長野市公園廃止、名誉教授の夫人「危険人物と思われるのは残念」 近隣住民からの声に「ひがみじゃないですか」

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長野市が1軒の家からの騒音被害の訴えをきっかけに、公園の廃止を決めた問題。市に対して物申していたのが国立大名誉教授だったと報じられ、「上級国民への配慮か」と批判の声が上がっている。今回、この名誉教授が夫人とともに「週刊新潮」の取材に応え、180分にわたって“言い分”を語った。
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【写真を見る】名誉教授は「ここに住まないと分からない」と弁明――小学校ともトラブルがあったと聞いています。夫人:去年の3月頃から、小学校の放送がすごい聞こえるようになったんですよ。言ってる内容まで聞こえるくらい。5月くらいに、運動会か何かの行事をやっている時に、小学校に電話しました。教頭先生が来て、しょうがないというようなことを言われましたが、「毎日この音を聞かなきゃいけないんですか? 考えて欲しい。」と言ったら、マイクをずらしたみたいで、音は聞こえるけど、内容は分からないくらいに、改善されました。他には、小学校の授業で、クラス全員を連れてきて、自由に遊ばせるということがあって、それはうるさかったので、学校に電話しました。落ち葉を拾ったり、静かに活動することに対しては、何も言いませんよ。走り回ったりうるさい時は、「すみませんけど」と電話で注意しました。そういうことは、一年に数回くらいあります。

