女性ALTにセクハラ、長崎県に賠償命令 防止対策義務違反と認定

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長崎県の県立高の外国語指導助手(ALT)だった米国籍の20代女性が、男性ALTらのセクシャルハラスメントで精神的苦痛を受けたとして、県に200万円の損害賠償を求めた訴訟で、長崎地裁は24日、女性がALTからセクハラを受け県が事前に防止対策をする義務に違反したとして、県に50万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
教員の処分調査を訂正 性暴力・セクハラは216人に 文科省 判決によると、女性は2018年3月、県立高の行事で発表する歌の練習のため男性ALT宅を訪れた際、男性に抱えられてベッドに連れて行かれ、肩を押さえ付けられてキスをされるなどした。

古川大吾裁判長は、歌の練習はALTの職務と関連があると認め、男性の行為は女性の性的自由を侵害して精神的苦痛を与え、就業環境を不快にして労働者の能力発揮に悪影響を生じさせる「環境型セクハラ」に該当すると判断。県はALTにセクハラ防止要綱の周知を徹底せず、事前にセクハラ防止対策を取る義務に違反したと認めた。 また、判決は、女性が16年10月に県立校の文化祭の打ち上げで、男性教頭から性的な言葉をかけられたことも環境型セクハラと認めたが、県の事前対策義務違反は認められないと判断した。 判決を受け、女性側代理人の中鋪美香弁護士は「賠償金額が少ないのは残念だが、判決がセクハラ行為があったと認定し、県の責任を認めた点は評価できる」と語った。県教委高校教育課の担当者は「判決を十分に精査して対応を検討したい」と話した。【樋口岳大】
判決によると、女性は2018年3月、県立高の行事で発表する歌の練習のため男性ALT宅を訪れた際、男性に抱えられてベッドに連れて行かれ、肩を押さえ付けられてキスをされるなどした。
古川大吾裁判長は、歌の練習はALTの職務と関連があると認め、男性の行為は女性の性的自由を侵害して精神的苦痛を与え、就業環境を不快にして労働者の能力発揮に悪影響を生じさせる「環境型セクハラ」に該当すると判断。県はALTにセクハラ防止要綱の周知を徹底せず、事前にセクハラ防止対策を取る義務に違反したと認めた。
また、判決は、女性が16年10月に県立校の文化祭の打ち上げで、男性教頭から性的な言葉をかけられたことも環境型セクハラと認めたが、県の事前対策義務違反は認められないと判断した。
判決を受け、女性側代理人の中鋪美香弁護士は「賠償金額が少ないのは残念だが、判決がセクハラ行為があったと認定し、県の責任を認めた点は評価できる」と語った。県教委高校教育課の担当者は「判決を十分に精査して対応を検討したい」と話した。【樋口岳大】

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