スピード違反で青切符受け取り拒否して大丈夫? 議員の「ガン無視対応」が文春報道で話題

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政治家女子48党(旧NHK党)副党首で、ガーシー氏の後任として繰り上げ当選した齊藤健一郎参院議員が2022年7月、千葉市内で自動車を運転中にスピード違反で警察に摘発されたが、交通反則切符の作成を拒んだうえ、警察による複数回の出頭要請にも応じていなかったと「文春オンライン」(4月3日)で報じられた。
報道によると、齊藤議員は法定速度を約20キロ超過するスピードで走行していたとして、警察から指摘を受けたという。車両停止には応じたものの、スピード違反をしたことは認めず、交通反則切符の作成などを拒否したようだ。
その後、齊藤議員は違反から8カ月後の3月25日に自ら警察に連絡し、スピード違反を認めるとともに、反則金の支払いなどに応じる意向を示したという。
仮に、署名を拒否してその場から立ち去ったり、切符を捨てて反則金をいつまでも支払わずにいたりするとどうなるのか。
交通反則切符をきられて反則金を支払うという一連の手続きは「交通反則通告制度」によるものだ。
比較的軽微な道路交通法違反については、通常の刑事手続きで責任を追及するのではなく、簡易迅速な行政手続である反則金の納付で事件が終結する。反則金を支払っても前科がつくことはない。
裏を返せば、反則金を支払わないままでいれば、納付期間が経過した後、起訴されて刑事訴訟に発展することがあるということだ。有罪判決を受ければ、前科にもなりうる。
なお、齊藤議員は交通反則切符の作成も拒んでいたとのことだが、切符作成や切符受領を拒否しても警察が反則者に該当すると認定したことには変わりない。
拒否したこと自体に特にペナルティはないが、「交通反則通告制度」による手続きを拒否したものとして、最後まで反則金を支払わなかった場合と同様、原則刑事事件として処理されることになる。
●いったん反則金を支払うと「無実」争えなくなる「自分は絶対に違反していない、無実だ」と主張したい場合にはどうすればいいか。判例は、反則金を支払った後で反則行為の通告という行政処分の適否を「行政訴訟」で争うことを認めていないとしたうえで、そのような主張をしたい場合には「反則金を納付せず、後に公訴が提起されたときにこれによって開始された刑事手続の中でこれを争い、これについて裁判所の審判を求める途を選ぶべきであるとしているものと解するのが相当」と判断している(最高裁昭和57年7月15日判決)。つまり、「無実」を主張するなら、切符作成・受領を拒否、あるいは反則金を支払わないことで、「交通反則通告制度」による手続きを拒み、刑事手続きに進んで争う必要がある。齊藤議員が反則金を支払っていなかったとする事情は不明だが、仮にスピード違反はしていなかったと無実を主張するためならば、少なくともその対応自体は誤りではないといえる。ただし、交通反則通告制度による手続きを拒否するということは、原則刑事事件として扱われることになるため、捜査する警察からの出頭要請を拒否し続けていると、場合によっては逮捕されるおそれもゼロではない。過去には逮捕事例が報じられたこともある。無実を主張したいとしても、出頭要請には応じた方が無難だろう。
「自分は絶対に違反していない、無実だ」と主張したい場合にはどうすればいいか。
判例は、反則金を支払った後で反則行為の通告という行政処分の適否を「行政訴訟」で争うことを認めていないとしたうえで、そのような主張をしたい場合には「反則金を納付せず、後に公訴が提起されたときにこれによって開始された刑事手続の中でこれを争い、これについて裁判所の審判を求める途を選ぶべきであるとしているものと解するのが相当」と判断している(最高裁昭和57年7月15日判決)。
つまり、「無実」を主張するなら、切符作成・受領を拒否、あるいは反則金を支払わないことで、「交通反則通告制度」による手続きを拒み、刑事手続きに進んで争う必要がある。
齊藤議員が反則金を支払っていなかったとする事情は不明だが、仮にスピード違反はしていなかったと無実を主張するためならば、少なくともその対応自体は誤りではないといえる。
ただし、交通反則通告制度による手続きを拒否するということは、原則刑事事件として扱われることになるため、捜査する警察からの出頭要請を拒否し続けていると、場合によっては逮捕されるおそれもゼロではない。
過去には逮捕事例が報じられたこともある。無実を主張したいとしても、出頭要請には応じた方が無難だろう。

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