スシロー「刑事民事で厳正対処」へ 「湯飲みナメ」「すしにツバ」動画男はどんな罪になる? 弁護士に聞いた

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大手回転ずしチェーンの「スシロー」が激怒している。同店舗内で湯飲みをなめ回したり、回転しているすしにツバをつけたりしている動画がネット上で拡散され炎上した。30日にスシローは「刑事民事の両面から厳正に対処してまいります」と怒りのコメントを発表。回転ずしというビジネスモデルを揺るがす一大事だが、どんな罰があり得るのか。
動画はあるスシロー店舗のテーブル席で撮影されたと思われるもので、金髪の若い男性が周囲をうかがいつつ卓上のしょうゆボトルの注ぎ口をペロリ。次に未使用の湯飲みに手を伸ばし、なめ回してから元の位置に戻した。それに飽き足らず、男性は指をなめてから、回転してくるすしにツバをつけることまでしてみせた。
約50秒間の動画は有名ツイッターアカウント「滝沢ガレソ」が29日に紹介したこともあり炎上。迷惑行為をした男性が通うとされる学校の名前まで取りざたされるなど大騒動に発展した。
スシローの運営会社は30日に公式サイトで「このような行為は、お客様へ安全・安心な『おすし』を提供する上で、お客さまとの信頼関係を損なう重大な事案であると重く受け止めており、日頃スシローの店舗をご利用頂いているお客さまがこのような動画をご覧になることで不快な思いをなさってしまうことは大変遺憾であります」と怒りを押し殺しているかのようなコメントを発表した。
さらに、今後は「刑事民事の両面から厳正に対処してまいります」と厳しい姿勢で臨むとしている。
迷惑がかかっているのはスシローだけではない。迷惑行為をした男性が通っているとされる学校には数えきれないほどの電話がかかってきている。教頭は「今、調査中で、詳細を確認できてからでないと申し訳ないですがコメントできません。本校の生徒かどうかという事実確認からしているところです」と話した。
問い合わせの電話の中には飲食業界関係者からのものもあり、「お怒りの言葉をいただいております」(同)という。
果たしてこの男性はどんな罪になりうるのか。元衆院議員の横粂勝仁弁護士は「しょうゆをなめたり、すしにツバをつけたりすることは器物損壊罪になります。物理的に壊さなくても、今回のように物としての価値を低下させることも当てはまります。湯飲みに関しては、判例で食器に放尿したケースは損壊になりましたが、なめて損壊というのは判断が分かれそうです」と解説した。また、迷惑行為そのものが業務妨害罪にもなるという。器物損壊罪なら3年以下の懲役、または30万円以下の罰金もしくは科料。業務妨害罪なら3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となっている。
「もっとも高校生なら少年法があるので成人のようには裁かれないでしょう。これで少年院に行くことはなさそうなので、保護観察処分になるのではないか」(同)
民事なら損害賠償はいくらになりそうか。「迷惑行為によって店に行きたくないという人も出るので影響はあるでしょう。つばをつけたしょうゆ代やすし代は求められますが、店内クリーニング代となるとどこまで裁判所に認められるか。迷惑行為と売り上げ低下の因果関係が争点になります。何百万円という額は難しいのではないか」(同)
回転ずしのビジネスモデルを揺るがす大問題だけに今後の成り行きが注目されている。

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