「男女一緒の水泳授業」中高生から賛否の声 思春期ならではの悩みも…鈴木大地氏「地域、学校に応じたやり方でしっかり教育していくことが大事」

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7月に入り、多くの学校で水泳の授業が始まりました。
そんな中、SNSなどを中心に、水泳の授業を男女一緒に行うことに賛否の声が上がっています。
実際に街で中高生に「男女一緒の水泳授業」をどう思っているか聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
【反対】高校1年生の女子生徒:(男子と一緒は)恥ずかしい。反対、反対、かなり反対!体形見られるのは嫌ですね。気になりますね。
【賛成】高校2年の男子生徒:僕は賛成ですね。男女共に関係なく、楽しくみんなでやっていけたらなと。
【どちらでもない】高校1年生の女子生徒:やっぱりやりづらいところはあるんですけど、昔からそうだったって考えれば、普通かなみたいな。
学生たちの間でも、意見は様々。都内の中学・高校に緊急アンケートを行い、教育現場の本音を取材しました。
めざまし8が、都内で水泳の授業を実施している中学校・高校それぞれ10校にアンケートを行った結果、水泳の授業を「男女一緒に実施している」と答えたのは9校、別々に実施していると答えたのは11校でした。
男女一緒に実施している学校に、「分けてほしい」という声に対してどのような対応をしているか聞いたところ、「男女間のレーンを一つ空ける」「体操は背中合わせでお互いを見せない」といった対策をしているということでした。
男女別に実施している学校によると、分けている理由としては次のような回答が。・体力差に応じた指導ができるため・異性の視線を気にせずに運動に打ち込むため
逆に、男女一緒に実施している学校は、こういった理由があると言います。・施設に限りがあり授業時間を確保するため・推奨されている男女共習施策のため
では、中高生は水泳の授業をどう思っているのか?めざまし8が中高生100人に行ったアンケートでは、好きと答えたのが42%、嫌いが36%、どちらでもないが22%でした。
また、男女一緒に水泳の授業を行うことに賛成と答えたのは17%、反対は38%、どちらでもないが45%。
水泳の授業そのものに関しては好意的な意見が多いものの、男女一緒に授業を行うことは反対であるという意見が多いという結果になりました。
女子生徒からは、「運動神経の差もあるので、あまり一緒にする必要もない」「見学をするときに、理由を聞かれてしまうのが嫌だ」という意見が。
男子生徒からも、「肌荒れがひどくて休みたかった」「泳げない姿を見られてしまい、女子にからかわれてしまった」という、思春期ならではの悩みもあるといいます。
元水泳選手で初代スポーツ庁長官でもあった鈴木大地氏は、今回の賛否の声に対して「水泳のスキルは非常に大切であり、泳げることが大事」と前置きした上で、このように話します。
鈴木大地氏:どのようにやれば良い授業ができるのかという観点の中で出てきた話だと思いますが、基本的には、確かに女子の気持ちになってみたら、恥ずかしいなという気持ちも分かります。しかし、効率の問題や教員のシフトの問題、そういうので一緒にやらざるを得ないという状況なんだと思います。今、水泳は子供の習い事ナンバーワンなんです。割と男子と女子の差もないので、一緒にやろうと思えばできる。ただ、色々なことを配慮しようとすると別々にやった方がいい。いろんな意見があって当然だと思いますし、地域、学校に応じたやり方でしっかり教育をしていただくことが大事かなと思います。
今後、学校側はどのような対応が求められていくのでしょうか?水泳教育に詳しい鳴門教育大学の松井敦典教授は、水泳時の格好に関しても柔軟な考えを持つ必要があるといいます。
鳴門教育大学 松井敦典教授:最近、色々な学校に行ったりしているんですけども、子供たちは当たり前のようにラッシュガードを着て水泳の授業を受けています。日焼け止め対策などもあるんですけど、ラッシュガードの着用を認めると。水中運動に適した格好で実技を実施するということが見いだされていれば、そういうことを認めていくのが大事だと思います。
(「めざまし8」7月6日放送)

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