川転落の男性、目が動いた?「生きてるぞ」…通りがかりの英国人ら救助

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

茨城県常陸太田市の川に転落して動けずにいた高齢者が先月、近隣の住民らに救助された。
発見が遅ければ手遅れだった状況。一命を取り留めたのは、とっさの判断と連係プレーだった。
4月12日午前7時半頃、同市久米町の「引田木工所」の社員が、近くの国道脇の約2・5メートル下を流れる湯の沢川に自転車が落ちているのを見つけた。水深は10センチほどで、少し離れた場所には男性(87)があおむけに倒れていた。
「もう亡くなっているだろう」。そう思いながら、社員が「おっちゃん、おっちゃん」と声をかけ、引田勝則社長(52)は消防に連絡。そこに子供を小学校に送った途中の英国人で伐採業ロス・マーティンさん(44)が通りかかった。
靴を脱ぎ、携帯電話と財布を置いて川に入るマーティンさん。その時、男性の目が動いたように見えた。「生きてるぞ」。社員の1人が業務用のパレット(荷台)を川に投げ入れた。パレットに男性を載せ、ぬれた服を脱がしてマーティンさんの上着で包み、木工所にあった毛布やブルーシートで覆って救急車の到着を待った。
男性は低体温症になって今も入院中だが、大きなけがはないという。
8日に太田署で感謝状を贈られたマーティンさんは「川から出して体を温めなければと思った」と語り、引田社長は「社員が一丸となって動き、助かって本当に良かった」と振り返った。関口一正署長は「早期の通報と毛布などの提供、そして川に飛び込んでくれたおかげで命が救われた」とたたえた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。