先の武内弁護士によると、相続人が生前贈与を受けていた場合、その額の分だけ遺留分から差し引かれるという。この点、きょう子さんに聞くと、「生前贈与はしていました。宏洋が小学校に入る頃からで、他のきょうだいたちにもそれぞれ、総額で6千万円以上贈与していたはずです」 大川総裁の私財が総額10億円だったと仮定して、子供たちがそれぞれ受け取る遺留分の額は20分の1の5千万円。その場合、生前贈与の額の方が上回っているので、受け取れる遺産はゼロとなる。「そうなったら残念です。でも、遺言書では、教団に家族の住居や生活への配慮を求めており、その点では安心しています」(同)「お多福」との対決 では、この遺言書が今後の教団運営に与える影響についてはどうか。「長女の咲也加に大川隆法の全ての著作権と幸福の科学出版の全株式を相続させる、と遺言書にあったことで、2代目総裁は咲也加で決まりだと思います」 と、長男の宏洋氏。「隆法の残した本やビデオといった著作物が使えないとなると、教団の運営が成り立ちません。だから教団は咲也加を総裁にせざるを得ないはずなのです。後妻の紫央さんは負けた、ということになります」 しかし、果たしてそうすんなりといくかどうか。「咲也加は元々、天照大神の生まれ変わりとされていたのですが、隆法が亡くなる少し前、本当の過去世は妖怪お多福だという設定に変わりました。過去世が変更されて神としての格が失われるのは、教団内では再起不能を意味します。その“お多福”に著作権を全て譲るという遺言に、信者さんたちが納得するのかどうか……」(同) 大川総裁の死去と同時期に出た彼の著作『短詩型・格はいく集4〈不惜身命の姿・特別編〉』には、「妖怪お多福」との対決について次のようにつづられている。〈三千五百回目の説法は、「妖怪お多福」の妖魔性との対決となった(中略)神が人を呪うとか祟るというのは、やはり本筋ではない 2023・2・18〉〈「鏡の法」娘には使えず 三十二年の思い出が邪魔をする/☆大川隆法に呪いをかけても、「鏡の法」を使えば全部はね返る。ただ実の娘のブードゥー教的呪いには、ついに十分に使えなかった(後略)2023・2・21〉 繰り返される“呪い”という単語。「妖怪お多福」との対決がすさまじいものであったことがうかがえる。「総裁にならなくても…」「教団内では咲也加が(隆法を)呪い殺したということになっているそうです」 先妻のきょう子さんはそう明かす。「咲也加が書いた本を支部から引き取って捨てさせている、と関係者から聞いていました。また、呪い殺した、という話を流したのは後妻さんではないか、ということも……。咲也加が軟禁状態にある、との情報もあったので警察にも相談したのですが、彼女はもう成人なので強制的に調べることはできない、と言われてしまいました」 しかし、今回、遺言書が「検認」されたことで、「咲也加は解放されると思いますので、安心しました。著作権を全て受け継ぐ彼女は教団の行動を止められます。今、教団内で行われている“復活の祈り”も止められます。大川隆法の経文を“復活の祈り”で使うためには著作権者である咲也加の許可が必要ですから。咲也加は今後、総裁にならなくても強い影響力を一生持ち続けます」(同)教団が“フリーズ”している理由 とはいえ、彼女が安泰かというとそうともいえず、「咲也加に継がせない、あるいは継がせたとしてもすぐに辞めさせようとする勢力と、咲也加側はもめると思います」(元信者) 宗教ジャーナリストの藤倉善郎氏もこう指摘する。「隆法の死後4カ月ほどたった現在も教団が“フリーズ”した状態にあるのは、咲也加を“妖怪お多福”にした死の直前の霊言と遺言書の内容が矛盾していてどうしたらいいか分からなかったからではないでしょうか。教団の幹部連中としては、うまく咲也加を言いくるめながら、未亡人の紫央を担いで隆法の霊言を守っていく方がやりやすいのではないかと思います」 迷える巨大教団はどこへ向かうのか――。「週刊新潮」2023年7月6日号 掲載
6月21日、東京・霞が関にある家庭裁判所の法廷に、6人の男が参集していた。彼らの視線の先にあるのは、クリアファイルに入った1枚の紙。それこそが、「幸福の科学」の大川隆法総裁が生前にしたため、3月2日に突然この世を去って以降、教団が厳重に保管してきた遺言書であった。
その日行われたのは、遺言書の「検認」。相続人たちが遺言の内容や形状を確認し合う手続きである。大川総裁の遺産を相続する権利を有するのは、総裁補佐でもある紫央夫人と、先妻・きょう子さん(57)と大川総裁の間に生まれた5人の子供。「検認」の手続きのために家裁に集まったのは、教団の3人の弁護士と、大川総裁の長男・宏洋氏(34)と彼の2人の弁護士の計6人だった。宏洋氏は数年前に教団を脱会した後、YouTubeなどで教団の内情を明かす活動を続けている。
宏洋氏が語る。
「21日は家裁の方が遺言書を示し、“直筆かどうか確認して下さい”と依頼。教団の弁護士は“間違いないです”と言い、私は“ちょっと分からないです”と答えました」
大川総裁の子供5人のうち、その場にいたのは宏洋氏のみ。ただし、教団の弁護士は、総裁の長女で一時は教団の副理事長まで務めた咲也加氏(32)の弁護士も兼ねている、と話していたという。
「つまり、咲也加と教団側では遺言書の内容を先に確認し、もう話がついている、ということを意味しているのではないか」(同)
