暑い夏、熱中症ご注意 死者8割エアコン使用せず

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東京電力管内で1日、政府の節電要請が始まった。
ただ、気象庁によると、この夏は平年と比べ、日本列島の広域で高温となる傾向が見込まれており、熱中症対策は必須だ。過去の熱中症による死者の多くがエアコンを使用しておらず、専門家は適切な使用を呼び掛けている。
気象庁は7~9月の気温について、暖かい空気に覆われやすいため、東日本では平年並みか高く、西日本や沖縄・奄美では高いと予想している。7月は北・東日本ではほぼ平年並み、西日本は平年並みか高く、沖縄・奄美は高い見込み。8月は、ほぼ平年並みの北日本以外は高いと見込まれている。9月も、ほぼ平年並みの北日本以外は平年並みか高いという予想だ。
民間気象会社「ウェザーニューズ」によると、7月下旬から8月上旬はフィリピン近海の対流活動が活発となり、西日本や沖縄を中心に太平洋高気圧の勢力が強まり、暑さのピークに。また、9月になっても日本付近には南から暖かい空気が流れ込みやすいため、前半を中心に残暑が厳しい見込みだ。気象庁は全般に高温傾向が予測されることから、十分な熱中症対策を呼び掛けている。
熱中症は高温多湿の状態に体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発症。東京都監察医務院によると、令和3年夏の東京23区における熱中症の屋内死亡者のうち8割以上がエアコンを使っていなかったか、設置していなかった。
日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクトリーダー、泉沢里帆さんは「熱中症の対策の一つは身の回りの環境を涼しくすること」としてエアコンの使用を推奨。夜間でも、日中の日差しによって家屋が暖まることで、就寝中に熱中症を引き起こす可能性がある。
泉沢さんは「高齢者は冷えが気になり窓を開けることが多いが、それだけでは室温は下がらない。空気を循環させるサーキュレーターとエアコンを併用してほしい」と呼び掛けた。(吉沢智美)

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