廃止が決定となった長野市の公園――児童館のエンジン音についても苦情を入れられた?夫人:エンジンの話は、児童館が出来てからずっとです。多くの人たちがエンジンを切らないことについて、館長にずっと言い続けてきました。でも、全然、改善されてこなかったです。去年の8月、2日かけて、エンジンを止めない人全員に注意しました。20台あってナンバーをメモしてます。館長に、「たまには出て注意して下さい」と言いましたが、全然してくれませんね。それで、初めて、市の子ども政策課にも電話しました。すると、「エンジンをストップするように」という張り紙を貼ってくれました。 そのことで、私たちと子ども政策課と館長と話し合った時に、館長が市の職員に対して、「知ってるでしょ、貰ってる給料。こんな給料で出来ない」って、言ってるんです。私だって、そんな良いお金もらって仕事してるわけじゃないですけど、そんなこと言いませんよ。だったら辞めればいいじゃないですか。――ご夫妻が子供の手を引っ張って、「ボール遊び禁止」の看板まで連れて行って注意したこともあったと聞いています。夫人:サッカーなどの音が気になった時は、言いに行ってます。ただ、手なんか引っ張ってないです。そういうことはしません。名誉教授:私もボール遊びが激しい時は、こっちにおいでって言って、ボール遊び禁止の看板に連れて行って、注意をしています。でも、手を引いたりはしていません。子どもからは威圧的に見えたかもしれませんが。「ひがみじゃないですか」――近隣住民から、忘年会で教授が「自分は人気の教授なんだと言っていた」という証言もあります。名誉教授:自分の仕事の話はまずしないので、あり得ないです。夫人:お前は教授なんだから、みたいなことを言われて、逆に絡まれるというのはよく見ました。うちのひとは、自分の職業のことを言わないので、そういうことはないと思います。――設計に携わっている方が、「同じ工学部だ」と言ったら、教授に「次元が違う」と言われたという話も伺いました。名誉教授:それは普通のことじゃないの? 普通の話の中で、そういう風に言うことはあることじゃないですか。でも、自分から名刺を出したり、自分から工学部の教授だなんて言うことはないです。夫人:ひがみじゃないですか。「危険人物みたいに思われるのは残念」――改めて今回の騒動についてどう思われますか?名誉教授:近所の人で音が気になっている人がいないかのように報道されてますが、「うるさいと言う方が問題だ」という風に報道がされている中で、音が気になっていたって、言いにくいというのはあるんじゃないですか。――子どものことなんだから許すべきじゃないか、という考えもあるかと思いますが。名誉教授:正論ですよね。私もそう思います。私が公園から100m離れた家に住んでいたら、「なんで使わせないのかな」って思いますよ。以前から、公園の看板に「ボール遊び禁止」などと書いてあるのを見て、なんで子どもに遊ばせてあげないのかなと思ってもいました。 私が言いたいのは、これが通常の範囲なんですか? ということなんですよね。人間小さいな、とか言われるのはわかりますよ。でも、それは、ここに住んでみないと分からない。だから、何回も言いますけど、ただ、子どもが遊んでいるだけなら、何も言いません。5、60人が遊んでいることに意見を言っているんです。ひょっとしたら、5人だったら、静かに遊べたかもしれません。それでこちらが少人数で遊ぶように提案しても、対応してくれない。それをクレームだと言われたら、それはそうかという感じなんですけど。夫人:一軒だけの苦情と言われても、この立地条件であれば、そりゃそうだろうとなりますよね。とにかく、私たちは騒音に対して、お願いしてきただけなので、危険人物みたいに思われるのは残念です。「クレーマーの方ですか?」と電話が夫人:今さっきも、電話が鳴って出たら、「クレーマーの方ですか?」って。そういう電話が来るんです。取れば、すぐ切られる電話も来てます。そういう迷惑電話が、昨日が5件ほど、今日は2件来ました。名誉教授:建築会社が「新築の資料をお持ちしました」と、直接、資料を持って来たこともありました。「頼んでませんけど」と言ったら、会社のホームページに依頼が入っていると言うんです。私はやってないです。 新宿のハウスメーカーから、新築物件の資料が送られて来たこともありました。皆さん知ってる信頼できる会社さんです。会社は悪くないと思うですけど、誰かがうちの名前を使って依頼したんだと思います。 *** この種の騒音トラブルは全国各地にある。今回の場合、自治体側が判断したにもかかわらず、その責任が個人にあるかのように会見で語った点が他の例とは大きく違うところだろう。今になって市の側は、個人への嫌がらせをやめるよう訴えているが、初期対応が拙かったという批判を招く余地はあっただろう。「週刊新潮」2022年12月22日号 掲載
――小学校ともトラブルがあったと聞いています。
夫人:去年の3月頃から、小学校の放送がすごい聞こえるようになったんですよ。言ってる内容まで聞こえるくらい。5月くらいに、運動会か何かの行事をやっている時に、小学校に電話しました。教頭先生が来て、しょうがないというようなことを言われましたが、「毎日この音を聞かなきゃいけないんですか? 考えて欲しい。」と言ったら、マイクをずらしたみたいで、音は聞こえるけど、内容は分からないくらいに、改善されました。他には、小学校の授業で、クラス全員を連れてきて、自由に遊ばせるということがあって、それはうるさかったので、学校に電話しました。落ち葉を拾ったり、静かに活動することに対しては、何も言いませんよ。走り回ったりうるさい時は、「すみませんけど」と電話で注意しました。そういうことは、一年に数回くらいあります。
――児童館のエンジン音についても苦情を入れられた?
夫人:エンジンの話は、児童館が出来てからずっとです。多くの人たちがエンジンを切らないことについて、館長にずっと言い続けてきました。でも、全然、改善されてこなかったです。去年の8月、2日かけて、エンジンを止めない人全員に注意しました。20台あってナンバーをメモしてます。館長に、「たまには出て注意して下さい」と言いましたが、全然してくれませんね。それで、初めて、市の子ども政策課にも電話しました。すると、「エンジンをストップするように」という張り紙を貼ってくれました。
そのことで、私たちと子ども政策課と館長と話し合った時に、館長が市の職員に対して、「知ってるでしょ、貰ってる給料。こんな給料で出来ない」って、言ってるんです。私だって、そんな良いお金もらって仕事してるわけじゃないですけど、そんなこと言いませんよ。だったら辞めればいいじゃないですか。
――ご夫妻が子供の手を引っ張って、「ボール遊び禁止」の看板まで連れて行って注意したこともあったと聞いています。
夫人:サッカーなどの音が気になった時は、言いに行ってます。ただ、手なんか引っ張ってないです。そういうことはしません。
名誉教授:私もボール遊びが激しい時は、こっちにおいでって言って、ボール遊び禁止の看板に連れて行って、注意をしています。でも、手を引いたりはしていません。子どもからは威圧的に見えたかもしれませんが。
――近隣住民から、忘年会で教授が「自分は人気の教授なんだと言っていた」という証言もあります。
名誉教授:自分の仕事の話はまずしないので、あり得ないです。
夫人:お前は教授なんだから、みたいなことを言われて、逆に絡まれるというのはよく見ました。うちのひとは、自分の職業のことを言わないので、そういうことはないと思います。
――設計に携わっている方が、「同じ工学部だ」と言ったら、教授に「次元が違う」と言われたという話も伺いました。
名誉教授:それは普通のことじゃないの? 普通の話の中で、そういう風に言うことはあることじゃないですか。でも、自分から名刺を出したり、自分から工学部の教授だなんて言うことはないです。
夫人:ひがみじゃないですか。
――改めて今回の騒動についてどう思われますか?
名誉教授:近所の人で音が気になっている人がいないかのように報道されてますが、「うるさいと言う方が問題だ」という風に報道がされている中で、音が気になっていたって、言いにくいというのはあるんじゃないですか。
――子どものことなんだから許すべきじゃないか、という考えもあるかと思いますが。
名誉教授:正論ですよね。私もそう思います。私が公園から100m離れた家に住んでいたら、「なんで使わせないのかな」って思いますよ。以前から、公園の看板に「ボール遊び禁止」などと書いてあるのを見て、なんで子どもに遊ばせてあげないのかなと思ってもいました。
私が言いたいのは、これが通常の範囲なんですか? ということなんですよね。人間小さいな、とか言われるのはわかりますよ。でも、それは、ここに住んでみないと分からない。だから、何回も言いますけど、ただ、子どもが遊んでいるだけなら、何も言いません。5、60人が遊んでいることに意見を言っているんです。ひょっとしたら、5人だったら、静かに遊べたかもしれません。それでこちらが少人数で遊ぶように提案しても、対応してくれない。それをクレームだと言われたら、それはそうかという感じなんですけど。
夫人:一軒だけの苦情と言われても、この立地条件であれば、そりゃそうだろうとなりますよね。とにかく、私たちは騒音に対して、お願いしてきただけなので、危険人物みたいに思われるのは残念です。
夫人:今さっきも、電話が鳴って出たら、「クレーマーの方ですか?」って。そういう電話が来るんです。取れば、すぐ切られる電話も来てます。そういう迷惑電話が、昨日が5件ほど、今日は2件来ました。
名誉教授:建築会社が「新築の資料をお持ちしました」と、直接、資料を持って来たこともありました。「頼んでませんけど」と言ったら、会社のホームページに依頼が入っていると言うんです。私はやってないです。
新宿のハウスメーカーから、新築物件の資料が送られて来たこともありました。皆さん知ってる信頼できる会社さんです。会社は悪くないと思うですけど、誰かがうちの名前を使って依頼したんだと思います。
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この種の騒音トラブルは全国各地にある。今回の場合、自治体側が判断したにもかかわらず、その責任が個人にあるかのように会見で語った点が他の例とは大きく違うところだろう。今になって市の側は、個人への嫌がらせをやめるよう訴えているが、初期対応が拙かったという批判を招く余地はあっただろう。
「週刊新潮」2022年12月22日号 掲載

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