57歳と64歳の夫婦がコロナ禍「地方移住」して大後悔…!よそ者を締め出しにかかった「恐怖の自治会」のヤバすぎる実態

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2014年、有識者による民間研究機関「日本創生会議」は、人口流出や少子高齢化により存続が不可能になる自治体、いわゆる「消滅可能性都市」が896あると発表した。日本は1800ほどの市区町村で成り立っており、この896という数字は半数以上にあたる。
過疎化が進む地方に対し、東京圏は日本の人口の約3割が暮らすという一極集中の過密状態であり、地方と都会の格差は広がるばかり。
「格差は社会や経済の歪みを生じさせ、国力の低下を招きかねない」と政府は「地方創生」を掲げ、本格的に地方活性化への取り組みを始めるが、その第一歩となったのが「地方移住の促進」だった。PHOTO:iStockこれにより各自治体は起死回生をかけたプロモーションを展開。あの手この手で移住者の獲得に励むのだが、その結果、地元住民と移住者の間に軋轢が生じることも珍しくなく、「地域に馴染めず結局都会に戻るはめになった」例も少なくない。今回はまさにその実例である、あるご夫婦の話を知って頂こうと思う。夫の定年を機に地方へ移住佐伯恭子さん(仮名・57歳)は製薬会社に勤めていた夫・太一さん(仮名・64歳)の定年に伴い、甲信越地方のある町に移住した。「昔から夫が『定年後は田舎暮らしがしたい』と言い、旅行がてらあちこちを見て回っていました。そこで毎回私が感じていたのは『旅行者として訪れるには良いけど、実際に住んでみるとどうなのかな?』ということ。東京生まれ、東京育ちの私と夫にとって、あまりに環境が違い過ぎるからです」(恭子さん。以下同)そんな恭子さんの不安を太一さんは「考えすぎだよ」と言って取り合わない。 「田舎暮らしが嫌だからと言って離婚するわけにも行かないし、死ぬまで息子たちに面倒を見てもらうわけにも行かないので、諦めて夫に従うことにしました。場所も夫の一存で決まりました。山と川に囲まれた自然豊かなところです。地元の方と交流するためにコミュニティセンターや商店街に行ってみたりもしました。役場で移住の相談をした時も歓迎ムードで迎えられ、夫がすっかりその気になったんです」同居していた長男夫婦に自宅を譲った佐伯さん夫婦は、移住先に終の棲家のつもりで家を建てた。田舎に渦巻く「自治会」の存在感地方に嫁いだ友人に移住のことを報告した際、「田舎の自治会は付き合いが大変だから、絶対入らない方がいい」とアドバイスされた恭子さん。引っ越しの片付けも終わり、転入手続きのために出かけた役場で「この住所ですと●●自治会になります。会長さんのお宅に挨拶に行ってくださいね。えっと確か会長さんの住所は…」と一方的に告げられて面食らった。「なんかもう焦っちゃって、『あの、自治会の入会は強制じゃないんですよね?』と確認したんですよ。そうしたら、まあ、歯切れが悪い感じではあったんですが、『…それはそうですけど』と言われたので『でしたら入りません』って伝えたんです。向こうは『…そうですか』と言って複雑そうな表情をしてましたね」その後、恭子さんと太一さんは連れだって近所へ挨拶回りに行くのだが、どの家でも自治会の話題が出たという。 「一番多かったのが『自治会の会長さんのところには挨拶に行かれましたか?』という質問でした。皆さん、自治会に入るのが当然みたいに考えてるらしく『うちは自治会に入らないことにしたんです』と言うと、表情がサッと変わるんです。『そうなんですね』と苦笑いをする人もいましたけど、絶句したまま黙ってしまったり、眉間にしわを寄せたりと、あからさまに引いてる人もいました。『何でそこまで?』と多少の不安は残りましたが『普通に近所付き合いをすればいいんじゃない?』と夫も言いましたし、その時はあまり深く考えなかったんです」「自治会」というワードに絡む、役場と住民の反応を軽視して新生活をスタートさせた佐伯さん夫婦は数日後「自治会」の怖さを知ることになる。後編『「ごみは捨てられませんよ」「スーパーの駐車場も有料ですから」地方移住した64歳夫婦が喰らった「恐怖の自治会」による壮絶よそ者イジメ』に続く。
「格差は社会や経済の歪みを生じさせ、国力の低下を招きかねない」と政府は「地方創生」を掲げ、本格的に地方活性化への取り組みを始めるが、その第一歩となったのが「地方移住の促進」だった。
PHOTO:iStock
これにより各自治体は起死回生をかけたプロモーションを展開。あの手この手で移住者の獲得に励むのだが、その結果、地元住民と移住者の間に軋轢が生じることも珍しくなく、「地域に馴染めず結局都会に戻るはめになった」例も少なくない。
今回はまさにその実例である、あるご夫婦の話を知って頂こうと思う。
佐伯恭子さん(仮名・57歳)は製薬会社に勤めていた夫・太一さん(仮名・64歳)の定年に伴い、甲信越地方のある町に移住した。
「昔から夫が『定年後は田舎暮らしがしたい』と言い、旅行がてらあちこちを見て回っていました。そこで毎回私が感じていたのは『旅行者として訪れるには良いけど、実際に住んでみるとどうなのかな?』ということ。東京生まれ、東京育ちの私と夫にとって、あまりに環境が違い過ぎるからです」(恭子さん。以下同)
そんな恭子さんの不安を太一さんは「考えすぎだよ」と言って取り合わない。
