「お客さんをガッカリさせたくないけれど…」“底上げ”で量を減らす弁当業者の叫び

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「この商品、少なくなっている気がする……」あなたもそんなふうに思ったことはないか? 実は今、我々の周りでは多くの商品が「ステルス値上げ」(値段を変えず容量を減らす実質的な値上げ)されている。食品や日用品などのさまざまなジャンルの商品が、“ひそかに”少なくなっているのだ。
◆減っても見た目そのまま!「減らす容器」が業者に人気
ステルス値上げが注目されるなか、SNSで騒がれがちなのが、スーパーやコンビニで売られている弁当や惣菜の容器の“底上げ”だ。フタを開けると、容器の中央部分が山のように盛り上がっていて、「ご飯が見た目よりも少ない」なんて投稿が見られる。
実際に容器を作るメーカーのHPを見ると、製品説明欄には「内容量を〇%削減!」などと書かれた容器がずらり。「ボリューム感をキープ」「見映えはそのまま」という売り文句が並んでいる。
◆パンパンに詰まって見える容器も
都内で仕出し弁当業を営む男性に話を聞いたところ、「’21年あたりから、内容量を減らせる弁当容器のサンプルが、メーカーから大量に届くようになった」という。
「需要は相当増えていると思いますよ。底に傾斜がついていたり、二重に重ねて内容量を減らす容器だったり。ウチの会社でも、お米の量は減ってもパンパンに詰まって見える容器を使っています。
世間では非難されることもありますが、大手のコンビニさんが先陣を切っているし、僕らは追随しているような形。お客さんをガッカリさせたくないけれどコスト削減も必要だし、容器メーカーも弁当屋も、痛みに耐えながら試行錯誤して作っていると思います」
◆メーカー数社に問い合わせたが…
こうした容器を手がけるメーカー数社に問い合わせたが、取材を受ける企業は一社もなかった。「触れてくれるな」ということだろうか。
取材・文/週刊SPA!編集部※12/27発売の週刊SPA!特集「ステルス値上げ大調査」より

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