鳥取タクシー強盗殺人、有力情報に報奨金300万円も…犯人の靴はコンバース?

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鳥取市で2009年7月、タクシー運転手の下田和雄さん(当時60歳)が乗務中に拳銃で射殺され車を奪われた強盗殺人事件は5日、解決につながる有力情報の提供者に最高300万円を支払う警察庁の「捜査特別報奨金制度」の対象となった。
発生から13年半が経過し、情報が乏しくなる中、県警は被害車両の画像などを公開し、全国に協力を呼びかける。
事件は09年7月17日午後9時40分頃に発生。下田さんは、JR鳥取駅北口のタクシー乗り場から乗り込んだとみられる何者かに、約2・5キロ南東の鳥取市立川町6の住宅街で銃撃された。タクシーはその後、約1・5キロ南東の同市東今在家の路上に乗り捨てられているのが見つかった。
目撃情報はほとんどなく、捜査は難航。県警にはこれまでに約140件の情報が寄せられたが、昨年は2件にとどまった。
新たに公開した画像は、発生直前の午後9時38分頃、鳥取市南吉方3の通称・産業道路沿いにある防犯カメラに記録されたものだ。下田さんのタクシーが立川町方面へ走る様子が記録されていた。
事件前の午後9時30分には、JR鳥取駅に岡山発の特急「スーパーいなば」が到着。県警は、改札を出て北口に向かった乗客であれば犯人を目撃した可能性があるとみて、捜し出しては話を聞いてきた。
だが、〈1〉茶色の長髪で左手にトートバッグを持ち、右肩にショルダーバッグを提げた女性〈2〉黒い半袖シャツとズボン、白いスニーカーの短髪男性〈3〉黒と白のボーダー半袖シャツとカーキ色のズボン、黒いスニーカーの短髪男性――の3人にはまだ接触できていない。
さらに犯人とみられる足跡の分析から、靴底が「コンバース」ブランドで多用されたタイプであることも判明。県警は今回、こうした情報もホームページで初めて公開。報奨金制度の対象となったことを伝えるポスターを1万5200枚作成し、全国の警察署などに配布する。
浜本宣文・刑事企画課長は「『タクシーに乗る人を見た』などの情報があれば捜査は進む。発生から長期間たった後でも、情報が解決につながり、報奨金が出た事例があり、広く情報を集めたい」と話す。
下田さんが勤めていた毎日タクシー(鳥取市)の山田清社長(75)も、早期解決を願ってきた。事件後、運転席に防護板を設置するなど防犯対策を進めたが「密室となるタクシーでは限界がある」という。
「事件を起こせば必ず逮捕されるということが、何よりの抑止力になる」と力を込め、「報奨金制度が記憶を呼び起こす一助になれば」と期待した。
期間は来年2月4日までの1年間。情報は鳥取署の捜査本部(0120・110・572)へ。

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