「田舎暮らしが嫌だからと言って離婚するわけにも行かないし、死ぬまで息子たちに面倒を見てもらうわけにも行かないので、諦めて夫に従うことにしました。場所も夫の一存で決まりました。山と川に囲まれた自然豊かなところです。地元の方と交流するためにコミュニティセンターや商店街に行ってみたりもしました。役場で移住の相談をした時も歓迎ムードで迎えられ、夫がすっかりその気になったんです」同居していた長男夫婦に自宅を譲った佐伯さん夫婦は、移住先に終の棲家のつもりで家を建てた。田舎に渦巻く「自治会」の存在感地方に嫁いだ友人に移住のことを報告した際、「田舎の自治会は付き合いが大変だから、絶対入らない方がいい」とアドバイスされた恭子さん。引っ越しの片付けも終わり、転入手続きのために出かけた役場で「この住所ですと●●自治会になります。会長さんのお宅に挨拶に行ってくださいね。えっと確か会長さんの住所は…」と一方的に告げられて面食らった。「なんかもう焦っちゃって、『あの、自治会の入会は強制じゃないんですよね?』と確認したんですよ。そうしたら、まあ、歯切れが悪い感じではあったんですが、『…それはそうですけど』と言われたので『でしたら入りません』って伝えたんです。向こうは『…そうですか』と言って複雑そうな表情をしてましたね」その後、恭子さんと太一さんは連れだって近所へ挨拶回りに行くのだが、どの家でも自治会の話題が出たという。 「一番多かったのが『自治会の会長さんのところには挨拶に行かれましたか?』という質問でした。皆さん、自治会に入るのが当然みたいに考えてるらしく『うちは自治会に入らないことにしたんです』と言うと、表情がサッと変わるんです。『そうなんですね』と苦笑いをする人もいましたけど、絶句したまま黙ってしまったり、眉間にしわを寄せたりと、あからさまに引いてる人もいました。『何でそこまで?』と多少の不安は残りましたが『普通に近所付き合いをすればいいんじゃない?』と夫も言いましたし、その時はあまり深く考えなかったんです」「自治会」というワードに絡む、役場と住民の反応を軽視して新生活をスタートさせた佐伯さん夫婦は数日後「自治会」の怖さを知ることになる。後編『「ごみは捨てられませんよ」「スーパーの駐車場も有料ですから」地方移住した64歳夫婦が喰らった「恐怖の自治会」による壮絶よそ者イジメ』に続く。
「田舎暮らしが嫌だからと言って離婚するわけにも行かないし、死ぬまで息子たちに面倒を見てもらうわけにも行かないので、諦めて夫に従うことにしました。場所も夫の一存で決まりました。山と川に囲まれた自然豊かなところです。地元の方と交流するためにコミュニティセンターや商店街に行ってみたりもしました。役場で移住の相談をした時も歓迎ムードで迎えられ、夫がすっかりその気になったんです」
同居していた長男夫婦に自宅を譲った佐伯さん夫婦は、移住先に終の棲家のつもりで家を建てた。
地方に嫁いだ友人に移住のことを報告した際、「田舎の自治会は付き合いが大変だから、絶対入らない方がいい」とアドバイスされた恭子さん。
引っ越しの片付けも終わり、転入手続きのために出かけた役場で「この住所ですと●●自治会になります。会長さんのお宅に挨拶に行ってくださいね。えっと確か会長さんの住所は…」と一方的に告げられて面食らった。
「なんかもう焦っちゃって、『あの、自治会の入会は強制じゃないんですよね?』と確認したんですよ。そうしたら、まあ、歯切れが悪い感じではあったんですが、『…それはそうですけど』と言われたので『でしたら入りません』って伝えたんです。向こうは『…そうですか』と言って複雑そうな表情をしてましたね」
その後、恭子さんと太一さんは連れだって近所へ挨拶回りに行くのだが、どの家でも自治会の話題が出たという。
「一番多かったのが『自治会の会長さんのところには挨拶に行かれましたか?』という質問でした。皆さん、自治会に入るのが当然みたいに考えてるらしく『うちは自治会に入らないことにしたんです』と言うと、表情がサッと変わるんです。『そうなんですね』と苦笑いをする人もいましたけど、絶句したまま黙ってしまったり、眉間にしわを寄せたりと、あからさまに引いてる人もいました。『何でそこまで?』と多少の不安は残りましたが『普通に近所付き合いをすればいいんじゃない?』と夫も言いましたし、その時はあまり深く考えなかったんです」「自治会」というワードに絡む、役場と住民の反応を軽視して新生活をスタートさせた佐伯さん夫婦は数日後「自治会」の怖さを知ることになる。後編『「ごみは捨てられませんよ」「スーパーの駐車場も有料ですから」地方移住した64歳夫婦が喰らった「恐怖の自治会」による壮絶よそ者イジメ』に続く。
「一番多かったのが『自治会の会長さんのところには挨拶に行かれましたか?』という質問でした。皆さん、自治会に入るのが当然みたいに考えてるらしく『うちは自治会に入らないことにしたんです』と言うと、表情がサッと変わるんです。『そうなんですね』と苦笑いをする人もいましたけど、絶句したまま黙ってしまったり、眉間にしわを寄せたりと、あからさまに引いてる人もいました。『何でそこまで?』と多少の不安は残りましたが『普通に近所付き合いをすればいいんじゃない?』と夫も言いましたし、その時はあまり深く考えなかったんです」
「自治会」というワードに絡む、役場と住民の反応を軽視して新生活をスタートさせた佐伯さん夫婦は数日後「自治会」の怖さを知ることになる。
後編『「ごみは捨てられませんよ」「スーパーの駐車場も有料ですから」地方移住した64歳夫婦が喰らった「恐怖の自治会」による壮絶よそ者イジメ』に続く。

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