「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏(享年77)の怪死から約1年半後の’19年9月、和歌山県田辺市は記者会見を開き、氏の遺産額を発表した。
土地2億円、預貯金3億円など、その額、実に約13億円─。
今後、控訴審が行われることになり、一審同様に無罪となれば、当然、元妻には相続権が発生する。だが、その額は「今後の展開」で大きく変わってくる。
「野崎氏は生前に〈全財産を田辺市にキフする〉と記した遺言書を残しており、現在、その有効性をめぐって野崎氏の兄弟姉妹らが田辺市と裁判で争っています。一審は遺言書が『有効』とされ、田辺市が勝訴。遺族サイドはすぐに控訴し、’25年3月に控訴審の裁判が開かれる予定です」(野崎氏の知人)
遺言書が有効の場合、田辺市が遺産の半分を受け取るが、元妻にも「遺留分」と呼ばれる取り分が認められている。遺留分は遺産の2分の1(6億5000万円)。この場合、兄弟姉妹の取り分はゼロだ。
遺言書が無効のときは、遺産は法定相続分に従って分配される。元妻は13億円の4分の3(9億7500万円)。残りの4分の1(3億2500万円)を兄弟姉妹でわける。
遺言書が有効にしろ無効にしろ元妻は莫大な財産を得るわけだが、いずれのケースも難題が待ち構えている。
「田辺市もしくは兄弟姉妹と元妻で、遺産分割協議をしなければなりません。ドン・ファンの遺産は土地も多いですが、はたしてどうわけるのか。兄弟姉妹と元妻の仲が極めて悪いという問題もある。弁護士を立てて、泥沼の相続争いになりかねません」(同前)
元妻は野崎氏とは別の男性に対する詐欺罪で今年9月に懲役3年6ヵ月の判決を受けており、その刑期が’25年11月まである。すんなり遺産生活とはいかなそうだ。
「週刊現代」2024年12月28・2025年1月4日号より
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