【小嶋 悠紀】発達障害の子が「順番を守れない」…実は「根本的な原因」があった! 叱るだけでは意味がない

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2022年12月、文部科学省は「通常学級に在籍する公立小中学生の8.8%に発達障害の可能性がある」という調査結果を発表し、大きなニュースとなりました。立ち歩きする、イライラしやすい、友達に手をあげる――ともすると「問題児」として扱われてしまう子どもたちにどのような声かけ・接し方をすればよいのでしょうか。
小嶋悠紀さんが上梓し、発売前から増刷が決まった話題の本『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』から紹介します。小嶋さんは特別支援教育のセミナー講師として全国で活躍中の元小学校教諭。現場で実際に役立った見方、考え方やスキルだけを厳選しました(イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)。
『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
順番を守れない子には順番を待てない子は本当にたくさんいます。順番を守るよう、教えてあげなければいけませんが、ただ単に「順番を守らなきゃダメ!」と叱るだけでは意味がありません。発達障害がある子は、そもそも「順番は守るものだ」ということがわかっていない場合もあるため、理解してもらえないのです。次ページで、ユウトくんという男子児童が、ブランコの順番を抜かしたときの支援例を紹介します。大切なのは、穏やかに呼び寄せて、「順番がある」ということと、「何番目にのれるか」をていねいに説明してあげることです。子どもへの教え方順番を抜かした子どもに興奮した様子が見られる場合は、待つように伝えるのではなく、「順番を待ちますか? それとも、別の遊びをしますか?」と選択させたほうがいいこともあるので、状況に応じて使いわけてください。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より 「待ち方」を絵で教える順番を守れない子には、必要に応じて「待ち方」を教えなければいけません。「何をすれば順番を守ったことになるのか」がわかっていない、という子もいるからです。また、発達障害の子は、「やりたい!」という気持ちが強いと、列をつくって待っている人がいても、まったく目に入らなくなってしまう場合があります。だから、順番を守るためには、「列の最後尾の人のあとに並んでいなければならない」ということを、わかりやすく伝える必要があります。 たとえば前項で登場したユウトくんにブランコの順番の待ち方を教えるなら、まず「ブランコを待っている」という設定を視覚的に示した絵を用意します。下のようなイラストで再現してもらいましたが、もっと簡単なものでも構いません。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より【順番の守り方を教えるときに使う絵の一例】たとえば、「何人かがブランコを待っている」という状況を表現するのであれば、上のような簡単な絵を用意する。いちばん後ろの人物をほかの人より濃く描いて名前をつけ、目立つようにしておくのがポイント。これによって「最後尾」という概念を教えやすくなる。そして絵が用意できたら、次のページのような手順で子どもに教えます。(1)「○か×か」のようなはっきりした表現で、順番を抜かすのは悪いことだと伝えます(2)「最後尾の人を探して並ぶ」のが順番を守ることだと教えます (3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
順番を待てない子は本当にたくさんいます。順番を守るよう、教えてあげなければいけませんが、ただ単に「順番を守らなきゃダメ!」と叱るだけでは意味がありません。
発達障害がある子は、そもそも「順番は守るものだ」ということがわかっていない場合もあるため、理解してもらえないのです。
次ページで、ユウトくんという男子児童が、ブランコの順番を抜かしたときの支援例を紹介します。大切なのは、穏やかに呼び寄せて、「順番がある」ということと、「何番目にのれるか」をていねいに説明してあげることです。
順番を抜かした子どもに興奮した様子が見られる場合は、待つように伝えるのではなく、
「順番を待ちますか? それとも、別の遊びをしますか?」
と選択させたほうがいいこともあるので、状況に応じて使いわけてください。
『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より 「待ち方」を絵で教える順番を守れない子には、必要に応じて「待ち方」を教えなければいけません。「何をすれば順番を守ったことになるのか」がわかっていない、という子もいるからです。また、発達障害の子は、「やりたい!」という気持ちが強いと、列をつくって待っている人がいても、まったく目に入らなくなってしまう場合があります。だから、順番を守るためには、「列の最後尾の人のあとに並んでいなければならない」ということを、わかりやすく伝える必要があります。 たとえば前項で登場したユウトくんにブランコの順番の待ち方を教えるなら、まず「ブランコを待っている」という設定を視覚的に示した絵を用意します。下のようなイラストで再現してもらいましたが、もっと簡単なものでも構いません。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より【順番の守り方を教えるときに使う絵の一例】たとえば、「何人かがブランコを待っている」という状況を表現するのであれば、上のような簡単な絵を用意する。いちばん後ろの人物をほかの人より濃く描いて名前をつけ、目立つようにしておくのがポイント。これによって「最後尾」という概念を教えやすくなる。そして絵が用意できたら、次のページのような手順で子どもに教えます。(1)「○か×か」のようなはっきりした表現で、順番を抜かすのは悪いことだと伝えます(2)「最後尾の人を探して並ぶ」のが順番を守ることだと教えます (3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より