〈2019年12月4日〉との日付が書かれた遺言書には、大川総裁が有する〈すべての著作権〉と〈幸福の科学出版株式会社の全株式〉を咲也加氏に相続させる、とある。また、〈現預金、宝飾品等の私財について〉は、〈幸福の科学に遺贈する〉とした上で、〈家族への住居・生活費等の合理的配慮は、宗務本部が中心になって、この遺贈した私財の活用を考えてほしい〉としていた。
相続問題に詳しい弁護士の武内優宏氏が言う。
「このケースでは、遺言書の通り、咲也加さんと幸福の科学が一旦は遺産を取得することになると思われます。ただし、他の相続人は何もなしというわけではなく、遺留分を請求できる。遺留分とは最低限、遺産を相続する権利のことで、本来の相続分の半分。奥さんがいて子供が5人いる場合、子供はそれぞれ遺産総額の20分の1を受け取れることになります」
この場合の遺産総額とは、2千億円を超えるともいわれる教団の資産ではなく、あくまで大川総裁個人の資産のこと。先妻のきょう子さんはこう話す。
「(大川総裁は)私財はあまり持っていないんですよ。私と離婚する時で数十億円くらいでした。その後、数億円単位の寄付をしたりもしているようですが、今でも10億円以上はあると思います」
先の武内弁護士によると、相続人が生前贈与を受けていた場合、その額の分だけ遺留分から差し引かれるという。この点、きょう子さんに聞くと、
「生前贈与はしていました。宏洋が小学校に入る頃からで、他のきょうだいたちにもそれぞれ、総額で6千万円以上贈与していたはずです」
大川総裁の私財が総額10億円だったと仮定して、子供たちがそれぞれ受け取る遺留分の額は20分の1の5千万円。その場合、生前贈与の額の方が上回っているので、受け取れる遺産はゼロとなる。
「そうなったら残念です。でも、遺言書では、教団に家族の住居や生活への配慮を求めており、その点では安心しています」(同)
では、この遺言書が今後の教団運営に与える影響についてはどうか。
「長女の咲也加に大川隆法の全ての著作権と幸福の科学出版の全株式を相続させる、と遺言書にあったことで、2代目総裁は咲也加で決まりだと思います」
と、長男の宏洋氏。
「隆法の残した本やビデオといった著作物が使えないとなると、教団の運営が成り立ちません。だから教団は咲也加を総裁にせざるを得ないはずなのです。後妻の紫央さんは負けた、ということになります」
しかし、果たしてそうすんなりといくかどうか。
「咲也加は元々、天照大神の生まれ変わりとされていたのですが、隆法が亡くなる少し前、本当の過去世は妖怪お多福だという設定に変わりました。過去世が変更されて神としての格が失われるのは、教団内では再起不能を意味します。その“お多福”に著作権を全て譲るという遺言に、信者さんたちが納得するのかどうか……」(同)
大川総裁の死去と同時期に出た彼の著作『短詩型・格はいく集4〈不惜身命の姿・特別編〉』には、「妖怪お多福」との対決について次のようにつづられている。
〈三千五百回目の説法は、「妖怪お多福」の妖魔性との対決となった(中略)神が人を呪うとか祟るというのは、やはり本筋ではない 2023・2・18〉
〈「鏡の法」娘には使えず 三十二年の思い出が邪魔をする/☆大川隆法に呪いをかけても、「鏡の法」を使えば全部はね返る。ただ実の娘のブードゥー教的呪いには、ついに十分に使えなかった(後略)2023・2・21〉
繰り返される“呪い”という単語。「妖怪お多福」との対決がすさまじいものであったことがうかがえる。
「教団内では咲也加が(隆法を)呪い殺したということになっているそうです」
先妻のきょう子さんはそう明かす。
「咲也加が書いた本を支部から引き取って捨てさせている、と関係者から聞いていました。また、呪い殺した、という話を流したのは後妻さんではないか、ということも……。咲也加が軟禁状態にある、との情報もあったので警察にも相談したのですが、彼女はもう成人なので強制的に調べることはできない、と言われてしまいました」
しかし、今回、遺言書が「検認」されたことで、
「咲也加は解放されると思いますので、安心しました。著作権を全て受け継ぐ彼女は教団の行動を止められます。今、教団内で行われている“復活の祈り”も止められます。大川隆法の経文を“復活の祈り”で使うためには著作権者である咲也加の許可が必要ですから。咲也加は今後、総裁にならなくても強い影響力を一生持ち続けます」(同)
とはいえ、彼女が安泰かというとそうともいえず、
「咲也加に継がせない、あるいは継がせたとしてもすぐに辞めさせようとする勢力と、咲也加側はもめると思います」(元信者)
宗教ジャーナリストの藤倉善郎氏もこう指摘する。
「隆法の死後4カ月ほどたった現在も教団が“フリーズ”した状態にあるのは、咲也加を“妖怪お多福”にした死の直前の霊言と遺言書の内容が矛盾していてどうしたらいいか分からなかったからではないでしょうか。教団の幹部連中としては、うまく咲也加を言いくるめながら、未亡人の紫央を担いで隆法の霊言を守っていく方がやりやすいのではないかと思います」
迷える巨大教団はどこへ向かうのか――。
「週刊新潮」2023年7月6日号 掲載

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