新入社員が連休明けに「仕事辞めたい」。5月病で気を付けるべき4つのポイント

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多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、業務内容や職場環境など、人により理由はさまざまだが、せっかく就職したにもかかわらず、すぐに退職してしまう人もいる。 5月といえば、「5月病」。新入社員はもちろん、多くの会社員がふと「仕事辞めたい」なんて思うもの–。
社会保険労務士法人レクシード代表の鈴木教大(すずきのりひろ)と申します。私は、特定社会保険労務士として沖縄から青森まで数百社にのぼる企業から顧問を依頼され、労使トラブルにおける解決策提示・予防措置提案などを行ってきました。
5月病の問題は毎年のことながら少なからず発生しており、ゴールデンウィークを過ぎたあたりから相談やアドバイスを求める連絡が増える印象です。今回は、私自身が様々な企業へアドバイスをしてきた経験から原因と対策についてお話させていただきます。
◆ゴールデンウィークが明けてから「5月病」にならないためには? 5月病とは、新しい環境や生活リズムに適応するために生じるストレス反応のことを指します。一般的には、新卒の社員が入社1か月後、5月頃に起こることから「5月病」と呼ばれることが多いのですが、実際には他の季節でも同様の症状が見られることがあります。
主な症状としては、不眠、体のだるさや倦怠感、食欲不振、イライラや不安感などが挙げられます。また、頭痛やめまい、胃腸の不調など、身体的な不調が現れることもあり、病院ではうつ病の診断をくだされることもあります。
私が社労士業務を行ってきたうえでの肌感覚にはなりますが、5月~9月にかけてうつ病の診断をされ休業することにより傷病手当金の申請をされるケースが多い印象です。また、5月病になってしまう人の特徴としては、ストレスに弱い人や睡眠不足が続いている人、季節の変化に敏感な人、新しい業務になかなか順応できない人がなりやすい傾向にあります。 では、5月病にならないよう、やめるべき行動習慣とはなんでしょうか。
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1つ目として睡眠不足があります。5月病はストレスからくる身体的な不調が原因とされています。睡眠不足は身体に負担をかけストレスを増大させるため、十分な睡眠を確保することが重要です。
しかし昨今、スマートフォンやパソコンを夜中遅くまで使用することにより、いつの間にか睡眠不足になってしまう事例を多く聞いています。とくに最近ではオンラインゲームを長時間行っている方が5月病になりやすい印象です。
最近ではオンラインで友達とつながって一緒にゲームができるわけですが、ゴールデンウィークなど長期間にも及ぶ休暇を利用して長時間ゲームに没頭した結果、ゴールデンウィーク後にその習慣から抜け出せず、体調を崩すことが多いようです。
長期間の休暇中であっても規則正しい生活をする必要がありますし、休暇は個人の自由な時間であったとしても、“仕事で最良のパフォーマンスを発揮するためにリフレッシュする期間”であるという認識を持つことも重要ではないでしょうか。
◆運動不足 2つ目として、体を動かさないということも原因と考えられます。先の例でもお話しましたが、長期のゴールデンウィークなどの休暇中に引きこもってスマートフォンやパソコンでオンラインゲームに没頭するあまり、運動不足になる人が多い印象です。

◆8鋲 3つ目として、孤独な環境下で長期間いることです。5月病は新しい環境に適応することがストレスとなるため、孤独でいることは5月病を悪化させる要因となります。できるだけ社員同士の交流を促す取り組みを行い、社員が自分たちの仕事や環境について話し合える場を設けることが重要です。
最近ではテレワーク中心の働き方から、同僚とのコミュニケーションがうまく取れずに悩んでいる方も少なくありません。普段から何気ない会話を意識して交わすようにするなどして、相手の異変を早めに察知してあげましょう。
“他の人から気にかけてもらっている”ということを実感できるだけでも予防につながります。また、職場外での飲み会やスポーツなどを通してのコミュニケーションも積極的に導入していくと良いです。孤独な環境下にいると、大きなストレスを感じたときに自分だけで抱え込んでしまいます。相談する相手がいないと、マイナスのことばかり考えて、うつ状態に陥ってしまう事例を数多く見てきました。専門家のカウンセリングを受けたり、社内で気軽に相談できる人を作っておくことも大切です。
◆げ畩蠅紛般確漫δ校間労働 4つ目として、過剰な業務量を任されたり長時間労働が原因になることも。過剰な業務量や長時間労働は、身体的な疲労やストレスを増大させ、5月病の発生を促すことがあります。ワークライフバランスを改善することや勤務間インターバルが社員のストレスや疲労軽減につながるため、職場としては、業務量や労働時間を見直すことが重要です。
◆新入社員には早めの声かけが大事 このように、ゴールデンウィーク後など、大きく環境が変わるタイミングは5月病になってしまうリスクが大きくあります。とくに新入社員には、できるだけ周りの人たちが気にかけながら、異変があれば早めに声をかけるなどの対応をする必要があるでしょう。 <文/鈴木教大(社会保険労務士法人レクシード)>
―[専門家が教える「5月病の原因と対策」]―

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