「待ち方」を絵で教える順番を守れない子には、必要に応じて「待ち方」を教えなければいけません。「何をすれば順番を守ったことになるのか」がわかっていない、という子もいるからです。また、発達障害の子は、「やりたい!」という気持ちが強いと、列をつくって待っている人がいても、まったく目に入らなくなってしまう場合があります。だから、順番を守るためには、「列の最後尾の人のあとに並んでいなければならない」ということを、わかりやすく伝える必要があります。 たとえば前項で登場したユウトくんにブランコの順番の待ち方を教えるなら、まず「ブランコを待っている」という設定を視覚的に示した絵を用意します。下のようなイラストで再現してもらいましたが、もっと簡単なものでも構いません。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より【順番の守り方を教えるときに使う絵の一例】たとえば、「何人かがブランコを待っている」という状況を表現するのであれば、上のような簡単な絵を用意する。いちばん後ろの人物をほかの人より濃く描いて名前をつけ、目立つようにしておくのがポイント。これによって「最後尾」という概念を教えやすくなる。そして絵が用意できたら、次のページのような手順で子どもに教えます。(1)「○か×か」のようなはっきりした表現で、順番を抜かすのは悪いことだと伝えます(2)「最後尾の人を探して並ぶ」のが順番を守ることだと教えます (3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
順番を守れない子には、必要に応じて「待ち方」を教えなければいけません。「何をすれば順番を守ったことになるのか」がわかっていない、という子もいるからです。また、発達障害の子は、「やりたい!」という気持ちが強いと、列をつくって待っている人がいても、まったく目に入らなくなってしまう場合があります。だから、順番を守るためには、「列の最後尾の人のあとに並んでいなければならない」ということを、わかりやすく伝える必要があります。
たとえば前項で登場したユウトくんにブランコの順番の待ち方を教えるなら、まず「ブランコを待っている」という設定を視覚的に示した絵を用意します。下のようなイラストで再現してもらいましたが、もっと簡単なものでも構いません。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より【順番の守り方を教えるときに使う絵の一例】たとえば、「何人かがブランコを待っている」という状況を表現するのであれば、上のような簡単な絵を用意する。いちばん後ろの人物をほかの人より濃く描いて名前をつけ、目立つようにしておくのがポイント。これによって「最後尾」という概念を教えやすくなる。そして絵が用意できたら、次のページのような手順で子どもに教えます。(1)「○か×か」のようなはっきりした表現で、順番を抜かすのは悪いことだと伝えます(2)「最後尾の人を探して並ぶ」のが順番を守ることだと教えます (3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
たとえば前項で登場したユウトくんにブランコの順番の待ち方を教えるなら、まず「ブランコを待っている」という設定を視覚的に示した絵を用意します。下のようなイラストで再現してもらいましたが、もっと簡単なものでも構いません。
『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より
【順番の守り方を教えるときに使う絵の一例】たとえば、「何人かがブランコを待っている」という状況を表現するのであれば、上のような簡単な絵を用意する。いちばん後ろの人物をほかの人より濃く描いて名前をつけ、目立つようにしておくのがポイント。これによって「最後尾」という概念を教えやすくなる。
そして絵が用意できたら、次のページのような手順で子どもに教えます。
「○か×か」のようなはっきりした表現で、順番を抜かすのは悪いことだと伝えます
(2)「最後尾の人を探して並ぶ」のが順番を守ることだと教えます (3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
「最後尾の人を探して並ぶ」のが順番を守ることだと教えます
(3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
(3)視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
視覚的に教えたほうが確実に伝わるので、絵を活用しましょう
(4)最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
最後に、落ち着いて待つための方法を子どもと相談し、いい案がなければ大人が提案します。
* * *本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)
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本記事では、順番を守れない子どもへの支援例を紹介しました。記事後編【「非を認めない」「突然暴言を発する」思わずイラッとしてしまう発達障害の子の態度、意外な接し方があった】に続きます。
『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)

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